2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

サントリー学芸賞

政治・経済部門では、 飯尾潤・政策研究大学院大教授「日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ」(中央公論新社) 土居丈朗・慶大准教授「地方債改革の経済学」(日本経済新聞出版社)だそうです。前者は栗原裕一郎さんが推薦されたので購入してますが積…

クルーグマンの反論から

遅れましたがようやく論争をとりあえずフォローしました。 http://www.nybooks.com/articles/20015 以下のクルーグマンの反論をみると、論点がより明確化されてきた感じで、要するに「政策レジーム転換」が重要ということでしょう。日本の金融政策も速水前総…

橋本努『帝国の条件』合評会

いってきたどぉ。鈴木謙介さんと初めてお会いしたり、橋本努さんと世紀をまたいで(たぶん)面とむかって久々にお話でき、また会合自体も発表者、コメンターの方々面白い説明を開陳されていて愉しめました。内容のご報告は誰かしてくれると助かるけれども 笑…

自殺と景気循環、社会的要因

『自殺対策白書』の内容はまた後日として、表題の問題は、野口旭さんとの共著『構造改革論の誤解』(2001年、東洋経済新報社)で岸田研作氏らの分析を紹介してから、失業率と自殺の変化率との関係に注目してきました。その後、2002年に出した『日本型サラリ…

小峰隆夫&日本経済研究センター『超長期予測老いるアジア―変貌する世界人口・経済地図』

近所の本屋で昼飯の後の散歩の帰りにみつける。財布もってなく小銭しかないゆえ買えぬ。笑。 しかし立ち読みしただけだが、これは面白い。2050年までのアジア諸国の人口動態や構成比の変化からいくつもの興味深い経済予測をしている。個人的にはこの種の人口…

橋本努『帝国の条件』

手元にようやく届く。明日の研究会のために購入したのだが、これは分厚いな。たぶん全部読めない。それに行くかどうかは明日の気分次第。いま構想中の「生存権の経済学」(仮題)と関連する小テーマもあるようだ。 帝国の条件 自由を育む秩序の原理作者: 橋…

 The Circle of Guilt(Fredric Wertham)

個人的には『帝国の条件』よりも同時に届いたこのワーサムの本の方が今読みたい気分なのですが。これからたぶん来年の頭にかけてワーサム関連(アメリカのメディア史を含めた広範な話題)を集中的に読んでいくでしょう。考えたら僕はメディア史研究会にまだ…

いや、僕はユニクロじゃなくて……笑

栗原裕一郎さん曰く http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20071109/1194547048 いわれてみれば(僕は)微妙に距離を置いてる「リフレ政策を機動せよ」キャンペーンよりも、偏屈系の僕や稲葉さん(失礼)がユニクロのブログパーツを貼っているのはそれはそれでた…

ダビッド・ベー『大発作』

フランスのマンガ(BD)の傑作。最初だけ紙芝居をみているような静的な感じがするが、次第にある一族の盛衰史として時間も忘れて読める。今年度屈指の読書体験になった。高価だが十分に価値がある。図書館などで購入依頼して読まれてもいいのではないかと思…

 小池 桂一『G』、『ウルトラヘヴン』

稲葉さんご推薦。『G』は80年代でないと描けない作品だね。これよりも『ウルトラヘヴン』の方が断然にいい。近未来、ドラッグが合法化されたなかでの中毒者の別次元への地獄めぐりを描いている。これは当たり。『スピノザ』という気になる題名の作品があるけ…

 リフレ派は批判されると弱いとかいわれても……

そのリフレ派への批判の中味が、「心理的因子を考慮にいれない経済学が世界のスタンダードだからそれを考慮にいれてるリフレ派はおかしい」とか「電話番号がわからない」とか、あるいは「クルーグマン狂徒なのでインタゲ命。量的緩和は否定してたのに俺様の…

ちょっと早いが、年間経済書ベスト3ほか

ところで、そろそろ年間ベストを選ぶ時期だが、いまのところ僕は安達さんの『円の足枷』、上のエントリーに出てきている高橋洋一さんの本、を必ずいれると思う。そして藤井先生の『金融NPO』で今年の(翻訳もの以外の)経済書ベスト3。

山形浩生、若田部昌澄各氏論説『Voice』12月号、さらに鶴見俊輔&上坂冬子

今月号は面白い。鶴見俊輔&上坂冬子の憲法談義はふたりのお歳を足すと約160歳なのにこの饒舌と頭の回転の速さはなんというか立派。『思想の科学』の頃からの回想から話が展開していき、最近の日本の外交姿勢には妙にふたりとも同じ立ち位置からの批判(…

 レイヨンフーヴッドのインタゲ批判

http://www.voxeu.org/index.php?q=node/674 インタゲ批判というよりも、アメリカに関しては「バブル」をFRBが軽視しているということにレイヨンフーブッドは不満を抱いているんですね。 実際には現行のFRBは雇用状況をかなり重視していて、それが成長率の将…

僕と反経済学

昨日アナウンスしました橋本努氏の報告の前が、小野善康先生の報告会だったんですが、そのときの懇親会で、「田中はもともと反経済学では」というご指摘をいただいて、思わず肯いたのですが 笑。本来の教育はなんといっても大学でケンブリッジ学派、最初に読…

 小沢氏辞任撤回と中川氏の位置

これで対決姿勢を鮮明にするよりも、より協調路線が強まるのでしょうか? 僕はとりあえず日銀総裁選出しか念頭にないんですが、どうもこのたびの経緯をみると中川暗黒大魔神卿の威力がなんか相当復活しているので、ここはひとつ期待したいところですね。誰で…

「次期総裁に関する一考察」(『日経公社債情報』)

暗黒大陸さんの論説です。日本銀行の次期総裁は最近の議論の焦点はやはりアカデミズムで一定の成果をあげた人がいいのではないか、というものでしょう。僕もこのトレンドには大賛成で、金融関係の博士号や海外の同様の学位(Ph.Dなど)を取得している人が政…

アルファブロガーとの疎遠な関係 笑

http://alphabloggers.com/ ここでとりあげられてるものは町山氏とぐっちー氏のをのぞいてみたことない(前者は一月に1回、後者は月に2、3回か?)。きっこの日記も実はない(本になったの立ち読みとかどこかで紹介されてたのを読んだぐらい?) 笑。伊藤…

懐かしのバブル前夜(中流崩壊読書)

新著は脱稿したのですが、引き続き年来の課題二作を急ピッチで作業中。その関連で80年代半ばぐらいに話題になった著作を読んでいる私。 80年代真ん中へんの「中流崩壊」論争とでもいうべきものの主要著作、『さよなら、大衆』、『「分衆」の誕生』や『新・階…

 福田政権の静かな革命(候補)

以前、一回草稿を掲載したものですが。完成稿をここに。どこかに寄稿したもの。 自衛隊のインド洋給油問題や防衛省にかかわる論戦や、消費税増税を含む財政再建派の巻き返しなどが、いまの福田政権の政策イメージを決めている。今後、経済政策の面では日本銀…

 ジョーク(たぶん)の正しい解毒剤

「水平フィリップス曲線は図をみればデフレと失業が相関してない」なるジョークが跋扈する一部ネット界。誰がこんな珍妙奇天烈なジョークを広めたか調査してますがわかりませんね。まあ、実は本気で知りたいともおもいませんが(情報提供は謝絶しますね、自…

ALWAYS続三丁目の夕日

近所のシネコンでナイトショー。時間にしてはよく入っている。 前作はかなり感動した。今回はまさに『続男はつらいよ』状態。笑。キャラ設定は前作をほぼ踏襲しているので安心してみれる反面、冒頭の出だし以外はあまり意表をつかれる感じはしない。僕が東京…

マンキューの失敗

今日の授業で、マンキュー先生の『ミクロ経済学』を利用して比較優位の説明をしようとして、はっと気がつく。実は本務校にはネパールから留学生を受け入れていて、その学生さんたちに壇上から「ネパールは牛は食べたりしてはいけない?」とチープな質問をば…

橋本努『帝国の条件』合評会

とりあえず行くかもしれぬ。まだ読んでないけど。 参加は自由とのこと。経済理論史研究会(11月10日)のお知らせ 以下の要領で研究会を開催いたします。当日は懇親会も予定して おりますので、ふるってご参加いただきますようお願い申し上げます。 日時:11月1…

横山裕一『ニュー土木』、笠辺哲『フライングガール』

『ニュー土木』は「ブックス」が面白い。全体的に試作品的な位置なのかな? 『トラベル』や『NIWA』のように突き抜けて後味がいつまでも残るものとは違う。 『フライングガール』は面白いんだけどやはりなんかこの作者とは微妙に波長が合わない。

小沢氏辞任

荒しか? スルーが基本。

いろんな学説史研究

本屋にいったら読書の秋らしく多様な学説史本がでていた。まず個人的な好みでは最も読みたいものがこのピグーの研究書。おそらく内外でもこれだけ充実したピグー研究はない。図書館で読むけども 笑。ピグーの思想と経済学―ケンブリッジの知的展開のなかで作…

ジョン・サットン『経済の法則とは何か』

日本語で読めるようになりました。原書で随分前に読んでるけれども内容はすでにうろ覚え。黒木玄さんとかとメーリングリストで情報交換したのが懐かしい。そのうち内容を情報付加して書くかもしれない。 経済の法則とは何か―マーシャルと現代作者: ジョンサ…

 インフレ目標と量的緩和は背反してません

まあ、本質が荒しなのでスルーするのが基本ですが、どうもあまりご理解いただけない(するきもない)人たちがネットだけで通用する新規な解釈を流布しているここ数日みたいですね。ある意味、平和な光景ともいえますが。とりあえず簡単に書いときましょう。 …

岡田靖氏のロイター論説&高橋洋一氏の「かくれ資産」論

国内リフレ派のツートップ あてにならない経済予測と前みて運転しなければならない金融政策の組合せ、さらにインフレ率2%ぐらいが何が問題なのか? むしろ財政再建にも副次的に役立つ名目成長率目標政策は日本に好ましい。 http://special.reuters.co.jp/c…