藪下史郎『金融論』(ミネルヴァ経済学テキストシリーズ)

 ご本頂戴しました。ありがとうございます。現時点で最新の金融論のテキストです。特に非対称情報の経済学について丁寧な解説があることもこの分野の導入に最適であり、なかなか金融論の話題の中でこれだけ非対称情報の経済学の成果を取り入れた入門書はないのではないでしょうか。また銀行システムの安定性やグローバリゼーションを扱った二つの章は最近のリーマン危機前後の状況を把握する上でも重要だと思います。そのグローバリゼーションを扱った第12章には、急激な国際資本移動、トービン税、為替介入効果、グラミン銀行などのインフォーマルな金融制度についても簡潔な説明があり便利です。

アマゾンではまだ出てないようですね