米民主党のマサチューセッツの選挙敗退に絡んで、バーナンキのFRB議長再任が視界不明瞭になっているみたいだ。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100124/mcb1001241620001-n1.htm
しかしバーナンキ再任についてのクルーグマンの下のブログ記事は正直いっていまの僕の考えにもやたら近い。いまの高失業率、低いインフレ率、そしておそらく深刻なデフレ期待を勘案すると、いまのFRBは残念ながらリフレ政策全開とはいえず、よくて緊急避難的なものではないか? と思う。つまり長期停滞回避には不十分だと思う。
クルーグマンのブログ記事http://krugman.blogs.nytimes.com/2010/01/23/the-bernanke-conundrum/
ちなみに日本銀行の対応をアメリカでしたら間違いなく世界大恐慌パート2であったことは疑いないので、バーナンキの成果は称賛に値する。問題はやはりこれからで、その点でクルーグマンのバーナンキ評価が微妙になる(彼の政治バイアスもあるがw)んじゃないのかな
この長期不況回避という点に関して、「日本銀行と日本の40代の一流wマクロ経済学者は頭大丈夫?」というコラムをクルーグマンが書いてた。
http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/11/16/the-madness-of-the-inflation-hawks/
まあ、もちろん日銀も日本人もでてはこないのだがw
クルーグマンのバーナンキへの不満は要するに、1)金融危機の回避→失敗(でもみんなも気がつかなかった。僕=クルーグマンは知ってたけどw)、2)金融危機への対処→ほぼ合格 3)長期不況の回避→インフレ嫌いの基地外の懸念あり。というまとめでいいんじゃないかな。
この最後のインフレ嫌いの基地外、というクルーグマンのバーナンキ評価だが、実際にはバーナンキも日本の長期不況ではリフレ政策=長期的なインフレ期待へのコミットメントの採用をクルーグマンと共有していたわけで、このクルーグマンの評価は行き過ぎというかあいかわらずの悪人節というかw
問題はFOMCのメンバーがこのかってのバーナンキ流、クルーグマン流のリフレ政策を明示的に採用するかどうかが高失業を伴っているアメリカ経済の将来を左右すると僕も思うのだが、それについての動きが鈍いのは否定できないのではないか? みんなはどう思う?
ちなみにクルーグマンは「インフレ嫌いの基地外」(原文ではThe Inflation hawk)と断言したわけではなく、その可能性を指摘しているだけだが。 あと日本語の表現は行き過ぎですか、そうですかw でもクルーグマンの上に引用したふたつのコラム読めばそれが彼の本意でしょうw
ただここでバーナンキが再任されないというのは、クルーグマンの悪人コラムはおいといて、正直、「アメリカ頭大丈夫?」と思わざるを得ない。バーナンキであれば、クルーグマンの悪人コラムのメッセージでさえ解読するが*1、たぶん他の現実的な選択肢では同じ(イェレンなど)か、あるいはそれ以下か最悪(利上げ派w)しかアメリカでもいないであろう。
少しは応援しろよ、クルーグマン、といいたいのは僕だけではあるまい。