2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

玄田有史『希望のつくり方』、希望・絶望・カルト

物語の経済学を『AKB48の経済学』を公刊したことをきっかけに(それ以前から試行錯誤をしていたことは注意深い人はわかっていたろうけど)関心が増している。その中でこの玄田氏の著作に出会った。玄田氏の発言には賛否を論点ごとに示しているが、今回のこの…

『スコット・ピルグリム&インフィニット・サッドネス』&『スコット・ピルグリムVSジ・ユニバース』

『スコット・ピルグリムVSザ・ワールド』に続く三部作の完結編、謎の美少女と付き合うために彼女の元「カレ」7人と闘うことになった主人公の、愛と成長の物語。話のラインもストレートで、物語はとても読みやすい。男女関係も丁寧に描かれているし、また作者…

“首相落第”野田はサラリーマンの敵?待ち受ける貧困生活 - 政治・社会 - ZAKZAK

昨日の『夕刊フジ』のコメントと“野田首相”への採点表の掲示です。 しかし現状では、野田氏の民主党代表選出というのは不透明度が急速に拡大した感じですね。個人的にはそれでいいと思いますが、問題は野田氏だろうが誰だろうが、日本のいまの最重要課題、デ…

盛山和夫『経済成長は不可能なのか 少子化と財政難を克服する条件』

盛山氏は日本経済を四重苦に陥っているとする。デフレ不況、財政難、国の債務残高、少子化である。本書はこれらの四つの問題の関連、そして盛山氏の政策的論点への独自の解釈によって過半が埋められている。正直、細部には疑問もある。だがそんな細部への注…

井上純一『中国嫁日記』第一巻

Go-Livewireでトークイベントの企画があると知って、そういえばこの人のブログを見て面白かったことを思い出す。この本もいろんなところで好意的なレビューも多いだろう。とても好感をもてて面白いエッセイマンガだ。そういえば、エッセイマンガを包括するレ…

高月靖『韓国芸能界裏物語 K-POPからセックス接待まで…禁断の事件簿』

高月氏は着眼点と内容がとても面白いライターのひとりだ。『南極一号伝説 ダッチワイフの戦後史』はこの分野の“古典的名著”の位置にあるし、また『ロリコン』も日本のロリコン史という誰かがやっていてもおかしくないのに誰もまとめて解明していなかった分野…

本日の『夕刊フジ』の一面、二面で仮に「野田首相」になったらサラリーマン家庭はどうなるか、でコメントしました

「市場ダメ出し サラリーマンの敵!?」という見出しになっています。僕、片岡剛士さん、松野利彦氏、瀬川剛氏、熊野英生氏が採点表を提出しています。他に村上尚己さんもコメントを出しています。 僕のコメントは記事の頭とクロージングです。はっきりいっ…

鈴木妄想『新大久保とK-POP』

「新大久保ブーム」だという。その中核は、韓流ドラマや映画、K-POP、そして韓国料理やダンスなどへの若い女性を中心にした盛り上がりだという。確かにここ最近、大久保界隈に行く機会が多くなったので、コリアンタウン化している大久保の町並みの変化は激し…

朴倧玄『KARA、少女時代に見る「韓国」の強さ』

数日前に紹介した稲増龍夫氏の日本経済新聞の書評で知った本。題名とはちょっと違い本書の前半の主役は少女時代。KARAについては少女時代ほど深くふれていないのでちょっと残念。いま個人的に関心がある韓国の女性グループアイドルはKARAだけなので。これに…

林敏彦『大災害の経済学』

阪神淡路大震災について一貫してテーマにしてきた経済学者の実証ベースの本。僕も林氏の書いたものは、自分の発言のベースとして利用させてもらってきただけにこの新書の発表は嬉しい。ただ多くの部分は、阪神淡路大震災に関してすでに発表してきた論文・報…

金子洋一議員の白川方明日本銀行総裁への質問(金子洋一メールマガジン始まる)

金子さんが白川日銀総裁に国会で質問をしました。ややテクニカルな話もふくまれますが、簡単にいうと、景気が悪化しているときに、日本銀行が金融緩和をするのは当たり前ですが、それを恣意的な制限をもうけて積極的にやらない(=日本銀行の立場)、それを…

田原総一郎、談論爆発! ゲスト:馬淵澄夫 前国土交通相

ニコ生でタイムシフト放映中です http://live.nicovideo.jp/watch/lv59896808はじめてデフレ脱却に金融政策が重要であるという話を田原氏が途中遮らずに聞いているのを目撃しました 笑。前半部分に、馬淵さんが丁寧に、「失われた20年」のうち、特に98年から…

対アメリカ従属為替レート政策?−いつもながらの日銀理論(財務省のサポートつき)−

米国などで金融面の対応あれば、日銀の追加緩和あり得る=野田財務相 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-22764320110818 という記事、 財務省の中尾武彦財務官は18日午前、日銀本店に中曽宏国際担当理事と会談という情報(わざわざマス…

誰がボスを怖がっているか?

「ヤバい経済学」ブログから。映画『ヤバい経済学』に刺激されて去年の夏ぐらいからあまりみてなかったこのブログをちょっといまさかのぼっている。中国とその他の西洋社会では、上司に対する態度がどう違うのかを小ネタ論文が明らかにした。実験は、まず自…

アレックス・ギブニー『エンロン』再見ー西洋と東洋の内部告発者の違い?−

映画『ヤバい経済学』の中で、大相撲の八百長についてハードなタッチで短編をものしたアレックス・ギブニー。日本では町山智浩氏が詳しい論評を『ブルータス』などに寄稿している。町山氏の解釈も面白いのだが、例えば『ヤバい経済学』と最近再見した『エン…

馬淵澄夫・野田佳彦・海江田万里in『文藝春秋』

『文藝春秋』での事実上の民主党代表選の政策構想の開陳(馬淵、野田両氏)と現在の政権への批判(海江田氏)それぞれの論説あるいはインタビュー記事です。僕はいかなる政治家でも政治勢力でもここで再三立場を明言していますが、いまの日本の長期停滞をリ…

Factaブログ「円高の正体」1〜3by浜田宏一、高橋洋一、阿部重夫

最近の円高問題について浜田先生、高橋さんを迎えてFacta編集長の阿部さんがインタビューしている動画がアップされてます。以下のリンク先からご覧ください。http://facta.co.jp/blog/archives/20110815001012.html冒頭のところで、阿部編集長からアメリカの…

中国経済の統計データ解説本

これは使えそう。アマゾンの「なか見!検索」機能でかなりの部分が読めるのも助かる。Understanding China's Economic Indicators: Translating the Data into Investment Opportunities作者: Thomas Orlik出版社/メーカー: FT Press発売日: 2011/07/12メデ…

村上春樹の無常と効率ーカタルーニャ国際賞スピーチへの雑感

村上春樹氏のこのスピーチは、もし「良質な」という形容詞を、人の発言に使うことが許されるならば、それを冠するにふさわしいものに違いない。率直にいって感銘した。ただ僕はここで言及されている「効率」を追求したことが、今回の原発事故の背景に本当に…

上念司「経団連よ、この国難に道を踏み外すな」in『正論』9月号

経団連(日本経済団体連合会)の増税パンフレット(「国民生活の安心基盤の確立に向けた提言ー社会保障と税・財政の一体改革」)と、米倉会長の経済・外交観を批判的に論じた上念さんの明快な論説です。 経団連というかこの種の閉鎖的なギルドは、やはり思考…

荻上チキ『セックスメディア30年史』再読とマンガ規制

明日のイベントを見に行くのでその参考に再読。非常に実証的で、またジャーナリスティックな視点を維持しながらの手法は、荻上さんのほかの著作同様に読み応え十分。どの時代であっても性欲に基づく需要の大きさ、その強度は健在であり、「失われた20年」と…

蓼沼宏一『幸せのための経済学 効率と衡平の考え方』

中学生と高校生に向けて日本学術会議がお送りするシリーズの一冊だという。まずその目的にはまったくむいていない。この本に書かれていることをその問題意識とともにフォローできる中学生はおそらく皆無、高校生でも相当ハードルがきついだろう。 本書に書か…

人気アイドル奇跡のショット:早見優、石川秀美、倉田まり子、浅野ゆう子、相本久美子、田中秀臣in『週刊現代』

ご安心を、僕の奇跡のショットはありません。 本日発売の80年代アイドルの特集で、独特のアイドル経済論を書いています。見開きどかーん(それ以外に表現のしようがないw)とある倉田まり子さんの水着グラビアと一緒です。昔のファンとしては本望ですw。 …

『週刊東洋経済』経済書・政治書ランキング雑感:岩田規久男『福澤諭吉に学ぶ思考の技術』

今日発売の『週刊東洋経済』のベスト投票。まだこれを書いている時点では結果を知らないのですが、僕はエントリーの題名にあげた岩田先生の本を政治書の第二位に投票しました。そもそも経済書とか政治書とか実際に時論ベースとか政策論争ベースで考えるとあ…

Live Wire [34] 11.8.10(水) 大久保OneBeat|荻上チキ「SEXメディア30年史」出版記念トーク

井田さんと杉江氏との間に荻上さんかあw どうみてもSEXメディアというよりもプロレス中継としか思えんw。綺麗な人を呼ぶべき(マジ⇒(追記)峰なゆかさんがいらっるとのこと、やった! 僕も行こう。[出演] 荻上チキ [聞き手] 杉江松恋 [司会] 井田英登[日…

バカバカしい新聞論説雑感

マスコミはいつまでたっても経済学以前というよりも常識以前の発言を繰り返していて本当に人をバカにするのもたいがいにしたほうがいいというレベルにまで達しています。Twitterで津西アキラさんに教えていただいたのですが、ある新聞の論説の一部に以下のよ…

『震災恐慌!』ネット書評一覧

上念司さんとの共著『震災恐慌!』が出てすこし経ちましたが、政府と日本銀行の経済無策による円高=デフレ不況、震災の長期的な経済停滞の継続が、本当にしゃれにならないほど現実味を帯びてきました。まずいと思います。円高是正の介入などというものも、…

朝日新聞書評:タイラー・コーエン『創造的破壊』

本日の朝刊で書評が掲載されています(評者:山形浩生)。「大風呂敷」とこの時期にいわれるのは名誉ですw。ぜひご一読ください。創造的破壊――グローバル文化経済学とコンテンツ産業作者: タイラー・コーエン,田中秀臣,浜野志保出版社/メーカー: 作品社発売…

稲増龍夫「今を読み解く アイドルの社会論」in『日本経済新聞』

Twitterで江東脩平さんに教えていただきました。ありがとうございます。この稲増氏の論説は、AKB48ブームやK-POPブームを背景にした最近のアイドル研究書の流れを展望したものです。僕の『AKB48の経済学』も紹介していただいています。稲増氏は1989年に『ア…

International Herald Tribune(The Global edition of THE NEW YORK TIMES)でK-POPについてコメント

ちょっと忘れてましたw 7月27日付の同紙でコメント。記事はIn Japan,pop stars open market to Korean waresというもの(ブルームバーグで配信されたものの転載記事)。“The Korean boom is a tailwind for maide-in-Korea products,”said Hidetomi Tanaka,…