2010-01-01から1年間の記事一覧

ブライアン・リー・オマリー『スコット・ピルグリムVSザ・ワールド』

カナダ発のマンガ。原作を読んだときにいま一な感じがしたが、読んでない後半も含めて分厚い一冊で日本登場。最近は海外マンガが積極的に紹介されていてその傾向だけは嬉しい。 ただこの作品はいまいちのれない。ちょっと奇妙な世界とつながった一地方都市の…

伊東光晴「私のケインズ研究」メモ

ケインズ・パイロット・シンポジウムに行ってきました。ただ昨日の疲れで第一シンポの途中からで(浅田統一郎さんの発言がやはり説得的に僕には思えました)、最初から最後まで聞いたのは伊東氏のもの。日本経済思想史に関心があるのでやはり。ただ残念なの…

いよいよ??明日です

研究会の題名は「デフレカルチャー研究会」として開催場所で表示がでていますが、便宜的なもので、田中個人の報告会になります。場所と日時12月11日(土曜日)午後3時から6時頃まで大東文化大学板橋校舎経済学部会議室(2号館5階20523)http://www.daito.a…

長岡義幸「性表現規制の都条例改定問題再び勃発」『創』1月号

僕の見たところもっとも首尾一貫したマンガ規制への言論を続けているのが長岡氏である。その長岡氏が、6月の都条例(非実在青少年規制)の否決以降の行政側、規制推進派、規制反対派などの動きを丁寧にフォローし、11月末までの状況をわかりやすくまとめたの…

今敏&押井守『セラフィム 2億6661万3336の翼(限定版)』

今敏と押井守、両氏の興味深いコラボの初めての単行本化です。世界が「天使病」という疫病に犯されてる近未来を舞台にした物語です。天使病の謎を解明するために、その重要なキーを体内に秘す年をとらない「少女」と同伴者たちの冒険譚なのですが、残念なが…

原田泰・大和総研『データで見抜く 日本経済の真相』

常に日本経済のさまざまな問題を独自のユニークな視点で実証的に議論している原田泰さんと大和総研の若い大和総研のエコノミストたちとのコラボです。誰がどこを書いたか考えずに通読して、後で「犬の耳」の箇所をみてみると、やはり原田さんの書かれた部分…

『AKB48の経済学』発刊

すでに都内大書店、ネット書店(楽天ブックス、bk1、amazon)では販売しています。月曜日以降には全国の書店に拡大していくと思います。 Twitterで書店向けの紙チラシの情報が一月も前に出回ったので何かかなり待たされた気になってますw まだ当時はゲラを…

石戸諭「脱不況こそ最強の雇用対策」

石戸さんの岡山の新卒市場を通じての雇用対策論です。http://mainichi.jp/area/okayama/news/20101201ddlk33100558000c.html 長期不況に加えてデフレ、円高を背景にした「先行き不透明感」を理由に、企業側が採用を渋り、就職活動を直撃した形だ。同労働局の…

永井義雄・柳田芳伸編『マルサス人口論の国際的展開』

共著者のお一人喜多見洋さんから頂戴しました。ありがとうございます。本書はマルサスの人口論の国際的な影響力の伝播を思想史的に考察した論文集です。世界的にも類のない先駆的な業績であり、人口問題が日本でも世界でもさまざまな局面で話題になっている…

『村上春樹全小説ガイドブック』

編集の雨宮郁江さんから頂戴しました。ありがとうございます。村上春樹、大好きです。79年のデビューから一貫してファンですね。ほとんどの小説を読んでます。読んでないと思われるのは、この本を読んで思い出したのですが、80年に『文学界』に掲載された「…

僕が論じた三島由紀夫

三島由紀夫没後40年ですが、10年近く昔に、僕も三島由紀夫について少し話したことがあるので、以下にだいたいのところを引用。主に宮崎哲弥さんと話してます。懐かしい。しかし三島由紀夫を通して祝祭空間としての構造改革論ぽいものを語ってるのか? 自分で…

黒木メイサ=森雪とスターバック

森雪=黒木メイサで正解だったね。ヤマトが35年の時空を超えて、森雪の物語になって完結。ツンデレ万歳、ストレートパンチ上等w しかし観客は映画の日もあるんだろうけどほぼ満席で、おまけに年齢が高い! みんな僕と同じかせいぜい10歳くらい下。完全にヤ…

年末研究会 詳細(12月1日付記)

昨日お知らせした自前研究会の詳細です研究会の題名は「デフレカルチャー研究会」として開催場所で表示がでていますが、便宜的なもので、田中個人の報告会になります。場所と日時12月11日(土曜日)午後3時から6時頃まで大東文化大学板橋校舎 経済学部会議室…

ペット課税雑感

民主党が議論しているペット課税だけど、ペットの飼育放棄は、すでに飼われた経験のあるペットの取引市場が成立していないこと、不妊・去勢治療が社会的に最適でないこと、あとは日本では猫や犬についてあまり血統を重んじない傾向があり、これは日本では非…

『電撃ゲームス』(2011年1月号)で『AKB48の経済学』紹介

は、早い! 著者でさえさきほど(日本時間29日午後7時)、見本を手にしたばかりなのに(笑)。 『電撃ゲームス』の最新15号で、まもなくでる予定の『AKB48の経済学』を紹介していただけました。ありがとうございます。奇しくも、同誌は二号続けて巻末グラビ…

今年も年末研究会だよ、全員集合!!

恒例になってしまうのでしょうか? 今年もやります、個人研究会。今年はとりあえず以下の日程です。詳細な場所と時間が決まり次第お知らせします。どんな方(社会人、学生、ただの人、宇宙人、未来人、イカ娘イカ略)でも参加自由ですが、会場の大きさが限ら…

奥浩哉『GANTZ OSAKA』1&2

娯楽としてのマンガというのがあって、それはあんまり人にはいわない。例えば『ハチワンダイバー』だとか『土龍の唄』だとか『神のみぞ知るセカイ』などまめに読んでいるが、あまり人に面白いとも読んだらともすすめたことがない。不思議なものである。この…

親子が知らない「いい会社」55社(ネット版)

『AERA』で取材に関わった「親子が知らない「いい会社」55社」がネットで読めるようですのでご紹介します。 http://www.asahi.com/job/special/OSK201011260088.html ここでの以下のコメントは現状では三年生もしくは二年生にあてはまるでしょう。四年生に…

この商品を買った人はこんな商品も買っています

まだ発売まで1週間ぐらいありますが、アマゾンのHPをみたらやはりいつもと違うなあ、という感じがします。「この商品を買った人はこんな商品も買っています」(実際はまだ予約ですが)では、AKB48の本やDVDは写真集やCDなどが目白押し。経済関係は3冊ぐらい…

パスカル・ラバテ『イビクス』

ロシア革命の嵐に見舞われる寸前のペトログラード。冴えない会計士であるネヴゾーロフは母親の墓参の途中で出会ったジプシーの女の予言ー「世界が流血と大火で崩壊するとき、戦火が街を焼き尽くす時、兄弟同士で殺し合う時、あんたは金持ちになる。数奇な運…

毛沢東と福田徳三ーフィリップ・ショート『毛沢東』より

山形浩生さん(+守岡桜さん)の訳業『毛沢東』。まだ完読ができていないのですが、上巻の最初の方でとても気になる部分があったので紹介します。毛沢東のマルクス主義理解に大きな影響を与えたのは李大訢であり、李に影響を与えたのは河上肇。そして毛沢東…

タブーな経済書

『サイゾー』の特集本、タブーななんとか本をペラペラみたら経済関係がなかった。もし原稿依頼されたらどんなタブーな経済本をあげるだろうか? 以下、断続的に書いてみたい。これもあげとけというのあったらTwitterで情報お願いします。1 白川方明「マネタ…

ケインズ・パイロット・シンポジウム― 現代世界の経済的・社会的危機にどう向き合うか ―

非常に興味深いシンポジウムのお知らせが来たので以下にコピペします。 このシンポジウムは、現代世界の危機を(一言で言えば)「ケインズ・スピリット」で論じ合うものです。ここでケインズがもちだされるのは、何よりも経済学・経済政策・社会哲学・哲学・文…

『自由思想』「石橋湛山賞」特集

今回の号は先にも一部ご紹介した若田部昌澄さんの石橋湛山賞受賞記念講演「危機の経済政策ー湛山ならばどう立ち向かうか」を中心に、受賞作講評、僕の「若田部昌澄さんの人と仕事」などが収録されています。僕の若田部さんに対する本音と真実が書いてありま…

「名著百選」inブックファースト新宿

ブックファースト新宿開店二周年記念ということで「名著百選」が今週から開催中です(来年1月初めまで)。僕も選ばせていただきました。何を選んだか? お分かりでしょう。僕が最近、「最も信頼できる人のひとり」と公言した方の著作ですw 今日、実家にいく…

ヌリエル・ルービニ&スティーブン・ミーム『大いなる不安定』

今回の世界経済危機は十分予測された、そしてその予測を正しくあてたとされるのが本書の著者のひとりヌリエル・ルービニだ。従来から97年のアジア経済危機に関する論文や情報をネットを通じて流布していることで知られていたが、今回は確かにいち早く今回…

「独立自尊」欠く日本外交(猪木武徳)in『読売新聞』11月22日

肩を痛めてから一人の食事はほぼ外食。で、近所のファミレスにいくと読売新聞の無料サービスがあるのでそれを頂戴する。読売新聞は先日の竹森俊平氏もそうだが、今回の猪木武徳氏のように重厚な経済学者に論説を書かせているので面白い。これは「解題新書」…

ステファン・ハガード&マーカス・ノーランド『北朝鮮 飢餓の政治経済学』

北朝鮮の経済がどんな状況にあるのか。特に90年代における数十万人から数百万人の人々が死亡した大飢饉とその現在までの波及を、独自の視点からまとめた重厚な著作である。大学の講義の基礎資料として購入していたが、昨日の北朝鮮からの砲撃事件を契機に…

ラジオNIKKEIで話したものの拡大版

本日、放送された深野康彦さんのマネーマガジン(ラジオNIKKEI)で話した内容を大幅増量した「話題の著者に訊く〜田中秀臣氏(2010.11.24放送分」、下がその音声ファイルです。クリックしてお聞きください。 http://market.radionikkei.jp/mm/asx/mm-101124b…

最近の新卒市場をめぐる雑感ー雇用のミスマッチよりも「量だよ、量」

今日の未明からTwitterの方で書いたものを余計なところ省いてただ掲載したもの いまの四年生の就職率低下は、雇用のミスマッチなので、中小企業の求人は多いとかいう人がいるが、あまりにも統計数字を鵜呑みにしすぎている。現場ではよく知られていることだ…