2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

大屋雄裕『自由とは何かー監視社会と「個人」の消滅」

これは面白い。「自由な個人」というフィックションがないと他の個人の侵犯に耐えられない存在がいまだに何億人もいると考えるわけですから、僕も十分に本書でいうところの左翼ですね。いまの僕の自由管理社会論の理解のレベルだと非常に勉強になった。これ…

川崎昌平『ネットカフェ難民』

「ニート」の捏造に続き、ちまちました利権を得るために厚労省が頑張って音頭とってる「ネットカフェ難民」の話です*1。これは体験談なんでしょうか。最初の出だしから不思議な感じがしました。 「ニートが目覚め」「ニートが」「ニートが」、となんか非常に…

安藤健二『封印作品の闇』

オバQ音頭のソノシートを買ったことのあるオバQ第一世代の田中です。ラーメンたべる小池さんが好きでした。というのはラーメン屋さんが昔住んでた家の隣で、小学校から帰るとその匂いが空腹の子供のお腹の虫を直撃しました。小池さんの食べる(想像上の)ラ…

ケネス・ロゴフ論説(早読み『週刊東洋経済』)

econ-economeさんが話題にしていた記憶があるケネス・ロゴフの論説http://www.project-syndicate.org/commentary/rogoff34が翻訳されて月曜発売の『週刊東洋経済』に。中央銀行はインフレ動向や生産高などの情報を完全に把握しているわけではないから、資産価…

大塚英志・菅野博之『東京事件』

70年代の日本。平行世界(でいいのか?)のひとつでは広島、長崎に次いで東京にも原爆が落ちた世界。過去(戦後まもない頃)とつながる地下防空壕跡と三島由紀夫。超能力集団の秘密警察など、あいかわらず細かい設定が多く、それをいかに物語として収斂して…

 東浩紀『情報環境論集』

暑いですね。外出したらちょっと熱気にやられたみたいです(ーー)。 この本は自由管理社会論関連で購入。この自由管理社会論の問題のひとつである自由のパラドックス(自由を追求すると管理が強まるなど)は、東京河上会幹事日記http://d.hatena.ne.jp/tana…

野比康夫首相、中国ブロガー盛上りの真偽

これはBaatarismさんのmixiネタなんですがちょっと僕も関心あるのでこちらにも移植。例の「ドラえもんのお陰?「のび太首相」に中国ブロガー大喜び 」という記事で、中国のブロガーで福田首相をのび太が似ている、と中国のブロガーの間で話題になって、まあ…

 額賀財務大臣と中川の眼、プラスティックマネーで財源調達作戦

とりたててなんの根拠もなく気楽に政談するコーナーです。みなさんも気楽にコメントどうぞ 田中が喜ぶ、という苺掲示板の名無しさんの言葉に引かれ、最近でも二日に一回は見るようにしている「中川の眼」を再見。これですな。 http://www.nakagawahidenao.jp…

 ウィリアム・S・バロウズ『ブレードランナー』

自由管理社会論関連で読んでいるもの。これは面白い。管理社会と福祉社会主義の徹底のあわせ技が広大な闇市場を生み出すというもの。『シッコ』やケネス・ロゴフの論文と一緒に読むとさらに面白いはず。 翻訳はここで読めます http://cruel.org/books/blader…

ケネス・ロゴフ:医療社会主義vs医療資本主義

ここ1,2ヶ月の間に読んだ論説の中で最も面白く興味深かったもの。『週刊東洋経済』に掲載されていたものだけども、いまはネット上で読めるのでここにご紹介。 http://www.toyokeizai.net/online/tk/column9/?kiji_no=40

 スティグリッツ、世界を語る

以前、紹介したDVDが届く。リージョナルコードが日本標準と違うが、僕は韓流ものをみているためにコードフリーのDVDプレイヤーをもっているのでそれで観れそう。今度の講演会にいくので格好の予習。しかし二枚組みで全部で6時間超にも及ぶちょっとしたミニ…

 福田政権と日銀総裁選出

根拠に無頓着に気ままに書く政治放言のコーナーです。 与謝野氏が官房長官ではなかったけれどもこのエントリー(http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070923#p2)に書いたように武藤氏でほぼ決まり。今日の日経の記事のようには民主党は不安定要因にはな…

 糸山泰造『12歳までに「絶対学力」を育てる学習法』

おススメ。糸山氏の主張は「百マス計算」への批判が有名だが、この本にはその他にもさまざまなヒントが隠されている。僕はこの本以外に類書として見尾三保子『お母さんは勉強を教えないで』(草思社)も隠れた名著だと思う。糸山氏の「百マス計算」に代替す…

 経済学者・エコノミスト「共通の知見」(メモ)

いくつかの実証分析のメモ。すぐに本屋でわかるものは、まず以下の最新刊の若田部さんの章に最近の展望やさまざまな視点からの参考文献が掲載されていてきわめて便利。 経済政策形成の研究―既得観念と経済学の相克作者: 野口旭,浜田宏一,若田部昌澄,中村宗悦…

 かわいいインフレ目標

かわいい国ニッポンにふさわしいインフレ目標っつてなんだろうか? そんなテーマで世界中からリフレ関係の宣材を集めるコーナーです。

 アッキー、公邸を去る

その(お会いしたときに垣間見た)瞬発力と、未見でしたが噂によると韓流力は歴代ファーストレディ最強だったでしょう(ほかの人、知りませんが……。 アッキーのような人材が表舞台から消えるのは個人的に残念なことですねえ。

 バロウズ&ギンズバーグ『麻薬書簡』

山形さんの新訳。 例の「自由管理社会」関連でバロウズも重要であることにいまさら気がつく。『ブレードランナー』も買わないとなあ。 麻薬書簡 再現版 (河出文庫)作者: ウィリアムバロウズ,アレンギンズバーグ,William S. Burroughs,Allen Ginsberg,山形浩…

 クルーグマン&ウェルス『ミクロ経済学』

ようやく翻訳がでるみたいですね。 http://www.bk1.jp/product/02909644

 bewaad氏の批判

なぜか今日だけは読める(前も書いたけれども数ヶ月、bewaadブログを読めなかった。アンテナで一部分みれるだけ)。しかも僕らの共著へのご批判がタイムリーに。これはなぜ? 笑。http://bewaad.com/2007/09/24/280/ 僕はbewaad氏の批判は建設的なものだと思…

小野善康先生と厨先生・韓リフほか飲み語る

小野理論・小野啓蒙の解釈、そして山形さんの小野批判の再解釈、リフレ派と小野理論の接点整理のディープな話は、懇親会で行われたのである。以下は小野先生も内容は承認。オレが細部違えてたら懇親会第1テーブル(オレ、稲葉さんほか)にいたほかの人が修…

 福田政権誕生へ。新総裁予測(ネタ)

床屋政談のコーナーです。 福田政権になって官房長官は与謝野氏留任の可能性が大きいと思いますが、日本銀行総裁は武藤氏が有力でしょう(というか確定に思えるのはオレだけでしょうか)。民主党の反対も表向きだけになるのではないでしょうか。

橋本努『帝国の条件』合評会

経済理論史研究会。参加はフリー。日時:11月10日(土)14:00〜17:00場所:早稲田大学・西早稲田キャンパス 政治経済学部(3号館)2階・第二会議室 http://www.waseda.jp/jp/campus/nishiwaseda.html合評会:橋本努著 『帝国の条件: 自由を育む秩序の原…

 暗黒卿去る

つまらん。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2007091902049874.html 経済政策形成の研究―既得観念と経済学の相克作者: 野口旭,浜田宏一,若田部昌澄,中村宗悦,田中秀臣,浅田統一郎,松尾匡出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2007/09…

 伸縮的インタゲと資産価格

推薦基本文献 Asset Prices in a Flexible Inflation Targeting Framework, in William C. Hunter, George G. Kaufman and Michael Pomerleano, editors, Asset Price Bubbles: Implications for Monetary, Regulatory, and International Policies?, Cambri…

福田進治『リカードの経済理論』

本書でも頻繁に援用されてるテリー・ピーチのリカード解釈って大学院のときに最後に講義で読んだ本ですねえ。懐かしい。森嶋通夫『リカードの経済学』よりもリカードの現代的な意義とか研究史の展望とかになったり、特にケンブリッジ学派の剰余アプローチの…

 小野善康『不況のメカニズム』メモ

ちょっとマイナーな関心をここにメモ。ハードな理論コアは他の人が質問したり議論するだろうから、自ずと関心はマイナーなものにw 1 夕張市の財政のあり方への評価(市外に所得の流出がなければ成果があったなど)は、本書の乗数分析批判などの財政の捉え…

 朝日新聞取材班『分裂にっぽん』

献本いただく。ありがとうございます。これから読みます。感想はなるべく今日中にこのエントリーで。 分裂にっぽん 中流層はどこへ作者: 朝日新聞「分裂にっぽん」取材班出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/09/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商…

 金人慶財政相更迭メモ

福井総裁はサブプライム問題は日本には限定的な影響といったらしいですが(あとで記者会見みる予定)、しかし日本は国内金融機関は直接にサブプライムの影響を免れているものの、株価を中心にこの問題で先進国の中で最も影響を受けているのはどうみてもわが…

 ソスキス他編著『資本主義の多様性』

献本いただく。どうもありがとうございます。これから読みます。感想はできるだけ早く頑張ります 資本主義の多様性―比較優位の制度的基礎作者: ピーター・A.ホール,デヴィッドソスキス,Peter A. Hall,David Soskice,遠山弘徳,安孫子誠男,山田鋭夫,宇仁宏幸,…

 FRB利下げ、政策転換をより鮮明に。海外経済ブログはバーナンキ祭り状態へ

4.75%へ。意見がわかれてましたが予想範囲の最大値(50ベイシスポイントの下げ)の方へ*1。 http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20070918a.htm 資産市場が不安定なのが成長を制約する可能性があるために利下げ。ただしインフレ懸念は…