2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

竹中平蔵氏の「個人の力」論とポピュリズム

論評をためらうすごい面子だ http://policywatch.jp/ このエントリーの続きで以下を読んだ。 竹中平蔵インタビュー続きhttp://diamond.jp/series/kishi/10017/?page=3 国民、ひとりひとりの力っていったいなんなんだろうか? 八丈島に竹中氏がいったときに島…

「経済学者の良心」に背かなくても「御用学者」にはなれます

ただし問題意識ないままに財務省の説明を真に受ければですが。 財政制度等審議会の「建議」を遅まきながら読んでそんなことを思いました。 これは報道などでは「埋蔵金」を財政政策として利用することを例外的に認めたということで大きくとり上げられたよう…

シェリングも知らない

今日もネタで始まるオレがいます。 山形浩生さんから緊急?電です。 「シェリング自身も知らんって言ってますよ。ご参考まで。」 ぎゃふん! レビットの講義ノートの謎は深まるばかりです

辰巳ヨシヒロ『劇画漂流』(上巻)

本ブログではずっと追っている辰巳ヨシヒロ氏の名作といわれていたものが単行本化しました。これはいい作品です。なにか過ぎた時代の哀しさみないなものが物語の前半を覆っています。上巻では昭和24年から31年2月までの話が時系列に沿って描かれていて…

原田泰・神田慶司『物価迷走』の書評

日経ビジネスオンラインの書評です。ご参考までに http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081126/178343/

狂人たちの祝宴

万年危機論者たちの祝宴という文章を講談社の新書の中に書いたことがありましたが、政府税調の増税を政府にせまる、みたいな提言をみると、この深刻な不況がこの先いまのままでは確実に到来しようという時期に、いったい何をこの政府税調の面々は考えている…

完全失業率改善、しかし実態は

http://www.asahi.com/job/news/TKY200811280034.html 総務省が同日発表した労働力調査によると、10月の完全失業率(同)は前月を0.3ポイント下回る3.7%になったが、同省は「求職活動をしていない非労働力人口が増えたことが要因とみられ、改善とは…

トイレでお尻燃える

またまた今日もネタです。すみません。 「ケツに火がつく」というお下品な言葉がありますが*1、INAXの便座が発火する可能性があるとか。 それでふと過去のトイレの経済学ネタで、わざわざ望月衛さんにお頼みして、『ヤバい経済学』のレビットに聞いていただ…

八田達夫『ミクロ経済学1』

献本いただきましたありがとうございます。最初の構想から約二十年、実際の執筆に約10年とお聞きしました。内容を拝見すると現代の日本の政策問題がほぼ網羅されていて、とても実践的なミクロ経済学のテキストといえるのではないでしょうか。続けて予告さ…

爆笑問題ニッポンの教養

連日、ネタばかりですみませ〜ん。ちょっと次回作の原稿に打ち込んでまして(あと風邪。皆さんもお大事に)ブログに手がまわりましぇん。 ところでITOKさんのmixi日記経由で知ったのですが、もう日付はかわって昨日になるのですが、なんでも下のようなイベン…

グーグルのおせっかい?

いま気がついたんだけど、「田中秀臣」と自分の名前をグーグルの検索で入力すると、その瞬間に「田中秀臣 池田信夫」とウインドの下に伸びた部分(なんというのかしらんw)に出てくる。これは僕の設定だけなのか普遍的に出てくるものなのか、そういうことに…

「評価できないほど無茶苦茶」な麻生政権を批判する不透明な政策論

竹中平蔵氏の特別インタビュー(前編)。しかし本当にこの人と高橋・中川氏は「上げ潮」派といっても別個のように思える。まあ、正直いって竹中氏の政策論よりも、他の万年危機論者、ネットだけで威力のある清算主義者や国家破綻論者、日本銀行とその周囲、…

ロバート・ルーカスの提言(アルファにしてオメガ)

ロバート・ルーカス先生が何をいうか、実はhickisanさんだけではなく僕も注目してました。 http://d.hatena.ne.jp/okemos/20081119/1227091343(全訳読めます) http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20081123#p2(よりルーカス発言の要旨をくっきり整理) ルーカ…

ティム・ハーフォード『人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く』

あ、もう翻訳がでたんだ。個人的には行動経済学(の啓蒙書の氾濫)にいまいち乗り切れないところがある僕はハーフォードのエッセイが好み。昨日のパーティーの帰路に購入。人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く作者: ティムハーフォード,遠藤…

内田樹『昭和のエートス』

献本いただくどうもありがとうございます。 ネットカフェがネットカフェ難民から効率的に収奪するビジネスモデルでそれを作り出したことに「疚しさがないだろうか」ですか。 エート昭和のエートス作者: 内田樹出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2008/11/21メ…

ビョルン・ロンボルグ『五〇〇億ドルでできること』

ご恵贈いただくどうもありがとうございます。これは原書のときに少し読んでいたのでやはり翻訳になると非常に助かりますね。いまだと最優先的な課題は国際的な金融危機そしてその後の国際リフレ競争(+世界的ゼロ金利レジーム≒世界デフレ)の敗者にならない…

アメリカ、デフレの罠へ。マンキュー教授の処方箋

http://gregmankiw.blogspot.com/2008/11/what-is-fed-to-do.htmlいわゆるリフレ派の政策そのものですね。

日本銀行政策決定:追い込まれるの待ってます

最近は日本銀行の「受動的政策」(市場の動向に合わせて金利調整する)というのはただのマゾ的行為ではないか、と思うようになりました。速報しか読んでないのでなんですが、前回の利下げの効果を見極めてとかいっていますが、超短期な資産価格の変化以外に…

フリーランチはあるのか?(高橋洋一教授@山本七平賞受賞パーティーを行く)

今晩は。全国の紳士淑女と日本銀行の皆さん。田中秀臣のブログへようこそ。 街はめっきりクリスマス気分満載。赤プリタワーがクリスマスツリーに綺麗に輝き、遊歩道が幽玄の世界に招き猫ます。 おっととと、そちら側ではございませんでした。逆側でやってい…

第四回河上肇賞、三年ぶりに本賞の受賞者!

■第4回「河上肇賞」受賞者決定! 〈本賞〉 片岡剛士 氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員) 作品名:『我が国の経済政策はどこに向かうのか ――「失われた10年」以降の日本経済――』〈奨励賞〉 平山亜佐子 氏(エディトリアルデザイナー、文筆家…

ドバイはジュリアナ東京状態か?

ジュリアナ東京がバブルの象徴のように懐メロ的映像でしばしば出てくるが、もちろんジュリアナ東京自体はバブル崩壊後に出現したものであることはよく知られている。 バブル崩壊後、まだ数年はバブルの余韻が強く残り、誰も不況が10数年も続くとは理解してい…

浪川攻『前川春雄 奴雁の哲学 世界危機に克った日銀総裁』

献本の予告をいただきました。嬉しいので前もって告知しますね。本自体は明日配本です。しかしこの世界金融危機の局面で、まさに時宜を得た出版といえるでしょうね。日本が変動為替相場制に移行してから最初の金融政策の成功例(というか現状まででは例外的…

スタンレー・ミルグラム『服従の心理』

山形浩生さんからご恵贈いただきました。どうもありがとうございます。すでに古典となっている重要著作の新訳ですね。しかも2004年版のペーパーバック版の序文、訳者あとがきと訳者あとがき2ともいうべき訳者による服従実験の批判的検討を加えた内容になっ…

おめでとうガチャピン! ヒマラヤ登山成功

ガチャピンはヒマラヤ登山だけではなく、いまの日本銀行の総裁もお茶の子さいさいでできますのよ。 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080322#p3

国際金融協調の「余地がない」のが問題ではなく、国内の政策協調がうまくいかないのが問題

『産経新聞』のネットニュースより金融サミットで協調確認するも、日本に財政・金融政策打つ手なし http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/196179/ 金融政策も状況は同じだ。 欧米が相次いで利下げに踏み切る中、日銀も歩調を合わせる形で10月末…

ラブファイト

近所のシネコンで。伊豆から帰ってきて少し休息してから日をまたいだ深夜上映へ。お客さんはあの時間帯にしてはかなりいたと思う。予告編で何度か見ていて興味を持ったが、その期待を裏切らない佳作。 幼馴染で喧嘩がとても強い女の子(北乃きい)と、その彼…

G20(金融サミット)でわかる欧州の衰退と新興国の遅れ

ここ2、3日は伊豆にいったり帰宅してからもあまり時事的な話題に乗れないでいたのでちょっとした浦島状態。もちろん伊豆でもネットもテレビも新聞もなにもかも利用可能だったんだけれども関心の方向が別な領域(医療と食)に向かっていたのでまだ十分ふだ…

伊豆に来ています

「伊豆に来ています」と、アメブロの女優ブログみたいに、「おいしいスウィーツたべてます!」と写メとともに書きたいところですが 笑。日本IBMの天城会議に昨日から出席中です。今回はサステナビリティを切り口に、僕は医療や福祉関係の分科会で議論に参加…

「昭和恐慌 その時、宰相・犬養は」(毎日新聞岡山)

世界的な金融危機とその後の不況をうけたこの時期に、毎日新聞から以下のような取材をうけれたことは感銘深い出来事でした。ネットでもアップされたのでご覧いただければ幸い。http://mainichi.jp/area/okayama/study/news/20081112ddlk33020557000c.html 翻…

ハイエク(とロビンズ)は「清算主義」だったのか?

大家Lawrence H. White のDid Hayek and Robbins Deepen the Great Depression? http://economics.sbs.ohio-state.edu/jmcb/jmcb/07056/07056.pdf Contrary to some accounts, the Hayek-Robbins ("Austrian") theory of the business cycle did not prescri…