大学生の就職内定率低迷についての雑感

大学生の就職内定率、過去最低の60%割れ(10月時点)だという。去年までは僕の所属する学部はいい意味でも悪い意味でも経済全体の一種の先行指標だったように思えるが、今年は学生の頑張りや僕自身肋骨を折るなど教職員の踏ん張りで、全国平均よりかなり上回る内定率である。問題はこれからだが

で、その内定率上昇の要因(あくまでいま現在)をちょっと分析してみると、1)いまの四年生が地方私大にしては動き出すのが都内大学並みに速かった、2)公務員対策が貢献していて合格者激増、3)文科省の支援でカウンセラーを設置、職員もカウンセラー資格取得など体制整えた4)留学生対策

4)の留学生対策は、日本での就職の厳しさと母国に帰国したときの就職状況さらには大学院進学時点での日本での就職改善状況(留学生については学部卒より大学院卒の方が就職率はいい)などを、ゼミなどを通じて理解させて、進路志望を早期に確定させること。留学生は進路の表明が曖昧なので

まあ、とりたてて何かやっているわけではないのだが、地道にやっていまのところはまあ、少し去年よりいい程度なわけだが。これが大幅に改善するには景気をよくする以外に方法はない。断言。こんな単純なこともわからず雇用のミスマッチ解消、流動性の改善などをいうのは就職素人の戯言

かって90年代、00,01年頃も「雇用のミスマッチ」や「雇用の流動化」といった市場改革こそ大学生の就職状況を改善するといった人が無数にいた。ほとんどは厚労省の受け売り。日本ではお役所の考えを修正してそのままいう人が実に多い。しかも「もう景気回復は見込めない(就職よくならない」とも


しかし実際には、03年以降回復し、新卒市場は04年から07年まで劇的に改善した。この時期の上武での就職率はほぼ100%近い。しかも就職意欲喪失者やフリーターはいても2、3名だったと記憶する。かように、景気回復の就職改善効果を否定する就職問題関係者の意識は低いのである

例えば就職市場は景気悪化しているわけだから、まあ、パイの大きさは一定かもしくは縮小。その中で大学が就職率を改善したいのであれば、わかりやすくいえばふたつしかない。ひとつはパイの切り取りを先にやってしまう(先ほど書いた1)に該当。なので就職活動の早期化は不可避な情勢になる。

 もうひとつは、パイの切り取りを少なくすむように工夫する。このパイは民間企業のパイとすれば、例えば公務員、教員、進学など別のパイぶんどり合戦にいかせる(そこでまた同様の問題は発生するが)。または意欲喪失者が増えても同様のことが起きるがこれは不況の深化で不可避に生じる

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