2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

日本銀行の(彼らの主観による)「敗北」の分水嶺はどこか?

あとでエントリーするかもしれない今週の『東洋経済』の河野龍太郎論説、それに最近話題の利下げ主張した嶋中論説などとの関連で少し無駄話を。 日本銀行が資産市場の歪みを重視するいわゆる「第二の柱」を重視していて、いまだにバブル警戒論ゆえの金利上げ…

槇村さとる『Real Clothes』第三巻

スピード感が心地いい。物語は佳境に。 Real Clothes 3 (クイーンズコミックス)作者: 槇村さとる出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/11/19メディア: コミック クリック: 11回この商品を含むブログ (42件) を見る

ジョン・B・テイラー『テロマネーを封鎖せよ』

献本いただく。どうもありがとうございます。m( )m。 当ブログでも何度かとりあげた元アメリカ財務省次官のテイラー氏の回顧録の待望の翻訳です。これによって日本のデフレ脱却が日米の協調のもとで意図して行われたことが明確に日本の国民にも理解・利用で…

安彦良和『ジャンヌ』

話の基本は10年前に火刑されたジャンヌ・ダルクの魂が憑依した少女が男装の騎士としてフランスの統一と戦争の終結に命をかける近世版ロードストーリー。分厚い大冊なのだが紙質が軽いのでそれほど負担なく読める。主人公が自らジャンヌ・ダルクに比べてのカ…

改正入管法と観光政策

伊豆会議で話題になった話で記憶に残るものとしては、改正入管法(外国人入国者に写真撮影と指紋押捺を課すなど)が同時期に展開されている日本の観光政策(なんというキャッチだったか忘れた 笑 なのであとで付記)と背反にあるという指摘。アメリカでの同…

岩田規久男『経済学への招待』

書店からの授業参考用献本で頂く。半期のこまぎれ講義が多くなったので需要はあると思います。 経済学への招待 (ライブラリ経済学への招待)作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 新世社発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件)…

磯崎憲一郎『肝心の子供』

そんなにいい作品なのか読んでもよくわからなかった。みんな絶賛中。肝心の子供作者: 磯崎憲一郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/11/16メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 49回この商品を含むブログ (54件) を見る

 ひどい要望書だ(独立行政法人労働政策研究・研修機構の存続を求める要望書 )

稲葉さんのところから。ともかく廃止反対の理由がめちゃめちゃ。http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20071118/p1 <独立行政法人労働政策研究・研修機構(以下「機構」)の廃止を検討していることが、いくつかのマスコミで報道されています。 > マスコ…

要望書批判から同機構の批判的検証へ

僕は以下のエントリーを書いたときは、単なる要望書の内容への批判でしたが、ネットでの同要望書への広汎な支持をみて愕然としてしまい、さらに立ち入って要望書の内容だけではなく、同機構そのものを批判的に検証すべきだといま思っています。ネットを検索…

伊豆会議に行ってきました。

IBM伊豆会議(有識者会議)に初参加。http://www-06.ibm.com/jp/ibm/responsibility/world/communities/meeting.shtml 各界の有識者の方々と一泊しての討論と歓談漬けの二日間です。なんで僕がメンバーに? と当初も思い、いまも思っていますが(笑)。「高…

キム・ギドク論に向けて

決まった仕事というわけでもなくいってみれば息抜き=趣味でキム・ギドク論を書くつもり。参考資料読み。下の本はキム・ギドク論としては最も洗練された諸論文が掲載されていると思う。半分まで読む。 Kim Ki-duk作者: Kim Ki-duk出版社/メーカー: Dis Voir Ed…

春山昇華『サブプライム問題とは何か』

著者のプロフィールによると90年代後半からネットで活動している著名な方なようですね。僕は今回はじめてその方のブログを拝見しましたが。第4章の後半、第5章のほとんどを僕は賛成しかねています。例えば岩井克人先生もドルの基軸通貨の終焉みたいな議論と…

 「ウンコな議論」の人のデカルト『省察』論

フランクファートはデカルト、スピノザの思想史研究の専門家として出発しているわけです。そのフランクファートのたぶん処女著作の再版でました。 Demons, Dreamers, and Madmen: The Defense of Reason in Descartes's Meditations作者: Harry G. Frankfurt…

(質問)ジョセフ・ジョースターは死んだのか?

『ユリイカ』の特集をみてて思い出したので、かなり前からの疑問をここでさらす。 この年表によるとhttp://jdoubt.web.fc2.com/chrono.html 1920年生まれなので第6部終了が2011年なのでまだ91歳で生きてる可能性がかなり大きい。 しかも侮れないのは、ジョ…

ロビンズは反省したが、日銀はしたのか?

ロビンズ『経済学の本質と意義』出版75周年を記念して、LSEで国際セミナーが開かれるということです。以下はお知らせいただいたメールそのまんま東。日時:2007年12月10日(月)と11日(火) 場所:LSE(ロンドン)無料で誰でも参加できるようですが、席に限…

いまだに70年代の日本とサブプライム危機

ソフトバンクメールマガジンへの寄稿がネットで読めるようになりました。よろしく哀愁。 http://www.sbcr.jp/bisista/mail/art.asp?newsid=3248

日経公社債情報、死す

いまメールが届いたのですが、、2008年1月28日号をもって休刊だそうです。リフレ派匿名さん四人組(途中から三人?)のコラムが読めなくなるのは残念ですし、個人的には最強の業界紙と思っていたのですが。楽しみ減って残念だなあ。まあ、何事も始まりがあれ…

 韓国映画あれこれ

少し間があったがキム・ギドクの作品の中に清算主義的心性(への批判)を見出して、それを機軸とした作品論もどきが念頭にあるのだが、『絶対の愛』のDVD化と同時にいままで見たくともなかなかチャンスがなかった初期作品のDVDも出る。これは快挙。これで少な…

『ニッポンの恥』(山形浩生「格差社会本のバブル」)、『エコノミスト臨時増刊』(高橋洋一:サブプライム関係)

知人のオオガラスさんに教えられて近所の本屋へ。残念ながらエコノミストの方は在庫がなくそのうち読むかもしれない。 山形さんの論説は「格差」問題の大半が景気の悪化の帰結。格差社会本の多くがなんかへんてこなもんが多い、というのをいくつかの本を素材…

『ユリイカ』安彦良和&荒木飛呂彦

ジョジョ特集は立ち読みレベル。しかしついに『ユリイカ』登場か。なんだかんだでデビュー作から読んでる長いお付き合いの漫画家。まあ、さらに長い亮さんがいたりするわけだが。いや、それより長いゴルゴ13がいたか 笑。 ユリイカ2007年11月臨時増刊号 総…

日銀、現状維持

暗黒大陸さんがコメント欄で数日前に書かれたが、実際にいまの日銀の政策判断は論評に値しないように思う。思考停止レベル。そのスタンスに対する批判もすでに何度もこのブログでは書いたので省略しておくが、あえていうならば、ある委員が将来「低金利との…

坪内祐三『一九七二』

新カテゴリー「読書」を。 一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 (文春文庫)作者: 坪内祐三出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04メディア: 文庫 クリック: 20回この商品を含むブログ (82件) を見る 連合赤軍事件の箇所を中心に飛ばし読…

宇野弘蔵没後30年

宇野派といえば僕が読んだことがあるのは、伊藤誠先生の諸業績とラパヴィツァスとの共著ぐらい。とりあえず東京河上会幹事日記の方に関連イベントのご案内。 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi-ver2/20071112/1194866176

クーリエジャポン12月号

http://cruel.org/other/rumors2007_2.html#item2007111001 中田責任編集ということでそこに目がいってしまいがちだけれども、山形さんの連載は今回は「自由と生命の価値のトレードオフ」という注目すべき問題。ここで言及したことをエコノミストの記事の翻…

白井聡『未完のレーニン』

以前から白井さんとは面識があるにもかかわらず、なぜか上記の著作と連結できないでいて、先日の橋本努さんの講評会でお会いして、田中の脳内で連結できました。少し驚きました。 もうそろそろ発車せねばいけない福田徳三論にかかわりますが、レーニンの『国…

日銀総裁の脳内を考察するサイトできました。

荻上チキブログよりhttp://seibun.nosv.org/nounai.php/shisou/ 解析の結果↓前総裁 http://img.nosv.org/noug/img/7/f/7f65cfd18330b92da5107e99b5c534f5.png やはりそうだったか…… 現総裁 http://img.nosv.org/noug/img/4/7/47358a3228bcf0f002994229bcc097…

昨日の合評会関連

稲葉さんのコメント http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20071111/p1

NHKスペシャル『ヤクザマネー』

最後まで見れなかった。爆睡。もう少し工夫の仕様があったかもしれない。ナレーションがあまりに題材よりを意識してトーンが暗くそれに誘われて睡眠。内容的にはやはりぼかし映像が多すぎてこれも催眠を誘発した。興味深い切込み方に乏しい印象。お金に色が…

週末イベント用ネタ本(1)

週末にあるイベントがあるのでそのためのネタ本を読む。ネタになるかどうかは不明。 アレックス・カー『美しき日本の残像』、『犬と鬼』 オギュスタン・ベルク『日本の風景・西欧の景観』……ベルクの農民を見捨てることで得ることができた自然や景観という主…

竹内一郎問題

伊藤剛氏のブログをみたら一覧が。よく事情は知らないけれども(管理が大変なので削除した旧ブログでのエントリーにも書いたけれども)竹内氏の『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』はどこがいいのか皆目わからず、おまけに先行研究がほとんど無視されてる…