上念司『地方は消滅しない!』(宝島社、木下斉執筆協力)

 僕らの最新刊も地方経済を重要なテーマにしていて、それと同じタイミングで出版された上念さんの新刊は、木下斉さんの協力もあってか、非常に個別具体的なものと、一般論が適度にブレンドして、本当に勉強になる一冊。

 いわゆる「増田レポート」(増田寛也『地方消滅』(中公新書)の元)にあるような人口減少=地方の危機、それを救済するには国の介入による地方活性化政策、という命題に、上念さんは真っ向異論を唱えます。具体的には人口減少事態は「悪」でもかならずしも経済停滞を招くものではない(というか関係ない)、また国の補助金による地方活性化政策はむしろ地域経済に中長期的な負担をおわせることで停滞をふかめる原因になる、という主張をし、補助金によってむしばまれた地方経済圏の実例や、また反対に民間主導での地域活性化事例などもあげて自らの主張を裏付けています。実に面白く参考になります。

 僕らの方は人口減少についての見解は上念さんと同じで、地方へのバラマキ的な補助金政策についても反対です。規制の緩和や民間主導の地域活性化は僕らの本の中ではメインではないですが基本的に賛成です。ただし補助金については、移住補助金政策については賛成しているので、そこが上念さんと違うか、またはある程度補完できる話かもしれません。

 いずれにせよ、シャッター通り仮説の検証、また高知市などの事例も興味深く(なぜなら職場が近い前橋市と高知が似ているため)、この本をもとにして自分なりに今後も地方経済を分析していこうと思いました。

地方は消滅しない!

地方は消滅しない!