金人慶財政相更迭メモ


 福井総裁はサブプライム問題は日本には限定的な影響といったらしいですが(あとで記者会見みる予定)、しかし日本は国内金融機関は直接にサブプライムの影響を免れているものの、株価を中心にこの問題で先進国の中で最も影響を受けているのはどうみてもわが国なのですが。どんな認識をしているのか、まあ、加藤出氏によれば海外が落ち着けば即利上げだそうで、確かに新聞などでの福井総裁の発言をみるかぎり、政治的要因にかなり過敏なわが厨銀の体質への各界の懸念を背景に、あえて利上げモード強調をぶちあげて(つまりあれですね、厨銀の独立性の自己解釈の表明というやつ)みたともいえるかな、と邪推。まあ、年内はFRB中心の海外金融政策の活発化があるだけに厨銀もへたな手はうてないと思いますのでないでしょうが、利上げの時期の可能性がまだあるとすれば1月かあるいはすべてを捨てならば3月かな。いずれにせよ、経済環境抜きの政治環境への配慮のみで日銀はこれから動くでしょう。


 政治で動きすぎといえば、「政治とカネ」だとか個人的問題だとかで評価が落ち着かない、中国の金人慶前財政相更迭問題は、中国の最近の高いインフレ率警戒と緊縮気味の金融政策のスタンスに、明らかに反する公共事業増加放任による同氏の政策への批判にあるんでしょうね。ここらへんの分析でまともなのは『週刊東洋経済』のコラムを読んだ程度でほかにはあまりソースがとれなかったのですが。とりあえずこの問題はもっと注目したいのでとりあえずメモとしてエントリー


 やはりインフレ率は8月は前年同月比6%超(年換算すると3%台後半から4%台の可能性あり)であり過熱の印象は避けられない展開ですが、原田泰さんが『エコノミスト』でお書きになっていたように、北京オリンピック後のリセッションが深刻なものになるかどうかは、オリンピック前の経済過熱を抑えることができるかどうかなのですが、金人慶前財政相の政策の舵取りはそれに背反するものだったということです。しかし個人の力というよりも公共事業拡大の抑制に失敗しているのはより深刻な政治経済的な要因でしょうから、彼の更迭でこの問題は解決されるのでしょうか。と書く前にともかく中国のマクロデータをみるのもいまの僕のレベルだと一苦労 笑。


 ちなみに量的緩和解除、ゼロ金利解除、利上げモード突入のそれぞれの時期に、日銀のこのような政策についてリスク要因を無視ないし過小に評価しすぎている、との評価が与えられてきましたが、中国要因とかもそろそろ真剣に考慮したほうがいいように思えるのですが、みなさんはどうなんでしょうか?