渋谷のユーロスペースの試写会に招待されて先んじて観に行きました。会場は絶対業界の人ばかりで、経済関係はたまたま会場で会った原田泰さんだけではなかったでしょうか。原田さんはここにも書いたけど映画論の訓練もうけてる本格派です。
さて映画は原作からいくつかのテーマを採用して、全部で4編のドキュメンタリーぽい作品と幕間のわりと独立した作品とで構成されたオムニバスです。「ロシャンダが別名なら」は子どもの名前がどのような経済的な意味をもつのかもたないのかを扱った結構興味深い一編。日本でも同種の研究がでれば面白いと思います(というかあるかも?)。この短編は、モーガン・スパーロック監督のもの。彼はあの『スーパーサイズ・ミー』の監督であり、この短編でも切れ味がするどい。パンフレットをみるといろいろドキュメンタリーをその後も撮っているようなので今度みてみたい気にさせる作品です。
次が日本の文化や社会(相撲、警察)を扱ったハードな印象の短編「純粋さの崩壊」。これはダークな味わいで、また原作とはちがったものです。なんといっても原作では関係者にインタビューしてませんが、この監督のアレックス・ギブニーはどんどん取材敢行してレビッドらの原作を裏付けていきます。さすが、あの『エンロン』の監督だけありますね。
上記の二作は結構好きです。ただ「素晴らしき哉、人生!」とは限らない」というのは原作を読んでいるとかなりつらく僕は疲れもあってこの短編の真ん中の記憶があまり…笑。でも原作知らなかったり疲れてなければいけるかもですw
最後は金銭的インセンティブに関する公開実験の話。「高校一年生を買収して成功に導けるのか」。これは経済学の入門コースの代わりになります。現に僕は昨日の早稲田の大学院でこの映画のこの部分をすすめましたw 女性ふたりの監督作品。
原田さんと映画館を出て話しましたが、原田さんは最後が気に入ったようでしたよ。僕は最初の話。まあ、それは名前=表現の問題でもあります。
「田中と原田は渋谷のユーロスペースのある通りからでてきた」
「田中と原田は渋谷の円山町のホテルがいっぱいある通りからでてきた」
どちらも事実なのですが(ユーロスペースはホラブテル街の一角にある)、後者だともろ別な意味で「ヤバい」感じになりますよねw 表現(名前)って面白いし怖くもありますよね。あ、僕と原田さん,BLじゃないので、そこんとこはよろしくw
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