シネマ

『爆裂!アナーキー日本映画史1980-2011』

昨日、石原愼太郎dis夜会でお話しを伺った高鳥都さんが寄稿していると紹介があったので読破。あれれ、多根清史さんも寄稿している(笑)。 高鳥さんが、僕もここで誉めてる『XX エクスクロス 魔境伝説』を絶賛されているのは嬉しかったですねw しかしこの一…

『イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘』、『蝶々夫人と岡村喬生』

この間、教養ゼミの同窓会があったので出かけたら、後輩の人が配給会社のパンドラに勤務してた。パンドラといえば、数年前にこのブログでとりあげた『コミュニストはSEXがお上手?』の試写会によんでくれたところ。経済学者なので、ほとんど映画の試写会には…

『ヒア アフター』

冒頭の津波のシーンの透明な波の中には違和感があったが、それを解説するおまけがレンタル版にもあるが、得意顔で解説する彼らの表情をみると少しついていけないものを感じるというのが率直なところ。 それは作品本編とは関係ない。作品は並行するストーリー…

アレックス・ギブニー『GONZO』

70年代を爆走したジャーナリストの一生を、『ヤバい経済学』の相撲編、『エンロン』の監督が活写した作品。ハンター・S・トンプソンは、昔、山形浩生さんが訳した『ラスベガス☆71』を少し読んだ程度(読破できなかった)だったが、この作品はギブニーの…

『英国王のスピーチ』

特に何も思わぬ。途中、かなり早送りするなり。英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2011/09/02メディア: DVD購入: 4人 クリック: 111回この商品を含むブログ (106件) を見る

荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画』とWalking Dead

すでに多くの賛辞が寄せられている本書である。いきなり余談だが、二年前にメビウスが日本にきたときに、はじめてリアル永井豪氏とリアル荒木飛呂彦氏を目撃したことがある。二人ともあまりにも年齢からいって若すぎる。荒木氏は30年前と変わらない。永井氏…

『ランナウェイズ』

確か夕方だったので、銀座NOW!だったかな、ザ・ランナウェイズをテレビで見てたのは? Cherry Bombは韓流風(笑にいうとフックがとても効いてて、鮮烈な印象だった。映画の中では日本のカメラマンがカリーだけを撮影しにきて、それがグループに不協和音を生…

ザック・スナイダー『エンジェル・ウォーズ』

『ウォッチメン』と『300』という正直あまりよくない(映像美だけはいい)監督の作品だったが、僕はかなりよかった。三重構造のロールケーキみたいな作品だが、別にそれほど複雑で解釈に困るものではない。三重構造の上に途中で視認同一の対象を転換する動き…

アレックス・ギブニー『エンロン』再見ー西洋と東洋の内部告発者の違い?−

映画『ヤバい経済学』の中で、大相撲の八百長についてハードなタッチで短編をものしたアレックス・ギブニー。日本では町山智浩氏が詳しい論評を『ブルータス』などに寄稿している。町山氏の解釈も面白いのだが、例えば『ヤバい経済学』と最近再見した『エン…

映画『ヤバい経済学』

渋谷のユーロスペースの試写会に招待されて先んじて観に行きました。会場は絶対業界の人ばかりで、経済関係はたまたま会場で会った原田泰さんだけではなかったでしょうか。原田さんはここにも書いたけど映画論の訓練もうけてる本格派です。 さて映画は原作か…

『トロン・レガシー』

ほとんど低評価で終わりそうなこの映画だが、僕はかなり楽しめた。音楽と映像がやはりいいと思う。全体的に『マトリックス』ぽいのだが(ご免、考えてみればそもそも『トロン』の方が『マトリックス』の原型なんだよな、きっとw)、それほどの深みはまった…

映画「キック・アス」とSophie Wu

久しぶりに週末の渋谷に。人がいすぎであるw 劇場も満員。前の方になんとか座れた。映画は予告編で一部分みていた通り、軽快な感じで、あっという間に時間が過ぎた。クロエ・モレッツのヒットガールが原作と同じように、主人公のキック・アスを確信犯的に食…

映画『ノルウェイの森』と文月悠光

Twitterにも初日に観た感想を書いたけど、僕は好きな映画だった。小説を読んでないとわからない場面が多出していたりしたけど、それは小説読んでればいいだけで(笑)、情報として頭にあれば僕は無問題。大まかなところで違っているが、特にワタナベとレイ子…

『ノルウェイの森 公式ガイドブック』

トラン・アン・ユン監督の演技がやけに細かいとか、プロダクションの過程とか、水原希子のインタビュー読んでやはりかわいいとか。しかし『ノルウェイの森』の海外翻訳版が一堂に写っている頁があるけど、日本と同じ赤と緑は、韓国と中国だけというのが面白…

黒木メイサ=森雪とスターバック

森雪=黒木メイサで正解だったね。ヤマトが35年の時空を超えて、森雪の物語になって完結。ツンデレ万歳、ストレートパンチ上等w しかし観客は映画の日もあるんだろうけどほぼ満席で、おまけに年齢が高い! みんな僕と同じかせいぜい10歳くらい下。完全にヤ…

エリック・ロメール死去

永遠に映画を撮ると思っていました。彼の作品は小品といわれるものまでかなり見ていてウッディ・アレンとともに好きな監督でした。ご冥福をお祈りします。(付記)ロメールの作品は学生の頃に映画館で何作かみていたが(『緑の光線』など)、まとめて観るよ…

イングロリアス・バスターズ

映画を意識的にみてきてすでに40年近く、初めて100人規模の劇場で、しかもロードショー直後なのに、観客ひとり! というのを経験した 笑。 正直いってこんなに静かな広い暗闇にポツンとひとりというのは怖いw 映画本体のスリルも倍増かな? いままでも…

『おと な り』

麻生久美子と岡田准一のふたりの日々の生活の音がもたらす愛の物語。これは本当に拾いもの。うまく伏線が張られてて、じらされて(笑)、ここまで主演ふたりの魅力を引き出した監督の力量も見事。なんといっても映画の主要舞台が、僕の今の生活圏(石神井公…

フィッシュストーリー

今年の邦画は『空気人形』と『ハゲタカ』がいままで見た中では傑出していると思ったけど、この映画はまったく別格。『つばさ』つながりで多部未華子が出演しているのもあって軽い気持ちで見たが、見れてラッキー。「正義の味方が地球を救う」ほら話としては…

『空気人形』

韓流ではないが、クライマックスが韓流調ではあるし、あとの整理用もあるのでこのカテゴリーで。近所じゃない温泉の横のシネコンで。それほど混んでいない。ペ・ドゥナ論をちょうど修正加えて脱稿した後に見る。これ見てから書いたらもう少し違うニュアンス…

『PARIS』、Berlin、oizumigakuen999

心臓の病に冒された若いダンサーの視点を主軸に描かれたパリの群像劇。たまたまキム・ギドクの作品をレンタルしにいったときにパッケージが綺麗なので借りる。映画なんかみる時間がないのにポータブルDVDのおかげでコマ切れにどこででも見れるのはやはりあり…

宮崎哲弥『映画365本』と実践的映画鑑賞

DVD視聴による洋画評論の体裁をとりながらも、一冊読むと現代のアメリカ社会・文化を知ることができる実用的な一書。その実践的な評論スタイルは、宮崎さん独自のもので、今回も楽しく読めました。月に20本は最低でも見ておられるそうで、これはなかなか…

メビウス『アルザック・ラプソディ』

以前に見たことあるけれども、メビウス論を書いている諸事情から、この新版を購入。TVのシリーズで全部で14話からなる。冒頭と終わりのタイトルを抜かすと本編はほんの数分。全体でも40分ぐらいしかない。前みたときも大して面白いとは思わなかったが、…

淡島千景・梶谷懐他『淡島千景 女優というプリズム』

梶ピエールこと梶谷懐さんから頂戴しました。どうもありがとうございます。 本書は日本の大女優である淡島千景さんの戦前から現在までに至る女優としての軌跡が、ご本人、マネージャー、縁の深い方々への長期にわたるインタビュー、そして多くの研究者の貢献…

増田悦佐の勝利:映画『ウオッチメン』感想

映画『ウオッチメン』を近所のシネコンで朝一で見る。原作もそうだったけれどもやはりマニアだけが喜ぶコネタと、それに反して「いったい何がこのウオッチマンのテーマなのか? アメコミヒーローの正義? しかしそもそも正義は重要だが、アメコミヒーローの…

DRAGONBALL EVOLUTIONとは猿の惑星かと一人呟く

近所のシネコンで初日。鳥山明氏の原作とは別物で楽しめるかも、という発言を頭にいれて観賞。そもそもあまり僕は原作物でもオリジナルを意識しないでみれる人だと思ってる。しかし……あまりにもひどい映画だった。これくらいのちゃちな感じだったら、『ヤッ…

サブプライムローン問題よりも深刻?

内外タイムズよりhttp://npn.co.jp/article/detail/92049727/ 思えば、公開前からドロンジョ様の衣装のハイレグの角度がどうしたこうしたという、まったくどうでもいい、いや、サブプライムローン問題よりも深刻な議題で紙面を大きく飾っていたもの。イメー…

プラッチャヤー・ピンゲーオ『チョコレート』

山形さんとこ経由。youtubeに予告編が転がっていた。山形さんが本当に痛そうといっているNG集も収録されている(よく死なないよなあ。というかどうみても重傷負ってるし)。 確かに面白そう。しかしブルース・リーは永遠なり。よかったあ、日本初公開時にダイ…

ラブファイト

近所のシネコンで。伊豆から帰ってきて少し休息してから日をまたいだ深夜上映へ。お客さんはあの時間帯にしてはかなりいたと思う。予告編で何度か見ていて興味を持ったが、その期待を裏切らない佳作。 幼馴染で喧嘩がとても強い女の子(北乃きい)と、その彼…

ダーク・ナイト

初日、お昼。観客は三分の二ぐらいかな? 長尺であり、物語は意外とオーソドックスに起承転結の抑揚をもって進行していく。前作をもうよく憶えていないのだが(笑)、今回の方がやはり正義と悪の逆転とか境目なし、とかいう最近のこの種の「深い」ヒーロー物…