自殺と景気循環、社会的要因


 『自殺対策白書』の内容はまた後日として、表題の問題は、野口旭さんとの共著『構造改革論の誤解』(2001年、東洋経済新報社)で岸田研作氏らの分析を紹介してから、失業率と自殺の変化率との関係に注目してきました。その後、2002年に出した『日本型サラリーマンは復活する』(日本放送出版協会)では、高橋祥友氏や川人博氏らの分析を紹介する形で、過労死やストレスなどの要因にも注目して、前記の論点をさらに考察したつもりです。


 この自殺率と景気循環的要因の関係については、最近、注目している論文がいくつかあります。ひとつは景気の悪化とその長期化が自殺率の増加をもたらしたことを検証する以下の論文。


An economic interpretation of suicide cycles in Japan
Jahyeong Koo and W. Michael Cox


http://www.dallasfed.org/research/papers/2006/wp0603.pdf

 ご参考までに。