2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

岩田規久男日銀副総裁講演&記者会見:リフレ政策への無理解への反論と5年間の総括

岩田先生が日銀副総裁としておそらく最後の記者会見を行いました。それに先行して行われた講演の内容も素晴らしいものでした。 講演の要旨は、日本銀行の金融政策、特に「イールドカーブコントロール」の有効性に主眼を置いています。また政府があまり過度に…

文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」1月30日火曜コメンテーター出演:働き方改革、仮想通貨流出問題など

メインの解説は、政府の「働き方改革」についてコメントしました。同一賃金同一労働についてですが、なぜ同じ労働が違う賃金をもつのかを、1)流動性が低いこと、2)社会的慣習など の二点にわけて解説しました。もし労働の流動性が高ければ、各企業間の賃…

論説「共同通信「松吉」署名ツイートと山中教授「印象操作」の根深い病理」by田中秀臣in iRONNA

毎週連載の論説です。今週は共同通信のあまりな報道について言及しました。この件については誤りを率直に認める方がいいと思います。迷惑をこうむるのは、山中先生やまた読者そのものなのですから。http://ironna.jp/article/8793

ビットコインは「市場の失敗」(by田中秀臣in Schoo)と岩井克人氏の「朝日新聞」インタビュー

岩井克人先生が朝日新聞のインタビューに答えて、ビットコインはなぜ現状、「貨幣」になれていないのか、また分散型「貨幣」が長期的には滅亡する予測についてもコメントしている。「ビットコイン、貨幣になっても必ず…」 岩井克人さん https://www.asahi.co…

論説「アベも憎けりゃ“リフレ”も憎し」by田中秀臣in 『月刊WiLL(ウィル)』3月号掲載

原題は「偏向報道の経済学」ですが、特にリフレ政策をめぐるテレビの取り上げ方、日本の「財政危機」なるものの報道の仕方、村中氏のマドックス賞受賞を「報道しない自由」などを経済学の視点から言及していきました。 またBPOについてその役割が正しいもの…

論説「SNH48と愛国ビジネスの経済学」by田中秀臣in『電気と工事』2月号

第77回目の連載は、中国共産党の文化政策と親和的になっているSNH48の活動を中心に、中国におけるアイドル市場について簡単に解説しました。連載はすでに七年目に突入しております。電気と工事 2018年 02 月号 [雑誌]出版社/メーカー: オーム社発売日: 2018/…

文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」1月23日火曜コメンテーター出演:大雪で大荒れ、北朝鮮資金源、中国経済の現状

ともかく大雪で大変でした。番組では、北朝鮮の資金源問題を、古川勝久氏の話題の新刊『『北朝鮮 核の資金源 「国連捜査」秘録』をベースにして解説しました。特に北朝鮮は国際的に必ずしも孤立していない事実、国連に加盟していない台湾が密輸や資金送付の…

論説「エコノミストを忌み嫌った「保守の真髄」西部邁の過ち」by田中秀臣in iRONNA

西部邁氏の死去にともなって、改めて西部氏の「経済論」について言及しました。題名などは編集側の裁量なので私がつけたものではありません。予定では、西部氏の核武装論についても解説するつもりでしたが、それはまた機会があれば書きたいと思います。http:…

BPO(放送倫理・番組向上機構)についての研究メモ

自分のためのメモBPO放送倫理検証委員会の政治化に関する考察 伊藤 高史 https://ci.nii.ac.jp/naid/120005768167 「しかしながら、BPO の放送法第1 条2 号の解釈は妥当であろうか。放送法第1 条2 号は確かに「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することに…

『フリースタイル』37号:THE BEST MANGA 2018このマンガを読め!他

買いそびれていた『フリースタイル』を購入。数か月前にマスダさん関係のパワポを掲示してから、再びマンガやアニメ研究の意欲が沸いてきた。まあ、アイドル経済の研究は労働経済やこのマスダさん関係のそもそも派生だったのが、いつの間にか大きな柱になっ…

文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」1月16日火曜コメンテーター出演:麻生副総理の連合批判、銀行リストラ時代など

麻生副総理が珍しく経済関係で正しい発言をしていた。連合、経団連、経済同友会など組合と経営者たちは、まったく賃金引上げなど社会や経済のふところを温める政策を支持しようとはしない。常にバカのひとつ覚えのように、今日は我慢して緊縮、増税、再建と…

論説「デフレ不況の勝ち組「債券ムラ」と既存メディアの蜜月関係 」by田中秀臣in iRONNA

時論的というよりも常にこの20年闘ってきたものをテーマにしました。http://ironna.jp/article/8683

『冒険エレキテ島』2巻、『フイチン再見!』全巻、『人間失格』第一巻、『西村ツチカ短編集アイスバーン』、『セカイ、WORLD、世界』

最近読んだマンガをまとめて。『冒険エレキテ島』は絵柄と美少女の絵を楽しむ以外のものは微塵もない。村上もとか氏の『フイチン再見!』は、昭和・平成の社会史をひとりの女性の一生を通して描いた力作であり名作。『龍 ron』の蓄積が活きてるのだろう。伊…

大和田秀樹『疾風の勇人』第七巻(講談社)

惜しくも造船疑獄で物語が終わってしまった。パンク風の下村治の登場など、これからむしろ経済ヲタク的には話が盛り上がっていくのに、リフレ的コミックにならずに終結。惜しい。ただしここまでの物語展開はマンガ的要素と現実の時代背景とを巧みかつ面白く…

バスティアン・ヴィヴェス他『ラストマン』1、2巻(飛鳥新社)

お気に入りのBD作家バスティアン・ヴィヴェス の日本マンガの要素を取り入れたという作品。電子書籍で読んだが、なんど3,4巻はないのか。これは困った。 1,2巻はまだ物語の出だしという感じだが、少し冗長。どうも主人公は少年ではなく、その母親のよ…

2017年に一般公開された外国映画で記憶に残るベスト5

昨年もわりとコンスタントに映画を見たけれどもずば抜けて多くはない。去年も同様のエントリーを書いたので今年は映画の題名程度の簡単なものに。1 『はじまりへの旅』 カルト的な環境の中での家族物語。こういう趣向の映画はかなり好きである。はじまりへ…

『モンストレス vol.1: AWAKENING』(G‐NOVELS)

椎名ゆかりさんの訳はどの作品も読みやすく、本作のように入り組んだ作品世界を読むときには特に助けになる。ゴシック・ホラー、スチームパンク、日本的な伝奇小説的雰囲気などいろんな要素が混在化して、グロテスクな世界像を生み出している。ただしヒロイ…

いしいさや『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(講談社)

Comic NoseとはEconomicsのアナグラムである。Kindle版で日本のマンガを読むようになってしばらくたつが、本作は単行本で購入していろんな人に貸してもよかったかもしれない。 幼少期から思春期まで、エホバの証人の信者である母親に強く影響され、その信者…

倉菌紀彦(ジュール・ヴェルヌ原作)『地底旅行』全四巻

偏屈で狂気じみた熱情をもつ地質・鉱物学者とその甥、そしてアイスランドで雇ったガイドの三人による地球の中心を目指す地底冒険譚である。原作はSFの祖のひとり、ジュール・ヴェルヌの作品。幼少のころに読んだきりの作品だが、それでも地底湖の恐竜たちの…

ビルギット・ヴァイエ『マッドジャーマンズ ドイツ移民物語』(花伝社)

1980年代、モザンビークの社会主義政権は、外貨獲得のために若者たちを当時の「兄弟国」東ドイツに期間労働者として派遣した。この作品は、遠い異邦の生活で青春を送った三人のモザンビークの若者(男二名、女一名)に焦点をあてて、それぞれの人生がどう変…

論説「三橋貴明DV事件を機に考えたい「家庭内暴力の経済学」」by田中秀臣in iRONNA

三橋貴明氏の家庭内暴力事件を契機に、家庭内暴力を経済学の視点から考えてみました。どうかご一読ください。http://ironna.jp/article/8641

文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」1月9日火曜コメンテーター出演:三橋貴明問題、韓国・北朝鮮会談、日米株価はバブルか等

今週も波乱の開幕でした。というか今年もですが。水曜コメンテーターの三橋貴明氏が逮捕されたとの報道をうけたあとの、最初のレギュラーコメンテーターとして出演しました。三橋問題については、ご本人も暴力を振るったことは認めてますので、厳しい態度で…

家庭内暴力(Domestic Violence)と経済学

内閣府のデータをみて、物凄く多く、また氷山の一角だとも思うので以下に経済学との関連性があるものを掲示。 主に自分のためのリンク集。論文はまだ要旨しかみてないのでこれから読んでみる。内閣府男女共同参画のデータ http://www.gender.go.jp/policy/no…

猪瀬直樹&磯田道史『明治維新で変わらなかった日本の核心』(PHP新書)

古代、中世、近世そして明治維新(明治の終わりも一部含む)までを、日本の心性、制度、そして天皇を核にして、さらに経済やインフラにも配慮しながら両者が語り合う、実に刺激的な書である。 特にしばしば現代の問題に立ち返るときの両者の視点は興味深い。…

映画『ダンケルク』

かなり渋い戦争映画。劇場ではスルーしてamazonでみた。以下の総力戦体制からの福祉国家の誕生を描いた簡潔な論説を読んでみる気になったもの。映画『ダンケルク』を見れば分かる「福祉国家」誕生の秘密 | 「映画を見れば社会保障が丸わかり!」 | ダイヤモ…

橘木俊詔『子ども格差の経済学』(東洋経済新報社)

去年読んだが感想を書いてなかったので簡単に。全体としてはあまりいい出来の本ではなく、特に政策的提言が父親の取り組みをもっとすること、家庭学習の時間を増やすこと、塾へ行く時間を減らすために学校内に習熟別クラスを増やすなどの提言があるが、前二…

「日本人はどのくらい貧しいのか -話題の〇〇で理解する、わかりやすい経済のはなし」(2018年1月4日)田中秀臣&田原彩香in Schoo(スクー)

今月は貧困をテーマに、そもそも貧困とは何か、日本の貧困の状況、隠れた貧困、アダム・スミスからの貧困の見方、価値観の対立、貧困の解消のための政策としてのマクロ経済政策とベーシックインカム。ベーシックインカムの問題点と漸進的な改革、生活保護に…

ニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか!」に出演:(アンカーマン:飯田浩司、出演:上念司、田中秀臣)

今日は「ザ・ボイス」で上念節を堪能してきましたw 笑い過ぎて仕事にならなかったので謝罪と賠償と、あと思い出し笑いで電車に遅れたので遅延証明書も請求しますw≪16時台特集≫ 2018年の経済展望について≪取り上げたニュース一覧≫ 1. アメリカ国連大使、北…

岩田正美『貧困の戦後史』(筑摩書房)

岩田正美氏の書籍はとても参考になる。と同時に「失われた20年」を強調するのはかまわないが、いつものことだがその原因、解消法の認識はないに等しい。つまり日本の社会政策、社会問題、労働問題の研究者がほぼ軒並み陥っている通常の財政・金融政策への無…

アニメ『宝石の国』

久しぶりにまとめてテレビのシリーズ化されたアニメをみた。去年は「ソードアートオンライン」をまとめてみたぐらいでめっきり視聴が減ってしまった。夏にジョーン・ロビンソンの研究を福田徳三研究の穴埋めでやろうとしたら思いのほか面倒なことになってし…