雇用対策妨害して、縦割り前提の「雇用対策」唱える虚しさ

 さて民主党の雇用対策にはまともな財政・金融政策がないことは散々指摘したので今日は違う角度から。

 民主党は「雇用対策」を急ぐらしいが、僕はそれを虚しく受け止めている。所詮、その「雇用対策」(ミクロ的なものにいまは絞る)は、既存の省庁の縦割りを前提にしているものにすぎないように思う。具体的にいえばせいぜい厚労省の守備範囲。

 文科省補正予算の執行停止の具体的な事業名がわからないので(これも酷い話ではある)以下は推測が入るのがやむをえないが、たぶん補正予算の枠内で、全国の大学数百校に対して就職支援のための予算がついていたはず。それを前提に、各大学の就職担当部署は、この10月の事実上の3年生の就職のキックオフ、4年生のフォローアップ、さらにはマイノリティで無視されやすいけど留学生の就職支援のために、さまざまな支援計画をしていたはず。

 それがなんの音沙汰もなしに予算が全然おりてこないらしい。上にも書いたように具体的な執行停止内容がわからないので推測を重ねるしかないが、もしこれが予算の執行停止のためだとすれば学生の就職支援にかなりのダメージを与えていることになる。

 それでいて、長妻大臣や菅大臣らは来年春に学生たちが職に就けない状況を生み出してはいけない、などと二枚舌を弄しているか)無知なのか、のいずれにみえるわけ。少なくとも雇用対策ではなく、彼らが狭義の縦割り行政前提の「雇用対策」しか考えていないのがよくわかるように思える。

 本当にがっくりくる。

(追記)ちなみによく思うのだが、ネットでは学生の就職とか、あと特に外国人の就職について非常に無関心というかあるときは無感動なリアクションすら思える。そもそも経済系のブログですらも学生や留学生の就職はほとんど無視に等しいほど冷淡に思える。いちいち経済系のブログひとつひとつつぶさに検証したわけじゃないけどね。そんなこと思ってる。でもロスジェネとかワーキングプアとか熱く論じている連中が本物かどうかは、この新卒市場への関心度でわかると僕は思っている(マクロ政策への関心ももちろん大切だが、このブログみてる人にはいうまでもないでしょう)。