韓国映画あれこれ


 少し間があったがキム・ギドクの作品の中に清算主義的心性(への批判)を見出して、それを機軸とした作品論もどきが念頭にあるのだが、『絶対の愛』のDVD化と同時にいままで見たくともなかなかチャンスがなかった初期作品のDVDも出る。これは快挙。これで少なくとも全作品を日本語版でみれるわけでまったく慶賀。原稿書きが佳境に入っていたので、フランスで出てたキム・ギドク本も積読のままなのでそのうち読んでみよう。冬ソナ本以外にもう一冊、韓国映画ものを書きたいのだけれどもどうなることやら。


 ところで『絶対の愛』はすでに鑑賞済みだがもちろん再見の価値は多いにある。余談だが、主演のソン・ヒョナの魅力はちょっと日本に比肩する人はいない。80年代くらいまでなら誰か似たような女優がいたのかもしれないが……(ふと、名取裕子の若い頃とかを思い出した。『マークスの山』とか90年代だけどもあの演技は凄かったなあ)。


絶対の愛 [DVD]

絶対の愛 [DVD]


 しかし、ここ数ヶ月の間に、このキム・ギドクの作品以外に注目作がDVD化される。お好みの女優キム・ジスの『チャーミング・ガール』(12月)、梶ピエールさん絶賛の『キムチを売る女』(1月)、僕には失敗作で挫折したが世評の高い『私たちの幸せな時間』、『女教師』(12月)、いま上映中の『サイボーグでも大丈夫』(1月)と続く。これは期待大。