現在の株価と「バブル崩壊」時の株価から、リフレと株価の関係を試考する

7月25日の東京株式市場は、日経平均株価が大幅に下落し、3万8000円を割り込んだ。背景にあるのは、植田日銀の利上げ姿勢(とまだ今回は実体は不明だが、リーク系の報道や、自民党の総理候補者たちの相次ぐ利上げ発言など)があるのかもしれない。またダウ平均との連動も高いので日経平均も連動して下落した可能性もある、これは米国の金融政策の方向性がからむ。円安ドル高が円高ドル安方向にふれたのは、トランプ氏の円高修正要求発言ともとれるものや、FRBの金融政策の方向性だろう。ここではこれらの背景を頭にいれた上で、もう少し長めの話を以下でする。

 

バブル最終期の1989年12月29日の東証株式時価総額は611,151,873 (百万円)。名目GDPは約405兆円ほど。両者の比率は、1.51程度である。現状は、2024年第一四半期では、東証株価時価総額は、977,208,019(百万円)で、名目GDPは597兆円(年率)。比率は、1.64。また第二四半期の名目GDPを約600兆円と粗く推測すると、時価総額は1,004,837,279(百万円)で、比率は1.67.ちなみに5月28日の日経平均株価(プライム市場)は、3万8853円だった。一週間ほどまえの日経平均4万2千円台のときの時価総額とその時の名目GDP比はこれよりも高い水準だったろう。これをどう理解するか? ひとつの考えは以下。

 

会田卓司(クレディ・アグリコル証券会社チーフエコノミスト
日経平均株価は4万円を回復したが、この上昇は、日本経済の質の向上よりも、名目GDPの膨らみが示すリフレによってもたらされたことになる。日銀が金融引き締めを加速させれば、リフレの力が喪失するとともに、日本経済の質の向上の動きも止まり、長期停滞に戻るリスクとなる。」CACIB アンダースロー日経平均株価の上昇は日本経済の質の向上よりもリフレの力でもたらされた」(2024年7月24日配信より)