2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

すべての人に贈るだまされないための経済入門ーベストブックガイド100+1

勝間さん、宮崎さん、飯田さんの共著刊行を記念して以下にすべての人に贈る、一部の政治家・官僚・マスコミ・評論家や一部の経済学者、そしてほとんどのアルファブロガーやネットで自分の利害でしか書けないのになぜか経済を語る株式・資産運用者たちの放言…

日本経済新聞も少しは考えるべき

こういう記事を読むと、1)リーマンショック以後、一年以上、他国に比べて極端に低い金融緩和しかしなかったこと(日銀の資産増加率では約5%、イギリス、米国は130~140%)→デフレ進行、実体経済(失業率など)悪化の事実上の放置、2)昨年12月の日銀の…

松原隆一郎「論壇時評」in『朝日新聞』

1月25日月曜の朝日新聞の論壇時評は興味深いものだった。なぜならそこで松原隆一郎氏がデフレ論争をまとめており、その中核がデフレ問題については見解を同じくしている飯田泰之論説を批判しているからだ。直接の反論はひょっとしたら飯田さんが行うかも…

バーナンキ議長再任

とりあえず政治問題化は回避されて安心。しかしこの二期目がどうみても正念場。

日本銀行のいいかげんなデフレ論議

日本銀行が12月1日の政策決定会合の内容を公表した。特に注目したいのは次の文章である。http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/giji/g091201.pdf 多くの委員は、わが国経済は持ち直している ものの、来年度の半ば頃までは回復ペースが緩やかなものに…

『ゼロ年代のすべて』

最近は忙しくてブログの更新が御留守でしたがまた頑張って更新したいと思います。さて相変わらずの宇野的ワールドに染まった一冊ですが、とりあえずシノドス組(荻上チキ、飯田泰之、芹沢一也)の「「選挙のあと」に読んでおけー2010年代の政治観察マニ…

これがインフレターゲットの説明?『R25』

いやはや、驚いた。「景気回復を狙い撃ち!?「インフレターゲット」って何?」という『R25』の記事http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20100121-00001115-r25 まずこの記事は、インフレターゲットそのものの説明よりも、池田信夫のコメントなど…

バーナンキ再任、政治問題化か?

米民主党のマサチューセッツの選挙敗退に絡んで、バーナンキのFRB議長再任が視界不明瞭になっているみたいだ。http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100124/mcb1001241620001-n1.htm しかしバーナンキ再任についてのクルーグマンの下のブログ記事は正直いって…

『環』最新号ー河上肇賞第5回選考会記録:どんどん書き手募集中

藤原書店から『環』の最新号をいただいた。今回の号には、河上肇賞の選考会の記録と結果が掲載されている。僕は選考委員として参加している。他の選考委員は、一海知義、赤坂憲雄、川勝平太、御厨貴、三砂ちづる、山田登世子、藤原良雄さんたちの豪華な面々…

『バットマン:キリングジョーク』(完全版)

御本頂戴しました。ありがとうございます。アラン・ムーアの数多くある短編の中でも最も完成度の高い名作が、作画を担当したブライアン・ボランド自身の彩色や直しを経て「完全版」となって復刊です。以前出ていた日本語版を研究室に置いてきたので細部の比…

本気かね? 産業政策(国策化)は必然でもなんでもないよ 小田切博『キャラクタ―とは何か』再説

TwitterでITOKさんから知る。夏目房之介氏が小田切さんの『キャラクタ―とは何か』を中野晴行氏の『マンガ産業論』と比肩するものとして手放しの称賛をしている。http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2010/01/post-e230.html その理由を、じつにわかりやすい…

『週刊ダイヤモンド』Twitter特集雑感

勝間和代さんが『週刊ダイヤモンド』の中で、「この人の発言だけはチェック!」という50人リスト中の30数名の中に僕のTwitterをとりあげていただきました。ありがとうございます。そのせいかちょっともう少しましな内容をつぶやくようにこころがけたいと思う…

天下りではなく天下り先の非効率な経営を改めよin『SPA!』

いま店頭で出ている『SPA!』のレポート「実は明るい[日本経済ポジティブ新説]8連発」で「天下りではなく天下り先の非効率的な経営を改めよ」という内容のコメントを寄せましたので参照いただければ幸いです。 http://spa.fusosha.co.jp/ なお、この天下り論…

シノドス・リーディングス『日本思想という病』

発売中です。「ニッポンの意識ー反復する経済思想」を掲載してあります。この講演で一番自分として見通しをつけた問題は、以前、東京河上会で、原田泰さん、岩田正美氏、橋本健二氏らを招いて行った河上肇の『貧乏物語』のシンポを行ったことがありました。…

ジンバブエドルを銃で守る価値はあるかないか

正直いって、Twitterで盛り上がっている武装ジンバブエネタ、何が面白いのかさっぱりわからない。金融政策と全然関係ないし。 例えばジンバブエ中銀総裁や職員や施設などの安全を守るために武装したりしているとするならば、まあ、そういうこともあるだろう…

三谷太一郎『ウォールストリートと極東ー政治における国際資本』

友人との話題の中で知る。井上準之助、高橋是清とウォールストリートとの関係など、竹森俊平さんの『世界デフレは三度来る』や安達誠司さんの『脱デフレの経済分析』などと比較対照すると面白いかもしれない。来週あたり購入予定。 しかし三谷氏の著作は、そ…

「ジャンダークのお君」からニコール・リッチーまで不良少女、セレブとビッチの100年史

平山亜佐子さんと速水健朗さんのジョイントのトークセッション。今週の金曜に迫ってきたのでここでも告知。遅れてだけどたぶんいける予定(いけなかったらご免)。 ニコール・リッチーといえばパリス・ヒルトン。という単純脳な田中ですがw 一時期、このブ…

上念司『デフレと円高の何が「悪」か』

いよいよ、上念さんのデビュー作が店頭発売です。勝間和代さんが冒頭で書いているように、管大臣に「デフレ宣言」に至る道筋を示したいわゆる「勝間ショック」は、実は「勝間・上念ショック」でした。このことからもわかるように、上念さんは私たちの仲間の…

真夜中のつぶやきシリーズ(笑:泉信行と田中秀臣w

言い訳してもしょうがないけど、リアルな生活の方で新刊の経済書の準備とか下調べに忙しくなってくるとブログはやはりなおざりにならざるをえない。もちろん後期のラストスパートや本格化してきたゼミの指導とかもかさなってるし。 ところで昨日の夜に、twit…

『このマンガを読め!』雑感

ちょっと気になっていたというか、最初読んだときに、「え? それはさすがにないだろう」と思ったことがあった。フリースタイルの『このマンガを読め! 2010』の最後の呉智英、いしかわじゅん、中野晴行の三者の対談を読んでの驚きであった。この中で、…

在庫僅少!『沈黙と抵抗』

片岡剛士さんが購入されたので知ったけれどもアマゾンの在庫が現在はなし。版元にも以前問い合わせたところ在庫僅少とのこと。手前味噌でなんですが、これを出版した2001年はちょうと猪瀬直樹さんたちとメールマガジンが始まり、また野口旭さんと時論のデビ…

伊藤聡『生きる技術は名作に学べ』

ご本頂戴しました。そういえばこの伊藤さんとは年末に忘年会で同席しましたが、温厚そうな人でぼくとは対極をなす人ですね、ハハハハハ。 それはさておき、文学はめっちゃ苦手になってしまいました。経済に関係のあるものとか映画・マンガに関連するもの以外…

田中貴子・田中圭一『セクシィ古文』

これはこれは、思いがけない頂き物ですw 田中圭一氏の作品を、わたしも同じ田中エロ族として愛読していることは、このブログのエロ族読者の方々にはおなじみのことと思います。その田中圭一氏が「古典教養」と結合するとどうなるのか、という稀にみる怪しい…

リクルート『都心に住む』にコメント

全身写真を可愛く撮られた 笑。 景気回復が不動産(マンションなど)の価格の安定につながると説明。 http://mag.recruit.co.jp/mag/cgi/Search_Result.cgi?shohin_group_cd=0093

エリック・ロメール死去

永遠に映画を撮ると思っていました。彼の作品は小品といわれるものまでかなり見ていてウッディ・アレンとともに好きな監督でした。ご冥福をお祈りします。(付記)ロメールの作品は学生の頃に映画館で何作かみていたが(『緑の光線』など)、まとめて観るよ…

需要くん、市場さん、政府君……にちぎんくん(?)

ryozo18さんのTwitterで知る。少女マンガで学ぶ! 経済学入門!!(by永田兄弟)http://picup.omocoro.jp/?eid=740登場人物は需要君、市場さん、政府君のそれぞれのさぼり(=需要不足)と失敗(政府の失敗、市場の失敗)が織りなすハーモニ(違ぜひ、にちぎ…

David Small『Stitches』

Stitches(編み縫い)は、昨年アメリカで評判になったコミックである。どの家族にもその家族なりの狂気が秘められている。子どもに愛情を示せない母親、それぞれの孤独(の音)に没頭する兄と父親。孫に対して狂気じみた態度を示す祖母。そして幼い頃から成…

「デフレ地獄・脱出への処方箋」(宮崎哲弥・菊池英博・安達誠司・飯田泰之)

今月の『Voice』は個人的に読むところが多くて嬉しかった。上記の座談会以外にも。長谷川幸洋、若田部昌澄、山形浩生、そしてジョセフ・スティグリッツ諸氏の寄稿があり、それぞれ参考になる意見が多い。特に山形、スティグリッツ論説はあまり他では読むこと…

中谷巌の82年日本型マクロ経済モデルとインフレターゲット

中谷巌氏がかって日本型システムの強靭性を評価していたことは一部の人には周知のことであった。なので中谷氏が『資本主義はなぜ自壊したのか』で市場原理主義的な考え方から日本的なものの注目へと「転向」したのは、「転向」というよりも正しくは先祖がえ…

本田由紀と日本学術会議の新採用モデル

本田由紀氏が中心になってまとめた日本学術会議の今度でる新卒システムの改革案だが、一見すると一括新卒採用廃止とかになっていて新古典派的だがw よく読むと公的機関(現状の制度だと厚労省かもねw)を中心とした卒業後の雇用センターによる人員配分と学…