橋本努『帝国の条件』合評会


 いってきたどぉ。鈴木謙介さんと初めてお会いしたり、橋本努さんと世紀をまたいで(たぶん)面とむかって久々にお話でき、また会合自体も発表者、コメンターの方々面白い説明を開陳されていて愉しめました。内容のご報告は誰かしてくれると助かるけれども 笑。かなり論点が深く掘り下げられたのですが、いかんせん政治哲学関係(レオ・シュトラウス関連)が全然理解できてないので僕がやるとなんですが。ただ鈴木さんの『帝国の条件』が世界政府というものから演繹的に導かれた体系である、という評価は妥当だということが全員の認識であったと思います。ですのでこの一種の演繹的ユートピア体系について、各コメンターは、現実との齟齬、演繹論理の齟齬、の二面から検証したと思われます。現実との齟齬では論点はトービン税構想とそれを用いた貨幣発行自由化論、さらに世界貨幣の生成をめぐるものが話題の中心でした。論理面の齟齬は。上に書いたように政治哲学的な問題が論点であったのですがまだ僕には正確にまとめられません。特筆しておかなくてはいけないのは、コメンターの批判的なコメントへの橋本さんの受け答えが非常に柔軟であり、むけられた批判的コメントをなるべく「帝国の条件」の設計に活かすにはどうしたらいいか、で首尾一貫していたことでしょう。非常に参考になりました。


 この研究会はオープン参加なのでみなさんも関心があればこれからもどうぞ。次回はわたしたちの『経済政策形成の研究』です。


 ところで会場で知ったので宣伝。橋本さんの新刊。でたばかり。