先日のトークイベントで会場から出た質問に、「憲法学者の小林節氏はなぜ憲法解釈を変えたのか。変えるのはいいかもしれないが、それならばきちんと理由を説明しないと専門外の人には理解できない」旨のものがあった。僕はこれについては尋ねられたわけではないので答えなかったがちょっと気にかかったのでいくつかメモとして。憲法解釈と現実の適応が緊張関係にあったり、両者を別物と認識した上で議論することは、昔の憲法学者(佐々木惣一など)では当たり前であった。だが、この質問のケースはそれとは異なり、憲法解釈自体がなぜ小林氏の中で変化したのか、というものである。先の佐々木らのケースは憲法解釈には変化はない(現実への適用時に法解釈をそのまま当てはめるのは慎重に議論すべきだ、といっているだけで憲法解釈に変化はない)。
いくつかこの問題を扱った論説があるようだ。
長谷川幸洋「反安保の急先鋒となったあの憲法学者の「いかがわしさ」を明かそう 〜わずか2年前は「解釈改憲論者」。だから彼らを信用できない! 」
http://bit.ly/1FwX7yG
ちなみにネットでは僕が小林氏の発言の変化に注目するだけで誹謗中傷をする人がいて興味深い。それだけその種の人にはなにか「刺激」を与えるのだろうか(笑。なんでもこの問題を扱うには憲法の教科書を読まなくてはいけないそうなのだが、毎度、その種の発言をいっているネット匿名さん自身の教養が低いので、たぶん大学の教養課程だとか、「政治経済学部」出身だとかに十分に配慮がいってないのだろう。そしてその種の発言をする人にかぎって当然に憲法の専門家でもなければ、また教科書すらろくに読んでない。毎度だがやれやれである。
小林氏の著作は読んだことはないが、以下に僕がよんできた憲法の教科書をあげておく。古いのはしょうがない(笑。その他の最近の憲法論などは拙編著『「30万人都市」が日本を救う!』(藤原書店)を参考のこと。ちなみに法学部の司法試験コースの憲法だけを受講したほど、憲法大好きだったw(学内短答式模試もやったら上位成績者だったw。でも司法試験受験を考えてたわけではなくあくまで憲法好きだっただけw)

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