誰がボスを怖がっているか?

 「ヤバい経済学」ブログから。映画『ヤバい経済学』に刺激されて去年の夏ぐらいからあまりみてなかったこのブログをちょっといまさかのぼっている。中国とその他の西洋社会では、上司に対する態度がどう違うのかを小ネタ論文が明らかにした。実験は、まず自分と上司を含む顔写真をどんどんみせていって、自分のものか上司のものかをボタンをおして判別させたもの。西洋社会では、自分の顔の方がすばやく判別できる。ところが中国ではこの「自分効果」は消失し、上司の顔の方に反応が早くなる(ボス効果の優位)。まさに他人(上司)の顔色をうかがう文化がうかがえるのではないか、というもの。

 ところが西洋社会では、ボスの社会的な地位が向上していくにつれて、この「自分効果」は徐々に減少してしまう(ボス効果が優位になっていく)。つまりこの研究は、「ボス」のもつ意味合いが西洋と東洋では異なるかもしれないことを示唆している。西洋では社会的な権力が、東洋では地位の階層そのものが、ボスをボスたらしめているというわけである。

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