付利撤廃&マイナス金利についてのメモ

 付利撤廃やマイナス金利についても一昨日のトークイベントや、上念・片岡・田中の公開講演会で話題になりました。付利(短期金融市場への補助金)撤廃や、マイナス金利(超過準備への実質的ペナルティでの金融機関へのポートフォリオリバランス効果を狙うもの)については、安達誠司さんの次の論考が理論的・事実提示でも参考になりますね。

日銀の追加緩和は手段に注目!
「付利撤廃」と「マイナス金利政策」をどう考えるか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45720

上念さん、片岡さん、僕、そして安達さんたちはそれぞれ付利撤廃やマイナス金利量的緩和的な手段の代替になる点では懐疑的でした。

対して飯田泰之さんは先のトークイベントではこれらの政策を「レジーム転換」的な意味、つまり何がなんでもインフレを実現することにコミットする点において効果があると主張しています。対して量の効果は限定的とも。

私見ですが、上念さん、片岡さんの公開講演会でも話しましたが、新規国債の発行の工夫はそれこそ復興増税をやめて復興国債を発行したり、消費増税をやめることでの数年間の社会保障分の補てんのための国債発行を引き受けることで量的なマーケットを拡大することは可能だとおもいます。年限を延長する超長期国債の発行もあるでしょう。さらに片岡さんが指摘していましたが、流動性の点で問題はありますが、財投債や地方債を買いオペの手段にすることもできるでしょう。

さらに量的な手段の代替になる点については僕は懐疑的ですが、もし上記のような量的手段とともに行うのであれば付利撤廃やマイナス金利の「レジーム転換」的な効果はあるかもしれません。

また本当にレジーム転換的なものを狙うのであるならば、1)政府の2020年名目GDP600兆を実現するための協調にコミット、2)日銀法改正、3)1)のために来年は2%以上のインフレ目標の許容を認めることなどが必要になるのではないか、と思います。