2015-01-01から1年間の記事一覧

新刊紹介:ゴードン・フレッチャー『デニス・ロバートソン』(下平裕之訳、田中秀臣&若田部昌澄監修)

「経済学の偉大な思想家たち」シリーズの第二弾が刊行されました! 下平裕之さんの労訳のもと、ケインズ革命を革命たらしめるにあたってケインズに重要な貢献を行い、そしてのちにはケインズの最強のライバルになったロバートソン。現在の実物景気循環論(RB…

内部留保課税雑感

自民党が内部留保課税を考えてるというネット情報を目にして、そのような案がしばしば共産党などからも出されていたなと思う。内部留保に課税することで、内部留保ではなく企業が設備投資を増やし(同時に外部資金調達が増加、すなわち銀行側からすると貸出…

内藤陽介『英国郵便史 ペニー・ブラック物語』

小学生の頃に親にねだってギボンズの切手カタログを購入した。これは内藤さんの新著にも言及されているが特にイギリスや英領関係の切手を知るには格好のカタログである。小学生の頃は英語はろくに読めないのにこのカタログで英領切手の美しさなどを妄想した…

[話題]12月11日夜:年忘れトークイベント開催!

お待たせしました! 毎年この時期にお送りする年忘れトークイベント。今年もぜひご参集ください! 当日はお席の確保が難しくなる可能性がありますので(二年前は満席で予約打ち切りをしました)、常連のみなさんも新規の方々も予約ページから事前予約をして…

浜田宏一『グローバル・エリートの条件』

僕の周囲でもほとんど話題にならなかったが、浜田先生のこの本はとてもいい。グローバル人材が単に英語が試験レベル等でできる人程度の認識に陥りやすい風潮にまず批判的で、ご自身が必ずしも英語の卓越した使い手ではないが、「何か話すものがあること」そ…

動画配信:PIP後夜祭(非公式)ー就職とアイドル、ひとり親問題から『エヴァンゲリオン化する社会』までー

昨日のトークイベント、常見陽平さんの鋭くかつ高速に繰り出される話題で大変に盛り上がりました。またPIPのおふたりも常見さんの話で刺激をうけたのがよく伝わり、これからの活躍が楽しみになりました。アイドルだけではなく、自分をどう売りだすのか、自分…

[話題]春日太一『市川崑と『犬神家の一族』』

とても楽しみにしていた著作。その期待を裏切らない、市川崑映画の特質を明確に切り出した労作になっている。僕の世代からいえば、市川崑映画といえばやはり角川映画第一弾『犬神家の一族』から始まる金田一シリーズである。この作品の共通する特質は、本書…

[経済]貨幣の限界効用一定についてのメモ

ちょっと気になるテーマなので自分用のメモマーシャル型効用関数と社会的無差別曲線 大山道広 http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00234610-19991001-0087&ml_lang=enThe marginal utility of money:A modern Marsh…

[話題]Suga Dairo/Solo Piano at Velvetsun

スガダイローさんの新作アルバムSolo Piano at Velvetsun(11.2MHz+mp3)を聴いてます。ネットの経済好きや古谷経衡ファンや制服向上委員会やさんみゅ〜やPIPなどのアイドルファンにもおなじみの荻窪ベルベットサンのあのピアノでの演奏です! いい夜です!詳…

「ひとり親世帯の貧困」問題論争メモ

山本一郎「「ひとり親世帯の貧困」問題と、駒崎弘樹×常見陽平論争について」 http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20151110-00051313/ 「議論の中で出てきたのは、そういうひとり親世帯の貧困の原因となっているのは、幾らかの割合が離婚問題で…

最近の預貸率低下はリフレ政策が「効果がない」ことが原因なのか?

これも経済学史学会の関東部会での平井俊顕さんの指摘で、たぶん「客観的に」預貸率の低下を指摘したのだと思うが、この低下傾向は東京商工リサーチのレポート(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20150917_01.html)にもあるように六年連続である。 …

あなたが選ぶ「2015年経済書で心に残るベスト3」投票のお願い

拡散希望です。 ‪#‎2015年に出版された経済書で心に残るベスト3‬ のタグをつけていただき1位から3位まで順位をつけて経済書をお好きなように選んでいただけると幸いです。過去に2012年、2013年とやって人気でした。そこそこ人数が集まることができれば12月1…

消費者物価指数(コアCPI、コアコアCPI、新指数)は「ほぼ水平」が「客観的説明」ではなく、アベノミクス以降上昇反転が「客観的説明」

同じく平井俊顕さんが上記エントリーと同様に、CPI(消費者物価指数)は90年代以降「ほぼ水平」が「客観的説明」だといったので、これも日本銀行が政策目標で参考にしている消費者物価指数の三タイプ(コアCPI、コアコアCPI、新指数)の動向をみてみる。 こ…

GDPデフレーターの動向(90年代から下落継続したが、アベノミクス以降はプラス反転が“客観的”説明)

昨日の経済学史学会関東部会での僕の質問。平井俊顕さんが「GDPデフレーターが下落している」という指摘について。90年代から下落してマイナス域だった。これは「デフレーション」のひとつの指標である。これを言うのは正しい。しかしその下落があたかも安倍…

経済学史学会関東部会、野口旭『世界は危機を克服する』合評会感想(松尾匡さんのコメントとトービンの主張)

大学で休日出勤の後に行ったのでかなり消耗。しかし報告のお二人のコメントは楽しかった。やはりプロ同士のコメントの応酬は得るものがある。平井俊顕さんのコメントについては、僕の関心のあるところだけを下のふたつのエントリーに書いた(会場でもこのふ…

置塩信雄についてのメモ(ネットに転がってるものを中心に)

置塩の経済学についての知識はほとんどない(笑)。学部のときに参考文献だった置塩『近代経済学批判』(有斐閣)のケインズ経済学批判(その要旨は以下の松尾匡さんの用語解説にある)と、大学院時代に高須賀義博先生の講義で読むはめになったダンカン・フ…

欧州労働組合連合についてのメモ(反緊縮、リフレ関連)

今日の経済学史学会関東部会で松尾匡さんのコメントをいろいろ聞いて勉強になったもので特に欧州の労組や左派政党に関するものを、帰宅してからいろいろググったので以下にメモ。欧州の労働組合や左派政党のリフレ政策(財政・金融政策の緩和への支持、特に…

“左派のサッチャー”と生活賃金(Living Wage)、リフレ政策との関連

松尾匡さんの学会でのコメント関連。僕のtwitterのタイムラインでも一時期非常に話題になったイギリス、スコットランドの左派政党(SNAP スコットランド国民党)の党首スタージョンの「リフレ」政策への注目。 SNAPの経済政策については以下に整理されている…

日本の“リベラルと左派”が理解してない金融政策(リフレ)と生活賃金、最低賃金引き上げなどとの関係

欧州の左派的な政党も組合も、日本でいうところのリフレ政策(いまの日本銀行の異次元緩和的なもの、金融政策の景気対策への割り当てとその効果)を積極的に評価している。この金融政策への積極的評価を背景にして、反緊縮的な財政政策のスタンスやまた「生…

『氷の花火 山口小夜子』

午前中の回だったので空いてるかな、と思ったがほぼ満席。しかも僕ぐらいの年齢層はまだ若い方かも。ちょうど山口小夜子と同じ世代の人たち(ぼくより一回りぐらい上)の女性客が中心。若い女性もちらほら。 作品自体はとてもよく出来ていて感銘するところが…

日本経済新聞社編『中国バブル崩壊』

中国経済・社会について多数の記者の取材と記事で構成された読み物。中国政府の規制と特定分野への「産業政策」的投資誘導が歪みを蓄積していき、やがてその分野の期待収益率が低下することで「バブル」の崩壊の危機。それをふせぐために連続的な金融緩和と…

市川崑『女王蜂』再見&岸惠子『30年の物語』

amazonプライムで『犬神家の一族』がタダだったので久しぶりにみて、そこから市川版の金田一物を続けてみている。市川&石坂コンビの『女王蜂』は30数年ぶりにみたけど、岸惠子の映画なんだな、と思った。今の僕より若い岸惠子はとても美しく撮影されていて…

NGT48についてのメモ

公式HP https://ngt48.jp/ 公式twitter https://twitter.com/official_ngt48 公式youtube https://www.youtube.com/channel/UCIfuY0NRq1szr_6tzFy23NQ【日刊SPA!】NGT48お披露目イベントレポ&全メンバー個別顔写真紹介!センターは新潟市出身の“かとみな” h…

『福田徳三著作集』全20巻発刊!(田中秀臣は最終巻『現代の商業及商人』担当予定)

明治末期から1930年までの日本の経済学をリードし、代表した経済学者福田徳三。その偉大な業績を「著作集」ではありますが、重要なものはほぼ網羅して現代の読者に届けるという、これまた最近の経済学関係ではみられない偉業の開始です。日本の福祉経済学の…

三浦小太郎さんとアベノミクスをめぐる会話(メモ)

今日はたまたま三浦小太郎さんと少しお話しする機会を得ました。「会話」というよりも三浦さんのご意見をお聴きする一方でしたがとても参考になりました。 三浦さんは主に、1)アベノミクスについて田中たちはもっと発信すべき。特に何がいまの日本経済で問…

日本銀行の政策決定の評価(2015年10月30日)

さて今般の経済指標と日銀の今日の政策決定を、以下の視座から評価すると、1)コアコアCPIや雇用は改善が続く、2)しかし消費の減少が続き、「イワタ式景気予測」などの先行判断では悪化。3)日銀のコアCPI目標とリフレ派のコアコアCPI目標のずれと、その…

リフレ派の経済学「基本」型のご紹介

いわゆる「リフレ派」とは、デフレーション(物価の持続的下落)による経済の不安定化を、低インフレにすることで経済を安定化することにある。 ここでいう低インフレとは、だいたい1〜3%の間とされ、経済指標ではコアコアCPI(生鮮食料品とエネルギー関連…

動画配信『進撃の巨人』で水原希子が噛むのは林檎ではなく、カリカリ梅にすべきだった&三浦春馬論フルスロット

昨日行われたトークイベント「『進撃の巨人』のすべてを語る』(於:荻窪ベルベットサン)出演:古谷経衡、西田亮介、須藤櫻子、田中秀臣 の動画を以下に配信します。前半の途中で画像がとぎれますが、10数分後あたりにとばせば続きが見れます。http://www.u…

西田亮介『メディアと自民党』

21世紀に入ってからの自民党のメディア対策が、新聞・テレビからネットにまで拡大し、それなりの成果をあげていることがよくわかります。いままでこの分野の展望を与えてくれる本がなかなかなかっただけに実に有益です。データを利用し「イメージ政治」を構…

11月14日土曜午後7時開演:PIP(ぴー・あい・ぴー)リリイベ後夜祭(非公式)ー就職とアイドル、そしてひとり親問題から『エヴァンゲリオン化する社会』までー:出演 常見陽平、豊栄真紀(PIP)、山下緑(PIP)、田中秀臣

楽しかったアイドルグループPIPのリリースイベント。 その思い出と成果、そして今後のPIPについてを、PIPのふたりと気楽に語り合います。そして常見陽平さんの参加! 話題はもちろん、就職問題、そしてアイドルの生き方(アイドルのいまとそしてアイドル後の…