2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
たまたま立ち読みして本書の中で20世紀前半の科学者であり、独特な経済論を提示したフレデリック・ソディの業績を丁寧に扱っているので手にとりました。オットー・ノイラートの「地質学的主体」という独特の観念を中心にした彼のエコロジー経済学の解説、そ…
梶谷さんから頂戴しました。ありがとうございます。いい意味でも悪い意味でも梶谷さんらしい著作です。個人的には類似の中国経済・社会をテーマにした『「壁と卵」の現代中国論』の方がわかりやすい内容でした。今回のは、特に柄谷行人の思想を批判的に検討…
担当編集者の上林さんから頂戴しました。どうもありがとうございます。日本の近現代史を研究していれば、伊藤氏と接点をもたないですごすことは不可能だと思う。僕も『近現代日本人物史料情報辞典』で仕事をしたことがあります。ただこんなに精力的に膨大な…
集団的自衛権の本で何がいいのかよくわからなかったが、知人たちが薦めていたので読んでみた。集団的自衛権の正しい定義、集団的安全保障との違い、旧新安保条約、国連憲章、平和条約、そして日本国憲法との関係の中での集団的自衛権の解釈の変遷。その変遷…
中原伸之先生の1967年に発刊された旧著を初めて読んだ。フェイスブックの知人がとりあげていて自分でも読んでみたくなったのだが、早稲田大学図書館にもおいてない珍しい著作。アマゾンでほどよい値段だったので資料保存の意味もこめてゲット。「石油産業は…
amazonでインスタントビデオ版を購入。一言で表現するのが難しい。冒頭の描写で『ディアハンター』を思い出したが、あの映画の細部を忘れてしまった。いままで無数の戦争映画をみてきたが、中東を舞台にしてこの10数年の米軍の戦争を追った作品には、言い知…
現代の新約聖書前日冒険譚みたいな話。分裂症の大学教授を狂言回しに、現代の神話を構築していく。とはいえ全体的に軽い仕上がりで読みやすい。アラン・マンジェル氏のスキゾな冒険作者: アレハンドロ・ホドロフスキー,メビウス,原正人出版社/メーカー: パイ…
基本的なソースと考えるものを以下に。まずなんといっても法案そのものと政府のQ&A。これくらい読んでおかないとこの問題について何も語れない。平和安全法制等の整備について http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/housei_seibi.html安倍首相と自民党高村…
優しい語り口の対話だが、その内容は精神の貧困といっていい価値観によって形成されている。まず両者の同意している事項は、脱成長論であり、また「参照基準」問題を契機とした大学の教育のランクに応じた区別である。脱成長の文脈で、成長しない世界で「精…
2年半ほど前に首都大学で行った講義のスライド。そのうち生存権に関するまとめ。
人間の必要概念についての哲学的な考察。ハートレーディーンの著作『ニーズとは何か』でも紹介されていたが、この分野の代表的な著作。「身体的生存と人格的自律はどの文化どの個人的行為にとっても前提条件であるから、この身体的生存と人格的自律の二つが…
面白い! 内藤さんの遊び心と日本の「美女」文化についての簡潔な説明が見開きでワンテーマ書かれていてすらすら読める。ユーモアあふれる文章とオチで随所で吹きだすことうけあい。でも全体は、日本の文化の深さを切手というメディアから知ることができる。…
うっかり本読んでたら見逃しました。中国におけるAKB48の受容についてコメントしていたはずです。
以前このブログでも紹介した好著『経済は世界史から学べ!』の茂木誠氏の新著が地政学をテーマにしたというので早速購入。この分野の本としてとてもバランスのいい著作だと思う。まず文章が平易で、また時間と空間の両方の推移を、しっかりと展望できるすぐれ…
原作を何十回も読んでるけど、映画の方もまた四季の移り変わりと人の生死を描いた名作だと思う。綾瀬はるかのもう若くはない枯れていく感じ。長澤まさみ、夏帆、風吹ジュン、そして大竹しのぶら女優陣がやはりいい。広瀬すずの若さも画面一杯に広がる。いい…
良く知る仲間誉めではなくて、これは面白い。上念版「失敗の本質」。身内原理で組織や社会をダメにする人たちの事例豊富。日銀、陸軍、ゼンショー、大塚家具など。就活の皮相さも上念さん自身の自己批判を踏まえて書かれてて説得的だ。高学歴社員が組織を滅…
生存権を正面からテーマにした本というのは驚くほど少ない。本書は2009年に出された上記三者へのインタビュー形式の書籍だが、加えて朝日訴訟以来の代表的な「生存権」に関わる判例が掲載されていて便利である。日本国憲法第25条のいわゆる「生存権」の規定…
500年以上に及ぶ資本主義の世界史的展望の書の増補新版です。御恵贈いただき感謝します。これから拝読します。資本主義の世界史〔1500-2010〕〈増補新版〉作者: ミシェル・ボー,筆宝康之,勝俣誠出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2015/05/25メディア: 単行本…
置塩ー柴田定理などの貢献で戦前の日本経済学の代表者のひとりであった柴田敬の初めての本格評伝である。いままで知られていなかった戦後の政治活動・学内政治的な活動なども丹念に紹介し、また戦前の国際的な活躍についても大きく紙数を費やして解説してい…
福田恆存の名著『人間・この劇的なるもの』を現代のアイドル論として再解釈して提示する、中森さんの意欲作です。今回の河出書房新社の特集本に寄稿・再録された中では、片山杜秀氏や西部邁氏と並んで興味深い内容でした。アイドルの「自己の宿命」を生きる…
中森さんの福田論から、西部邁氏の福田恆存論(現在『日本の保守思想』に収録)を再読して、西部氏の著作をすこしまとめ読みしている。この佐高氏との映画をめぐる対談はかなり面白い。黒澤明の『生きる』の主人公造形への突っ込みが特に興味深い。「自分の…
日清日露戦争から太平洋戦争に至る経済的・政治的俯瞰がとても優れていて一読をおススメします。特に太平洋戦争に至った理由として、特に安達さんが注目しているのは満州へのこだわりです。この満州へのこだわりの背景には、人口増加維持不可能論とでもいう…
なかなか近くの本屋になく、大型書店でようやくゲット。さすがにピケティ関連本が多くでているので、それとの差異化にも気をつかいつつ、安田さんが監修しただけあって経済学的な注意点も豊富。高橋洋一さんの解説書と合わせて読むといいかもしれない。理論…
今回の『河上肇記念会会報』には引き続き河上肇の夭折した長男河上政男の日記が収録されていて当時の若者の心情がよくわかる。この河上政男の日記はまとめて誰か注釈をきちんとつけて出版するといいのではないか? 他には八木紀一郎先生の論説が、例の学術会…
頂戴しました、ありがとうございます。アイズナー賞などを連続して受賞した話題のコミックの登場です。翻訳は椎名ゆかりさん。『ロミオとジュリエット』が死なないで子供まで作って大脱走、という感じでしょうか。主人公のふたりは対立する星人、その生まれ…