予算の最大論点は「税収の落ち込み」

 税収実績が現状で前年比70数%。このままでは40兆円を大きく下回る可能性があるという。その一方で歳出規模は膨張している。報道などではこの歳出の内容ー子育て手当やダムの見直しなどーに目が行きがちだが、僕からみると最大の予算の問題点はこの「税収の落ち込み」にある。

 現時点で、日本銀行も政府も経済の自然治癒ないしは外国の景気の持ち直しだのみ一色である。すでに何度も触れているが、現状での日本の経済政策に景気対策は事実上ない。そのため「税収の落ち込み」が今年度だけではなく、かなりの長期間続くことが現状の政策をみるかぎり予想される。もちろん民主党が政権を取る前からこの事態は存在しているので民主党のみに責任があるわけではない。しかし同時にいま現在の民主党政権に税収の落ち込みを避ける政策があるのかといえば明確にノ―だろう。

 いわば景気対策を放棄 → 税収の落ち込み放置 → 歳出の見直しの限界 → 受動的な財政赤字の累増

ということが予想される。鳩山首相赤字国債容認とかいう記事を間違って財政政策の積極的発動と誤解している人がいるようだが、内実は無策ゆえの受動的なものになる可能性が大きい。

続く