2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

宮崎哲弥の憲法論

宮崎さんが『週刊文春』で憲法論を展開しているのは知っていたが、週刊誌自体を読む習慣がないので今回、編集部から送られてきた同誌を読んでてじっくり宮崎さんの憲法論を拝読することができた。今回は政治学者の菅原琢氏の論説「あすを探る 政治/政権に関…

財務省の自作自演の「国際公約」作りを警戒せよ(消費税増税10%以上の世界)

twitterでつぶやいたものを再録。 もういまでもやってるけど、消費税10%の次は15%狙い。10%が決まる前後から、財務省などの海外派遣組がIMFなどを通じて「日本はさらなる財政再建のために一段の増税が必要」みたいなことを発信させる。そして国民が同意も…

戦争と同じとめられない、財務省病があるかぎり政権が代わっても増税のために使い捨てされておしまい

これもTwitterでつぶやいてRTを数多く集めたものを再録 (増税は)戦争と似ている。みんながまずいと思っていても、消費税増税がとめられない。おそらくすったもんだで10%にあげるとなぜかほっとするだろう(それが我々の国の風土だ)。しかしその後に経済…

古谷経衡『もう、無韓心でいい』

完読。感想は4日のトークイベントで言うとして、簡単なメモとしは、1)韓国「小国」論。韓国が嫌日になったのは冷静構造崩壊が原因2)「無関心」で行こう。福澤諭吉の脱亜論は過剰な期待の裏返しで、また時代的な文脈からいっても今には参考にならない。3…

『宗教問題』8号「特集 修行と暴力1」

アイスバケツチャレンジに関係するというので『宗教問題』8月号の御坊さんたちの覆面座談会「修行と暴力」を読んでがっかりした。内容というよりもこのお坊さんたちの意識の低さというか幼稚さというか。「修行は聖域、外野がとやかくいうな」的なテーゼを持…

アイスバケツチャレンジについて長めのコメントin『週刊文春』(関連する論点)

本日28日発売の『週刊文春』でアイスバケツチャレンジについて長めのコメントをしました。ご一読ください。 また関連する論点を提起した論説を読みました。ITOKさんのご教示。No Ice Bucket” Challengeの勧め。ALS研究への寄附に氷はいらない(氷に無駄金を…

電子書籍化されてる拙著一覧

『構造改革論の誤解』 http://www.amazon.co.jp/dp/B00N2G28H2『日本型サラリーマンは復活する』 http://www.ebookjapan.jp/ebj/book/60085950.html『偏差値40から良い会社に入る方法』 http://www.amazon.co.jp/dp/B00979OV5A『日本経済復活が引き起こすAKB…

肉汁ガールズ(岡本柚果)in池袋

ちろうさんが池袋で肉汁ガールズというアリスプロジェクトの新ユニットが出てるイベントのことをつぶやいてたので検索したら、QunQun時代から知ってる岡本柚果(ゆか坊)が出ていたので、これは見に行かなくてはと思った。 そもそもアリスプロジェクトのメン…

8月30日復刊(電子書籍版)野口旭&田中秀臣『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)

2001年に出た『構造改革論の誤解』がついに復刊されます。これは僕の時論の処女作であると同時に、いまに至るまでのすべての主張がコンパクトに、かつなんの予備知識も要求することなく、同時に高いレベルで書かれている著作です。現在の経済問題の前提にな…

「円の価値を大暴落させれば東京オリンピックは自壊」――経済学者・田中秀臣が2020年の"経済テロ"を考えてみた☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.144 ☆

「世界を征服すること」と「世界を滅亡させること」は男子の二大妄想。子どものころから鍛えています(意味なし)。こちらからどうぞ。自分でも笑いをこらえることができませんでした。関係者のノリに感謝。「円の価値を大暴落させれば東京オリンピックは自…

松本大洋+ニコラ・ド・クレシー(玄光社MooK)

頂戴しました。ありがとうございます。巨匠ふたりのイラスト集。すばらしい作品が多く眺めてるだけで時間がみるみる経過。シンポジウム、往復書簡も研究には貴重な資料。しかし贅沢な一冊。松本大洋+ニコラ・ド・クレシー (玄光社MOOK)作者: 松本大洋,ニコラ…

ダグラス・ケンリック『野蛮な進化心理学』(山形浩生&森本正史訳)

進化心理学の最新の業績がコンパクトに整理されていて面白い。進化心理学は、超簡単にいえば、人間はたったひとつの心の産物ではなく、いくつかの心が集まった存在。これを著者は「下位自我」という。そしてこの「下位自我」は進化の過程で適応した成果でも…

アイスバケツチャレンジ問題雑感

twitterで特に今日つぶやいたものをまとめただけ。 今回驚いたのは、アイスバケツチャレンジの依頼がきて、いじめなどで悪用されてたチェーンメール的なものを感じたことを、「パーティーに気乗りしない」程度の気持ちだろとか、「著名人に誘われたらのるん…

内藤陽介『朝鮮戦争 ポスタルメディアから読み解く現代コリア史の原点』

日本の戦後や東アジアの政治地図に決定的な影響を与えた朝鮮戦争。その経緯と現代への影響を丁寧に資料(ポスタルメディア)を利用して書いた、内藤陽介さんの『朝鮮戦争』。相変わらずコンパクトな現代史の復習や、ポスタルメディア(例えば当時、実際に使…

古谷経衡『もう、無韓心でいい』出版記念トークイベント(Ver2.0)プラス:9月4日木曜午後7時開催予定!(出演 古谷経衡、舞川れみ、七菜乃、星飛雄馬、田中秀臣)

古谷さんの新刊『もう、無韓心でいい』(ワック)の出版を記念してトークイベントを開催します。 古谷さんの新刊の内容を、じっくりと本格的に追っていきながら、いまの日本と韓国との関係を丁寧に議論していければと思います。「舞川れみのニュース最前線」…

J-WAVE JAM THE WORLDに出演して「デフレとカルチャー」「海の家の経済学」を速水健朗さんナビゲートでお話しました

表題のとおりです。海の家の経済学というのは、速水さんらしい新しい観点で、自分でも少し調べてみたのですが、ここ数年でも海の家や日本の海岸を利用したレジャーの在り方にも大きな変化があるようです。 そのキーワードは、番組でも話した「デフレ」と「少…

トークイベント「アベノミクスに代わる経済政策とは何かー民主党政権時代のデフレ脱却運動を再考するー」(動画リンク先&配布資料「現在の日本経済と経済政策(アベノミクス、ポスト・アベノミクス)を理解するためのブックリスト」)

18日夜に行われたトークイベント「アベノミクスに代わる経済政策とは何かー民主党政権時代のデフレ脱却運動を再考するー」。出演者の金子洋一さん、浅田統一郎さん、古谷経衡さんとともに非常に濃い内容の3時間超のイベントでした。ご参加いただいた皆様、そ…

P・シーブライト『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』

進化心理学的知見と経済学的思考をクロスさせたとても大胆で、また刺激的な本。 圧倒的に人間は合理的打算(≒利己的計算)で物事を考えるけれども、そんな「殺人ザル」的な世界のなかでも、ほんのわずかな「強い返報性」(好意にはより多めの好意を返す)が…

田中秀臣「裕也とさっしー:まだ世界が定義を知らないふたり」inちろう編『アイドルになる方法』

夏コミに出品されたちろうさん編集の小冊子『アイドルになる方法』に寄稿しました。他に岩崎夏海さんのインタビューや、ちろうさん自身の記事など面白い内容です。とりあえずエッセイ冒頭にお気に入りのアイドルとの写真を掲載しました。誰でしょう?(笑)…

中原昌也「すき家、マルクス、ブラック企業」in『新潮45』八月号

すき家問題についてはさほど関心がなかったのだが、この中原氏のエッセイは、すき家問題を簡潔かつ鮮明に描いている好エッセイだ。ゼンショーの小川賢太郎社長の経歴を『日経ビジネス』の記事などから本人に語らせる手法をまずとっているのがいい。「略 「や…

平井雄一郎&高田知和編著『記憶と記録のなかの渋沢栄一』

すこし問題意識を難しく書きすぎているのが気になったが、個々の章には興味深いものがいくつかあって楽しめた。木下直之「二五人の渋沢栄一 銅像からゆるキャラまで」は、題名の通りに銅像などの写真をみるだけで楽しい。平井雄一郎氏の「渋沢栄一の「事実/…

飯田泰之&春日太一『エドノミクス 歴史と時代劇で今を知る』

飯田泰之&春日太一『エドノミクス』(扶桑社)読了。面白い。経済論と時代劇論がうまく交差して、江戸経済の推移と展望が得られると同時に、日本のドラマ・映画のぶっとい骨格もわかる。時代劇がちゃんと復興しないとまずいこともわかった。お盆にいい読書…

安倍政権がもたらした消費税増税による自業自得的な経済急減速について(いわゆるリフレ派の見解まとめ)

内閣府の発表によれば、国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、実質で前期比1.7%減、年率換算で6.8%減であった。また、名目GDPの成長率は、前期比0.1%減(年率換算で0.4減)。 内閣府のポイント解説を利用すると「実質GDP成長率に対す…

大卒就職市場とマクロ経済

twitterで書いた雑感をまとめたもの。 あくまで学校基本調査統計ベースだけど、前回のゼロ年代中盤における「竹中(溝口)・テーラー介入」のときの大卒就職率推移(2005年:59.7、2006年:63.7、2007年:67.6、2008年:69.6)と今回(2011年:61.6、2012年…

七菜乃さんにお会いする

特殊モデルの七菜乃さんとお仕事のために渋谷でお会いする。やはりとても綺麗で可愛らしい方。また独特の世界観をお持ちなのはもちろん、お話していて気が付いたのが、その話のゆっくりだが切れ目のない安定したトーン。ラジオで聴きたい声だな、と思った。…

舞川れみ写真展in原宿

夕方から原宿で開催していた舞川れみさんの個展にいきました。知人ヲタも数名参集(笑)。 『ナツ恋』という短編映画企画の一部で、主演の桐山えりなさんともチェキとったり、短編映画のいまどきの配信や国際状況などもお話を聞いてためになりました。 http:…

聴くことと聞くこと

岡倉天心の『茶の本』に伯牙の琴馴らし、という逸話がある。 地下に眠る龍の身体にさえその根をまきつけた巨大な桐の木があった。そこから仙人が琴を切り出す。皇帝がこの琴をやがて秘蔵する。この琴をならそうと名人たちが皇帝の前で挑戦したが、琴は耳障り…

「インタビュー能年玲奈」(中森明夫)in『すばる』9月号

『すばる』の継続的な読者ではないので、この企画が単発なのか、なんらかしらの継続的な企画の一部なのかは知らない。しかし文芸誌の巻頭に明らかにアイドル論があるということは、アイドル×文学=二重の虚構 という刺激的な挑発ともとれる。実際に中森さん…

主張の検討以外に騙される人たち(論理で人をだます法回顧)

ある主張Xを言う人に対して、そのXを言う際の手順(事前交渉したのか等)や見かけ(いきなり叩きだすような姿勢こそ問題)などに注意を払わせ、X自体から関心をそらす手口。ゲーラ『論理で人をだます法 』(山形浩生訳)などでおなじみ。わりと古典的。ht…

所得税から消費税への問題点(消費税シフト、直間比率見直し、所得税のフラット化などと経済格差の悪化)

所得税のフラット化とそれと連動した消費税増税シフトは、どこがまずいのだろうか? この方針は財務省がずっと譲らないもの。消費税増税というと、景気への悪影響ばかりに注目されるが、この財務省方針自体は、景気への悪影響だけが論点ではない。以下では一…