2010-01-01から1年間の記事一覧

ラジオNIKKEI「深野康彦のマネーマガジン」に出演します

明日の水曜日16:45〜17:30に放送される「深野康彦マネーマガジン」に出演します。「話題の著者に訊く」というコーナーです。『デフレ不況ー日本銀行の大罪ー』を中心に、これからでる予定の『AKB48の経済学』まで楽しく話してみたいと思います。深野さんと…

竹中平蔵『経済古典は役に立つ』

経済政策の担当者としての実務の経験、そして経済理論家としての分析的視点を、アダム・スミス、イギリス古典派経済学、ケインズ、シュムペーター、ハイエク、フリードマンなどの古典を一冊かけて読むという趣向である。元は大学の講義がベースということも…

竹森俊平「地球を読む」in読売新聞11月21日より

近所のファミレスにいったら読売新聞があり、そこで竹森さんが論説を寄稿していた。最近の国際経済の良質の展望になっている。 まずG20における米国の主導による経常収支の数値目標導入の頓挫の背景を通して、最近の主要国における内向きな政策志向をするど…

飯田泰之『ゼロから学ぶ経済政策』

経済政策を初心者にもわかりやすく解説することを目的とした飯田さんらしいコンパクトでわかりやすい新書だと思います。岩田規久男先生との共著『ゼミナール経済政策入門』の準備段階としてぜひ読んでもらいたい本でもあります。 まず本書は「幸福」を経済政…

「知っておきたい日本のこれから」in『週刊現代』でのコメント

先週の『週刊現代』でコメント寄せた記事がネットで読めますのでご紹介。ブログではちょっと記事の題名を間違えて掲載してすみませんでした。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1590?page=7「日本経済が立ち直れない最大の責任は、日銀の犯罪的な怠慢にあ…

「アニメ定量分析」

最近は毎週『SAP!』を購入している。サンキュータツオ氏と山本幸治氏の「アニメ定量分析」をファイルに収録しておくためである。大学の図書館にはないし、また近所の図書館でも見当たらない。連載第一回は最近10年くらいのアニメの放映話数の推移をもとにし…

AKB48の経済学の続報

アマゾンのサイトをみたら内容紹介があったので抜粋。230ページほどなのでもちろんこれは氷山の一角。主要メンバーの特徴を定義したAKBマトリックスとかも開発。AKBを批判した「あの人」(ヴォルデモートじゃないよ)にもきっちり反論。デビューから現在…

太陽政策より寒風政策、さかしらよりも愚かに

久しぶりの床屋政談。別になにか経済学の観点から言おうというわけではない。経験談みたいなものかな。 日本銀行が規模とタイミングの問題を大きく無視すれば、ようやくそれなりの政策を始めたし、以前よりもまともだから、あまり厳しい批判をせずに、暖かく…

多根清史『ガンダムと日本人』

名著『宇宙世紀の政治経済学』に続くガンダム政治学である。本書のように実際の歴史と宇宙世紀とを比較して論じることをこれからひそかに「比較ガンダム学」と読んでみたい。学問に「比較文明論」や「比較経済思想」「比較政治学」などがあるのと同じ、異な…

マーク・ミラー&ジョン・ロミータJr『キック・アス』

これは面白い。リアルにヒーローやったらどうなるか、それを本当に等身大で描き、多少のラッキーをまぜるとこの物語が誕生する。今年読んだマンガの中でもベスト3に入る傑作。続編が読みたい。キック・アス (ShoPro Books)作者: マーク・ミラー,ジョン・ロ…

『AKB48の経済学』予約開始

アマゾンなどで『AKB48の経済学』の予約が始まりました。自分でも手にとるのが楽しみです。AKB48の経済学作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/12/07メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 186回この商品を含むブログ (50件) を見る

長岡義幸『マンガはなぜ規制されるのか』

本書は題名通りにマンガをめぐる規制を戦後の歴史的経験から今日の論争(いわゆる「非実在青少年」問題)まで俯瞰した上で、基本的に僕なりの区分で表現すると、「モラルによって表現の自由を制限すべきと考える人たち」と「表現の自由への公的介入は基本的…

田中秀和(1935−2010) 『ベンガル』の共著者田中秀和さんがお亡くなりになった。ここに謹んでお悔やみ申し上げたい。彼と僕は親子なのだが、ここではふたりの共著『ベンガル』を中心に、彼のこの書に関連する業績だけ振り返っておきたい。いずれ彼との私的…

田口久人『受かる! 面接力養成シート』

新カテゴリーで就職というのを作ってみました。この田口氏の本はとても使いやすい。まず従来の面接本は、1)著者の経験談に比重を置くものが多く、それはそれで面白いものがあるが、やはり読者側からするとその体験を自分のものとして活かせるかどうかはは…

菅原晃『高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門Ⅱ』

上念司さんが「これはいい」ということで頂戴したのだが、いまネットでも話題の菅原氏の経済学入門書である。本書の特徴はふんだんに新聞の論説や社説、それに大学の経済関係の入試問題などを収録し、それを利用しながらマクロ経済(国民所得勘定、日本国の…

『週刊現代』でコメント

今日発売の『週刊現代』で「本当は凄い日本の底力」という記事でコメントしていると思います。ご一読いただければ幸いです。

堀江貴文・勝間和代『嫌われることを恐れない突破力!』

僕も子供のころから集団活動になじめず、目立つことが悪のような環境が、学校から社会へと、基本的にいまでも続いているような気がしている。いわゆる「出る杭は叩かれる」というものだ。多くの日本に住む人たちは多かれ少なかれそう感じているのかもしれな…

石橋湛山の外交戦略by姜 克實

姜 克實先生は尊敬している思想史研究者です。特に石橋湛山研究では毎回示唆を得ることが大きいのです。今回の『週刊東洋経済』の論説「紛糾する対中関係どう構築し直すか」も勉強になります。 尖閣諸島問題で最大の問題は、それが「国民感情の対立、ナショ…

ニコラ・ド・クレシー『氷河期ールーヴル美術館BDプロジェクト』

久しぶりのフランスマンガ(BD)の翻訳の登場ですね。 ニコラ・ド・クレシーの作品は『天空のビバンドム』が出ていますが、それと同時期に同じ作者の作品が翻訳されたということは、フランスのマンガの知名度の向上にも役立つでしょう。そのほかにもメビウス…

若田部昌澄「危機の経済政策ー湛山ならばどう立ち向かうか」

これは『週刊東洋経済』の論説とは異なり、経済倶楽部講演録に収録された石橋湛山賞受賞をうけての講演です。これはとても深い内容の湛山論でして、『経済倶楽部講演録』(2010年11月)が一般で入手が難しいだけに少し残念です。なお経済倶楽部自体は東洋経…

優れた音楽産業論:津田大介・牧村憲一『未来型サバイバル音楽論』

いま早稲田大学で経済学研究(文化の経済学)の講義を今年限定で行っている。前回は、ニコニコ生動画で津田大介さんの司会の番組に出たときの様子を講義で流した。ニコニコ生動画を講義で流すのはあまりないのかもしれない。自宅に帰ってTwitterをみたらその…

大学生の就職内定率低迷についての雑感

大学生の就職内定率、過去最低の60%割れ(10月時点)だという。去年までは僕の所属する学部はいい意味でも悪い意味でも経済全体の一種の先行指標だったように思えるが、今年は学生の頑張りや僕自身肋骨を折るなど教職員の踏ん張りで、全国平均よりかなり…

石橋湛山の経済政策by若田部昌澄

『週刊東洋経済』の特集「石橋湛山が今、首相ならこうする」での若田部さんの論説を拝読しました。石橋湛山賞の受賞者でもあり、その受賞の講演(『経済倶楽部講演録』所収)でも、まさに現時点での湛山の経済思想の一番深い理解者であると思われる若田部さ…

今年度、河上肇賞受賞作なし!!

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/main/kawakami_prize/この賞初めての出来事であり非常に落胆した。とてもレベルが低く、選考委員の意見はきわめて辛辣な意見で一致していた。事実上、開催して数十分で決まったといっていい内容であり、本当にがっくりきて…

中原伸之元日本銀行審議委員吼える!「日本は「四権分立国家」か?−日本銀行の「独立性」は天賦・固有の権利ではない」

ついに中原氏の凱旋です。『景気とサイクル』誌(第50号)より。 最近、日銀法改正の動きが超党派で見られることはおおいに歓迎される。特に第2条(理念)に加えて(金融政策の目標)を明確に規定することが喫緊に必要とされている。 さて中原氏は、日本銀…

『SAPIO』で語る“タックスヘイブン”社会&中国経済の「弱点」雑感

今日発売の『SAPIO』に寄稿しています。「青写真 日本型タックスヘイブン社会が実現すると「サラリーマンの通勤ラッシュがなくなる」という見出しがついてます。http://www.zassi.net/mag_index.php?id=55 『SAPIO』に登場するのも久しぶりですね。雑誌の巻…

今敏追悼BOOK

『Comic リュウ』の付録の小冊子。今敏のマンガ『セラフィム 2億6661万3336の翼』からの抜粋、筒井康隆氏との対談、氷川竜介氏の評論を収録しているなかなかよくできた小冊子で資料的な価値は大きい。 いままで今敏という存在ではなく、『パプリカ』や『千年…

上野泰也と仮面ライダー

『Voice』の最新号を頂戴しました。ありがとうございます。そういえば最近はTwitterばかりで同誌をふれることをブログでは忘れてました。またこのブログも毎日更新を心がけ始めたので復活中ですので、これからもまめにとりあげさせていただきます。 今月号は…

さらば宇宙戦艦ヤマト1978年8月5日

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の上映日は78年8月5日。僕はその日、川越市内の駅を始発にのって池袋の上映館に向かった。なぜ始発電車にしたのか記憶がもうないのだが、ネットのない当時では、「この映画がとてもヒットするのではないか」という予感…

『世界史の構造』を読むー『atプラス』06号

頂戴しました。ありがとうございます。前号については悪態の限りをつくしました 笑。さて、今回の号ですが、柄谷行人氏の『世界史の構造』を雑誌の過半を使って大特集しています。 しかし御存じのように僕は思想系は、マンガとアニメ、あるいは経済学に関係…