2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

苦楽堂編『次の本へ』

編集でもう長いことお世話になってる石井伸介さんが興した出版社・苦楽堂の最初の出版物。ご依頼をうけたときに、本が好きで、本の将来のこと、本を読む人たちのことを、とても真剣に思っている石井さんらしい企画だと思った。若い人たち、例えば高校生に向…

根岸隆先生、文化勲章受章(ネットで読める経済学史関連の業績リンク集)

根岸隆先生が文化勲章を受章されました。おめでとうございます。以下では根岸先生の経済学史サイドからみた業績の簡単な紹介(以前、文化功労者にならえたときに書いたエントリー)と、それに加えていま現在、ネットでpdf書類で読める学史関係のリンク集を提…

11月6日(木曜)午後7時:古谷経衡『知られざる台湾の反韓 台湾と韓国が辿った数奇な戦後史』(PHP)発刊記念トークイベント(出演:古谷経衡、田中秀臣、ハクコン俊美)in荻窪ベルベットサン

古谷さんの新刊『知られざる台湾の反韓 台湾と韓国が辿った数奇な戦後史』を中心にして、台湾、韓国の戦後史を日本などとの関係も視野にいれて、政治、社会、経済などの角度から語ります。ぜひご参集ください。予約はこちらからhttp://www.velvetsun.jp/next…

さんみゅ〜『初雪のシンフォニー』MV

これshort.verなんだ。ロングの方ではおなじみ(?)百合展開があるか?(笑初雪のシンフォニー (TYPE-A)(DVD付)アーティスト: さんみゅ~出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2014/11/19メディア: CDこの商品を含むブログ (6件) を見る

もっと!!さんみゅ〜DEいいじゃん!!第一回視聴

経済の話題ばかりが続くので一息でお気に入りのアイドル。 ニコニコ生放送で、さんみゅ〜。新曲「初雪のシンフォニー」のMV初公開や、一輪車対決(?)、29歳(?)プロフィールなど楽しめる内容。やはりMCがこの子たちはうまいね。 http://live.nicovideo.j…

山口那津男・公明党代表:法律つくるのが面倒なので国民は苦しんでてください(!?)

朝日新聞のネットニュースより消費増税「やる方が私は望ましい」 山口・公明党代表 http://www.asahi.com/articles/ASGBP6SXVGBPUTFK00R.html 「やらない」となれば、法律を作り直したり、なぜやらないかをきちんと説明したり、そしてその後の先々どうするの…

アイスバケツチャレンジを巡る二つの見解

お互いに名指しはしてないので気が付かないでしょうけど(笑)山形浩生さんと僕がそれぞれアイスバケツチャレンジをめぐって対立した意見を表明しています。これは友人限定ですが、フェイスブックでのやり取りの反映です。もうアイスバケツチャレンジ自体、…

政策割り当て論(『構造改革論の誤解』kindle版関連)

経済問題を議論するときの基礎の基礎の基礎は 自分の好き嫌いの次元と事実判断をできるだけ分けること。 さらに基礎の基礎は、「政策の割り当て論」といって以下のことを意味する。 1)いま自分が問題にしていることがなんなのか正確に把握すること、2)そ…

実質賃金低下をめぐる誤解ー消費税増税が実質賃金を低下させ生活を悪化させてる主因だー

リフレ政策(日本銀行によるインフレ目標付きの量的緩和政策)を「実質賃金を下げる」ことを目的、あるいは帰結してそのままで終わると思ってる人たちが非常に多い。これは間違った悪しき解釈である。 もちろんリフレ政策が効果を与える初期において雇用コス…

山川賢一ワールド大研究ー日本アニメと悪堕ちループ(10月18日夜、山川賢一、稲葉振一郎、田中秀臣)で言及した作品

本日のトークイベント。個人的には大変勉強になりました。特に虚淵玄氏の作品『PSYCHO-PASSサイコパス』と『魔法少女まどか☆マギカ』の対比で、前者が「悪堕ちループ」という物語なのに対して、後者は「悪堕ちループ」という物語の構造をメタ的視点から語る…

村田沙耶香『殺人出産』

村田沙耶香氏の作品は、坂上秋成さんが『ハコブネ』の書評を『週刊読書人』に書いたのを読んでから注目していた。世評の高い『殺人出産』をようやく読了。「殺人」と「生命」に対する価値観をずらすとどういうことが人間の関係でおきるのか。小説として純粋…

日銀のインフレ目標を犯人にする「円安で生活悪化」説の大罪。本当の犯人は消費税増税の悪影響だ!

今日、飯田泰之さんと話す機会があって、いまちまたでは日本銀行がインフレ目標政策をすることで、インフレ=円安が輸入エネルギー価格や輸入原材料価格などを高騰させ、それが生活を圧迫しているという「円安で生活悪化」説が流行していると教えていただい…

2014年10月15日

twitterでファボやRTした記事をブログの方で一定量たまったら、自分の整理のために掲載しておきます(ブログの検索機能であとあと確認が容易)。『創』休載の理由 http://blog.goo.ne.jp/yu_miri/e/5d4d7a14d483a42ec4d3ec53a1f02cc5 この問題についての良記…

高橋洋一『バカな外交論』

世界政治・世界経済のなかでの日本を簡潔に知りたい人にはかなり便利な一冊。外交とは貿易と安全保障の二頭立てである、というのが高橋さんの見立て。 その結論は至ってシンプルだ。貿易では自由貿易志向、安全保障では日米同盟を基軸にして同じ民主主義的な…

レッド・ファミリー

映画『レッド・ファミリー』を観に久しぶりに新宿。佳作。悲惨でコミカル。人間の多面性を表現するために、スパイと家族(本物と疑似)を掛け合わせたことも面白さの原因でしょうね。家族も考えてみれば虚構だしね。キム・ギドクが監修しているが、彼の作品…

なぜ日銀は追加緩和しないのか? 答:増税決断待ちだから(?)

なぜ日銀は追加緩和しないのか? 答は、どうも安倍首相が消費税増税を決断するのを待っているようである。 だいぶ前に僕はTwitterで以下のようなことを書いた(今年の4月初め)。https://twitter.com/hidetomitanaka/status/454038778705743872 追加的な金…

ネットでよくある“誤読”の一例(朝日新聞慰安婦問題関連)

知人のITOKさんが言及していたこの人のブログを読んで、僕が言ってもいないことを書いているので唖然とした。本当にこういう嘘はやめてほしい。http://alicewonder113.blog.fc2.com/blog-entry-61.html 田中秀臣氏に関しては社会保障に関しても見識があり良…

浜田宏一「冷戦後の防衛構造」&「日本の平和憲法の経済的帰結」

日本国憲法第九条と日本国民にノーベル平和賞がくるかもというネタに関連して、浜田宏一先生の講演をふと思だした。浜田宏一「日本の平和憲法の経済的帰結」 http://www.asiawide.or.jp/eps/symposium/s96/1-4.htm このスピーチを補うやや理論&実証的なスピ…

2014年ノーベル経済学賞はジャン・ティロールに

今年のノーベル経済学賞は、ジャン・ティロール(Jean Tirole)が受賞。 ティロールの金融危機の経済学にはあまり感心しなかったが、彼のテキストは僕の大学院時代の定番だった。いまは知らないけど。それと米国の論者たちはフランス人であることに注目して…

姜 克実『石橋湛山』

「ナショナリズムの超克」−姜先生によればこのテーマこそ石橋湛山が最後に残したメッセージだという。戦前からの小国主義の立場、特に政界の第一線を引退してから強まった脱冷戦的な発想を引き継ぐ石橋の思想であり、今日的な意義がある、我々が立ち向かわな…

宮崎哲弥『正義の見方』の小泉今日子論

だいぶ前にTwitterで栗原裕一郎さんに教えてもらった小泉今日子論(「小泉今日子の時代」の終焉)が収録されている。同書はいまから13年前に宮崎さんと初めてお会いするための予習を兼ねて購入して読んだ。そのときはアイドルに興味がまったくなかったので軽…

児童労働はなぜ悪いのかーゴッセンからカイラシュ・サティアルティへー

ノーベル平和賞がインドのカイラシュ・サティアルティ氏に授与された。児童労働への反対運動を評価されてのことだという。このエントリーでは、児童労働がなぜ経済学的な意味で悪いのかを過去の経済学を利用して少し書いてみたい。 ヘルマン・ハインリッヒ・…

常見陽平『リクルートという幻想』

常見陽平さんから頂戴する。感謝。リクルートのCMという身近な話題から入り、同社の価値観の古さを指摘し、リクナビの問題点、リクルートの企業体質、新規事業の評価など「リ僑(元リクルート)」(w)ならではの厳しい視線が展開。正直、リクルートという…

エミリー・オスター『お医者さんは教えてくれない妊娠・出産の常識ウソ・ホント』

編集から頂戴したのだけど、初め題名をみたときに、「ん? なんでこの本を?」と思ったが、すぐにこれが経済学魂全開の面白本だとわかった。著者は米国の若手経済学者。自身の妊娠と出産(実際には子どもをつくる決心をする前から)の体験中に、さまざまに生…

戻ってきたブーメラン&「外堀を埋められた増税派」(飯田泰之in『Voice』11月号)

飯田泰之さんの「外堀を埋められた増税派」(『Voice』11月号)を読む。 第二次安倍政権の9月の内閣改造の評価で、閣内や党の要職に増税派を「取り込んだ」形になっていることを指摘し、これは増税シフトよりもむしろ増税派へのけん制としても解釈できること…

片岡剛士「“アベノミクス・マークⅡ”のすすめ」in『Voice』11月号

片岡剛士さんの消費増税の影響の検証と今後の日本経済の見通し、そして対策を提起したすぐれた論説。すでに僕とのトークイベントでも本論説の内容と同じものを話されていましたが、活字媒体で読めるのは便利です。ぜひお手にとって一読してください。消費税…

ポール・クルーグマン他『金持ちは税率70%でもいいVSみんな10%課税がいい』

クルーグマンとギリシャ元首相ジョージ・パパンドレウは「金持ちは税率70%でもいい」派。なぜなら社会的不平等に対処するお金が足りないから。また税金上げても金持ちが海外逃亡したりやる気がなくなる可能性は低いし、資産を海外に逃避させる可能性がある…

千住淳『自閉症スペクトラムとは何かーひととの「関わり」の謎に挑む』

このエントリーでも言及したちくま新書の一冊。猪木武徳先生が推薦されてるので興味があって読む。タイラー・コーエンが『フレーミング』(原題は『情報喰いの時代』等)でも話題にしていた、「自閉症の認知的側面」にも関連していると思ったからでもある。 …

エンリコ・モレッティ『年収は「住むところ」で決まる』

だいぶ前に頂戴して何度かTwitterで称賛したのでブログに書いた気になってました(笑)。今年読んだ経済書の中でも、ニーズィー&リスト『その問題、経済学で解決できます』やシーブライト『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』と並んで面白かった。世…

マッキノンと円高シンドローム

ロナルド・I.マッキノン死去。日本のリフレ派に多大なインスピレーションを与えた偉大な経済学者。まだ79歳と高齢者が多い経済学者の中ではまだまだこれからだったのに。残念です。 以下では、日本のデフレ問題とマッキノンの「円高シンドローム」の関係につ…