2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

若田部昌澄編著『日本の危機管理力』

4年間かけただけあり、重厚な内容の一冊になっています。総論的に、リスク(危機)対応の俯瞰が冒頭で与えられ、それに応じて、準総論ともいえる憲法にかかわるリスクがまず論じられています。そして経済的な諸リスクー金融システム、時価会計、マクロ経済…

高血圧ガール、ん?

先週に続き、休日出勤で群馬へ。猛烈に疲れる。遠いもん。クルマでいったわけだけどラジオ聞いてたら、「今日は高血圧の影響で天気もよく」と聞こえた。そうか、今日は高血圧か、と頭の中で反芻してもあまり疑問に思わなかったw。血圧の高い人に効く食事教…

島田虎之介『ダニーボーイ』

雑誌連載のときに追うかな? と思いつつも毎度のことだけど単行本を待つぐーたらなオレ田中がいるわけですが、この作品もあいかわらず洗練されていて面白いものです。いままでの島田作品の中でも構成がすっきりしていて読みやすいですね。ただ作品の奥深さで…

上武大学駅伝部、二年連続箱根駅伝へ

http://www.yomiuri.co.jp/sports/ekiden/2010/news/20091017-OYT1T00454.htm おめでとうございます。二年連続の出場は大変な快挙です。花田監督をはじめとする指導陣のマネージメント能力の高さをあらためて認識しました。もちろん選手のみなさん(ゼミの学…

長谷川幸洋『日本国の正体』

前も少し書いたかもしれないけど、まだ全部読んでなかったので、以下に簡単なメモ書き。民主党政権になって本書の内容の前提になっていた光景も変わった感じ。例えば事務次官等会議はもうないし。 日本の政策を動かしているのは官僚である。官僚の行動のイン…

予算の最大論点は「税収の落ち込み」

税収実績が現状で前年比70数%。このままでは40兆円を大きく下回る可能性があるという。その一方で歳出規模は膨張している。報道などではこの歳出の内容ー子育て手当やダムの見直しなどーに目が行きがちだが、僕からみると最大の予算の問題点はこの「税収の…

山形浩生『訳者解説 新教養主義宣言リターンズ』

個人的にも嬉しい山形さんの最近訳した本の解説の一挙収録+その解説の解説つき。 しかし考えてみれば、山形さんや稲葉さんたちと知り合わなければ僕の人生もつまんないものだったろう。彼らの翻訳や本を読んだ人も同じ感想を抱くに違いないと信じている。特…

宇野常寛の『つばさ』論

さて寝る前の最後のメールチェックと思い、パソコンの前に座ったら、「週刊ビジスタニュース」が来ていた。うんで開いて読んだらちょっと驚いたw 宇野常寛氏がNHKの朝ドラの『つばさ』論を展開していたからだw 経済学者内部『つばさ』チーム代表としては、…

ブックファースト新宿「これからの経済がわかる本」企画補遺

全国(というか足跡みると全世界)のブログ読者の方々で、ブックファースト新宿にまでいけない方、あるいは行く前にどんな感じなのか見ておきたい方もいるかと思います。というわけで企画の写真が手元に来ましたので掲載させていただきます。ちょっとボケて…

『ビューティフル』

キム・ギドク原作の映画化。原作は読んでいないので比較のしようもないのだが、全編の雰囲気はキム・ギドク的な世界だと思う。美という宿命を背負った女性が生前はもちろんのこと死後までも徹底的に凌辱される様を延々と描く。美と美ではないものが実は一体…

リフレ闘将 勝間和代

信頼している友人から勝間氏のリフレ闘将ぶりを拝聴した。おそらく一般読者・視聴者が分からないいろんなところで彼女は日本のリフレ的再生のために闘っているのだろう。 生温かくみている視点(暗黒卿ならぬ暗黒貴婦人的視点)から一応転換し、今後もより一…

公開イベントのお知らせ:その1

11月のでエントリーしてしまうと記事を更新してもアンテナに反映されなくなるのでそれは不便だから、毎日じゃないかもしれないけどまめにその日のトップに書くことにしておきます。 それだけだと面白くないので関連した小話も掲載w。なんかhamachanこと濱口…

今年のノーベル経済学賞

去年(もう一年か!)のインパクトが強かったので、それは今年も立派な業績なのは間違いないんですが、なんか物足りないというか 笑。去年の刺激が強かったせいですねえ。ウィリアムソンの本は翻訳で読んだことがありますが、それは青木昌彦氏が早稲田で講演…

若田部昌澄「国家戦略局は役に立つ?」

『Voice』最新号収録。 ネットでは以下で読めます。 http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=212 今回の『Voice』は山形さんの連載も面白かったし、飯田さんの記事も参考になりました。上記の若田部さんの記事の僕からみた要点は以下です。 会議の失…

70年代終わり、僕は『ユリイカ』にでも詩を書きたかった…のか?

本当に雑談。今日、大学は学園祭休みで休講(日月と連日出勤で疲れた)。それでもちょっと学務もあり都内に出たついでに、本屋で『ユリイカ』のペ・ドゥナ特集を買う。まだ見本をいただいてないが、保存用に一冊買うことにした。 しかしこうしていまぺらぺら…

ユリイカ:ペ・ドゥナ特集補遺

だいたい目を通したけど、ペ・ドゥナの写真集は絶対だれかがまとめて書くから僕は時間もないし軽く触れる程度でいいや、と思ったけど、僕が一番ふれてるのか。もう少し時間があればもっとたち入れたからこれはどこかで触れるつもり。ロンドンにいったときも…

コメント欄から

現在契約社員 2009/10/12 01:15 介護、農林業で雇用創出へ=失業者住宅の拡充検討−政府 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091011-00000038-jij-pol>公共事業の大幅削減のあおりを受ける建設業労働者に対しても、受け皿として「農林業への就労支援をプロ…

昔と同じか

その昔、01年に小泉政権が誕生してまもないころ、マスコミは彼の行動をバラエティ的にとりあげたり、その政策を印象的にも好意的にとりあげていたように思える。国民の熱狂的な支持も高かった。もちろんこのエントリーでも指摘した「合理的な無知」を採用…

意味わからん

13億円が少額だからどんな効果があるのか、それを民主党が凍結したからといって雇用対策が阻害されるとはいえない、という話をみた。 ああ、この人たちは13億円というおカネの多寡だけみて、その対費用効果なんかまったくみてないんだなあ。その理屈でいえば…

無知につけ込まれて生きることのないために必要なこと。

http://www.mammo.tv/interview/archives/no254.html mammo.tvでインタビューうけました。これは聞き手の方がとてもよくまとめてくださったので、最近では日経ビジネスのインタビューと並んで、いまの僕の見解をわりと包括的に読める内容のものになっている…

シノドスでイベント

自分なりに現在の経済問題、エコノミストの発言への評価を連続講義の形でまとめてみたいと思います。なかなかブログや著作などでは表現できないものをこのイベントでは話せればいいな、と思っています。詳細・お申し込みはこちらhttp://synodos.jp/event/ind…

藪下史郎『金融論』(ミネルヴァ経済学テキストシリーズ)

ご本頂戴しました。ありがとうございます。現時点で最新の金融論のテキストです。特に非対称情報の経済学について丁寧な解説があることもこの分野の導入に最適であり、なかなか金融論の話題の中でこれだけ非対称情報の経済学の成果を取り入れた入門書はない…

たまに思うが

しかし雇用増やすにはマクロ政策、椅子を増やすにはマクロ政策 とまるで選挙の宣伝のように連呼しているのに、それとはまったく違う新卒の就職の効率化の必要性を強調しただけで、まさかこの僕がマクロ政策不要論だとか、椅子を増やすことに無頓着かのように…

『ペ・ドゥナ 『空気人形』を生きて』目次

内容詳細がでたのでご紹介。韓国ドラマや映画について「批評」を書ける人がどのくらいいるのか、というひとつのサンプルとしても貴重かもね。ちなみに僕はペ・ドゥナの写真エッセイ集三部作を韓国の留学生に教えてもらいつつ読破中(イギリス読んでいま東京…

『週刊現代』:息子・娘を入れたい「いい会社」ベスト100

毎週月曜発売らしいけど本日見本をいただく。もう書店にはでてるのかな? 正直、選ぶのに苦労した。就職に関してはトップ企業に僕の目線がいってないからね。あくまでも僕の目線は中小の良質な企業で、学生の卒業後の満足度の高い企業。しかし各界識者から選…

若田部昌澄編著『日本の危機管理力』

少しだけ立ち読み。日本の危機管理力作者: 若田部昌澄,河野勝,竹森俊平,若田部昌澄「国家のリスク・マネージメント研究会」出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/10/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る

『映画は映画だ』、『喧嘩ーヴィーナスvs僕ー』

キム・ギドクの原案・制作の『映画は映画だ』。キム・ギドク本人の作品『夢』よりが数段いいが、しかしそれでも間延びしているところもあり、娯楽作としてのカタルシスにも不足。前評判がいいので期待したのだが予想を大きく裏切られた。 『喧嘩ーヴィーナス…

雇用対策妨害して、縦割り前提の「雇用対策」唱える虚しさ

さて民主党の雇用対策にはまともな財政・金融政策がないことは散々指摘したので今日は違う角度から。 民主党は「雇用対策」を急ぐらしいが、僕はそれを虚しく受け止めている。所詮、その「雇用対策」(ミクロ的なものにいまは絞る)は、既存の省庁の縦割りを…

初校戻し、次々回作?、福田関連まとめ

昨日は結局、クルマを選択。余裕をもって出かけたが、関越自動車道に入って強風に緊張したんだけど、雨はほとんど降ってなくて風も川越をすぎたあたりから弱まり、嵐山あたりでは台風の目に入ったのかほぼ無風状態。ラジオでは長野から群馬県を北上している…

今年のノーベル経済学賞はだれか?

以前は朝日新聞などに毎年のようにノーベル経済学賞ネタを提供していますが、ここ2年くらいはその件での取材がなく淋しい田中です 笑(最近は雇用関係ばかりになっております)。 さて今年は現地時間の12日に「ノーベル経済学賞」が発表されるわけですが、ト…