2015-01-01から1年間の記事一覧

河上肇『貧乏物語』論文メモ

貧国論「貧乏物語」を読む 小泉 信三 三田学会雑誌 11(6), 789(83)-805(99), 1917-06 http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00234610-19170601-0083河上肇における二種類の真理--「貧乏物語」の一分析 出口 勇蔵 経済…

住谷一彦メモ

備忘録として 井ヶ田良治先生のライフヒストリー・住谷一彦先生のライフヒストリー『比較家族史研究』Vol. 26 (2012) p. 5-36 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscfh/26/0/26_5/_pdf 河上肇と比較経済思想--河上肇におけるヴェーバー的問題 (河上肇記…

小熊英二監督『首相官邸前で』

小熊英二『首相官邸前で』を観る。かなり冗長ではあるが、やはりそれなりの理があり、共感できるデモの記録は感動できるものがある。ただし菅直人元首相の責任に一切ふれない方針は批判したい。原発現場の混乱を招いた責任は大きい。それに触れないのはフェ…

憲法学者はなぜ憲法解釈を変えたのか?

先日のトークイベントで会場から出た質問に、「憲法学者の小林節氏はなぜ憲法解釈を変えたのか。変えるのはいいかもしれないが、それならばきちんと理由を説明しないと専門外の人には理解できない」旨のものがあった。僕はこれについては尋ねられたわけでは…

寺尾紗穂『原発労働者』

かなり期待して読んだのだ。原発で作業にあたる人たちがどのような雇用環境なのか、マンガの『いちえふ』などで描かれていたが、こちらは3.11以前にも焦点をあてて数名の原発作業員の方々にインタビューをして、それをもとに著者の視点をまじえて構成してい…

古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社+α文庫)&中森明夫「古市憲寿とは何者か?」

中森明夫さんの巻末解説「古市憲寿とは何者か?」を読むために購入。古市ポップスター論を展開。中森さんらしいけど、古市氏の発言に批判的な僕には生ぬるく感じたりもする。 ポップスターが賞味期限切れをいかに回避してきたかの一般論から古市氏の言説や行…

「PIP(ピー・アイ・ピー)の経済学」in『電気と工事』2015年11月号掲載

田中秀臣「PIP(ピー・アイ・ピー)の経済学」を『電気と工事』(11月号)に寄稿しました。技術系専門誌ですが、すでにももいろクローバーZの経済学などを書いたときにはヲタがたくさん買ったという伝説ありw。記念の第50回目です。もう4年以上連載してます…

映画『ピクセル』

80年代のゲームオタクが宇宙人の襲来から世界を守る。パックマン、ドンキーコングなど懐かしいキャラが悪役になって登場w。設定もいたって安直ながら楽しめる一作。ミッシェル・モナハンが綺麗。ピコピコ。

難民申請と外国人技能研修制度との関係:メモ

よく日本は難民申請が多くても認めるのは一部であると最近はなぜか安倍政権批判の一環で、しばしば「アベ政治を許さない」系の人がつぶやいてる。昨日のNHKニュースにもあったが、外国人技能研修生の「失踪」人数と難民申請数がシンクロ。前者の滞在資格延長…

付利撤廃&マイナス金利についてのメモ

付利撤廃やマイナス金利についても一昨日のトークイベントや、上念・片岡・田中の公開講演会で話題になりました。付利(短期金融市場への補助金)撤廃や、マイナス金利(超過準備への実質的ペナルティでの金融機関へのポートフォリオリバランス効果を狙うも…

上念司『地方は消滅しない!』(宝島社、木下斉執筆協力)

僕らの最新刊も地方経済を重要なテーマにしていて、それと同じタイミングで出版された上念さんの新刊は、木下斉さんの協力もあってか、非常に個別具体的なものと、一般論が適度にブレンドして、本当に勉強になる一冊。 いわゆる「増田レポート」(増田寛也『…

常見陽平『エヴァンゲリオン化する社会』

2015年なエヴァイヤーだ。僕らも年初にそれを祝してトークイベントを企画したりした。だが意外とエヴァンゲリオンネタが盛り上がっている気配はない。少なくともファンの関心を出て社会一般にあらためてエヴァの現代的意義を問うような著作は今年でていない…

藤井聡メール問題、そして朝日放送出演自粛問題

この種の話題には疎くて、ほとんど一日経過して、飯田泰之さんのtwitterを読んで気が付きました。とりあえずメモ程度で。放送法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html 第四条の2 政治的公平性大阪維新の会がBPO(放送倫理・番組向上機構)に提…

グンナー・ミュルダール『ミュルダール 福祉・発展・制度』(藤田菜々子訳)

ミネルヴァ書房は最近、マーシャルやピグーなどの福祉に関心がある経済学者の翻訳を着実に刊行している。本書もミュルダールの本邦初訳を何編も収録した学術的にも意義のある貢献だ。ミュルダールは経済学の方法論、人口政策、期待を重視した貨幣理論、『ア…

10月26日(月)トークイベント『進撃の巨人』のすべてを語る:出演 古谷経衡、西田亮介、須藤櫻子、田中秀臣

10月26日(月)トークイベント『進撃の巨人』のすべてを語る:出演 古谷経衡、西田亮介、須藤櫻子、田中秀臣 でお送りします。場所:荻窪ベルベットサン。 アクセス詳細 http://www.velvetsun.jp/about.html開場午後6時半、開演午後7時半です! 料金:1500円…

川瀬泰雄・中森明夫・クリス松村「山口百恵の『秋桜』を語ろう」in『週刊現代』10月24日号

先日のトークイベントの会場で中森さんに頂戴しました。これはたった一曲の名作をめぐって山口百恵論、さだまさしの作品世界の解釈(中森さんが尾崎方哉を援用したのはやはりすごいなと)、同時代の山口百恵のライバルたちなど縦横に語っていて飽きません。…

雇用の循環的要因と構造的要因についての考察(2015年秋)

先の片岡剛士さんと上念司さんとのトークイベントでもちょっと僕と片岡さんとの間で議論になった雇用をめぐる問題。正確には講演の記録を聴いていただきたいと思いますが、雇用と景気の関係だと思います。景気の指標として雇用がどの程度役立つか問題とでも…

アルゼンチン経済メモ

クルーグマンが言ったと思ってたらサミュエルソンだった。経済には四つある。先進国、発展途上国、日本、アルゼンチンだ。アルゼンチン経済についての情報収集用のメモ2014年のアルゼンチンのテクニカルデフォルトのレポートhttp://www.jetro.go.jp/ext_imag…

「立憲主義」は安保法制問題の当否を判断する基準だったか?

本日のトークイベントでも論点としてでてきた、「立憲主義」の位置づけ。「立憲主義に立つのが安保法制反対派であり、安保法制賛成派は反立憲主義」というの主張は、僕にはとてもおかしなことに思える。立憲主義は、憲法解釈と法の置かれた現実的状況との対…

金子兜太と牛肉とTPP、そして「アベ政治を許さない」と日銀理論(?)

飯田・麻木・田中三氏のトークイベントで、TPPが牛肉に与える影響について議論が行われました。そこで年をとると牛肉はあまりたべなくなる、という発言にふと田中はメガネをはずして、最近読んだ金子兜太氏と広瀬信義氏の対談「百歳を超えた先には何がある」…

振り返り(一部動画配信):トークイベント「2015年のアイドル世界を語るーPIP、バニラビーンズ、SEALDsの音楽、姫乃たま、NGT48から仮面女子まで〜」出演:中森明夫、田中秀臣、空井美友(PIP)、ちろう。

昨日のトークイベント。前半は事実上、PIPの話題で終始(笑)。後半は姫乃たまさんが飛び入りで参加し(ありgとうございます!)、『潜行』やアルバム『僕とジョルジュ』を中森さんを中心に批評。そしてぐだぐだトークしがちな僕を出演者のみなさんでリード…

古谷経衡×奥田愛基「保守は「SEALDs」に完敗です」in『文藝春秋』11月号&高橋源一郎×SEALDs『民主主義ってなんだ?』

14日のトークイベントでも少しだけ話題になったSEALDs(シールズ)。PIPの空井さんはよくわかっていなかったみたいだけど、「自由と民主主義のための学生緊急行動」の英語の略称で、数名の学生が中心になり、安保法制問題を契機に国会前デモをおこない、社会…

ブライアン・K・ボーン&フィオナ・ステイブルズ『サーガ3』

1と2でも書いたことだけど、異なる価値観・規範を持つものとの対立と協調、それを疑似家族の成長物語の中で吸収していこうとする野心的な作品。まだ物語の出だしのようでもあり展開がますますよめない。サーガ 3作者: ブライアン・K・ヴォーン,フィオナ・…

かわぐちかいじ『空母いぶき』1巻&2巻

日本の戦後発の空母いぶきを中心にした自衛隊と尖閣諸島をめぐっての中国との軍事衝突がテーマ。非常にタイムリーな話題であり、ついつられて購入してしまった。フィクションとはいえ、「専守防衛」の意味を事象化してみせるとなかなか迫真性がある。かわぐ…

「徹底解析 アイドルヌードの変遷からギャラ相場まで」in『FLASH』10月27日号でコメント

掲題の通りですが、アイドルのヌードの歴史というのもあるようでない珍しい企画です。この記事ではアイドルのヌードの起点を1968年の緑魔子氏の『悪の華わが性からの復権』にしています。知らなかったので興味深い。以下が雑誌からの転載『AKB48の経済学』の…

桜林美佐『自衛隊の経済学』

防衛装備庁のロゴマークが「物議」をもたらす程度の日本のごく一部の関心をみるにつけ、本当に日本の安全保障政策の理解が重要だな、と安全法制問題との関連も含めて日々確信している。その中で出版された桜林美佐さんの『自衛隊の経済学』はまさに求められ…

トークイベント開催:10月14日(水)「2015年のアイドル世界を語るーPIP、バニラビーンズ、SEALDsの音楽、姫乃たま、NGT48から仮面女子まで〜」出演:中森明夫、田中秀臣、空井美友(PIP)、ちろう。

久しぶりに全開でいまの何かと話題の多いアイドル世界を語りたいと思います。中森さん、ちろうさん、アイドルの空井さんと見方の異なる意見をきくことができることを個人的にも楽しみにしています!「2015年のアイドル世界を語るーPIP、バニラビーンズ、SEAL…

“アイドル”の経済学―濱野智史&PIP(Platonics Idol Platform)、仮面女子、バニラビーンズ、あヴぁんだんど、SEALDsなどの備忘録

最近はまたアイドルを経済学的に考えてみようという意欲がわいてきた。「さんみゅ〜論争」以来のことである。その主因はなんといってもPIPをめぐる話題である。「濱野智史舌禍問題」に端を発して、あらためてアイドルとは何か、いろいろ考えてみたくなってい…

上野泰也『トップエコノミストの経済サキ読み術』

上野さんから献本いただきました。ありがとうございます。上野さんとは現在の日本のマクロ経済についての見解は異なるのですが、共通するところもあるのです。それは本書にも収録されているアイドルの特徴と景気変動をめぐる考察に関する部分です。この点に…

富裕層向き会員雑誌『Nile's NILE(ナイルス・ナイル)』10月号で愛と利己心を豪華グラビア見開きで語ります

という掲題の企画をうけました。今日発売だと聞いてますがまだ手元にはきてないのでどんな感じに完成したのか楽しみにしています。自分の人生の歩みとか、卒業論文の「愛と情念の経済学」の話とか、また大学四年生のときのヨーロッパ放浪とその後に読んだア…