なぜ日銀は追加緩和しないのか? 答:増税決断待ちだから(?)

 なぜ日銀は追加緩和しないのか?

 答は、どうも安倍首相が消費税増税を決断するのを待っているようである。

 だいぶ前に僕はTwitterで以下のようなことを書いた(今年の4月初め)。

https://twitter.com/hidetomitanaka/status/454038778705743872

追加的な金融緩和をすることが、消費税増税8%から10%に上げるシナリオを危険にさらす、という政治的打算が、黒田日銀にはあるように思える。もしこの疑いが正しいならば、危険にさらされているのは、国民なのだが。

この点をさらに考察したのが、長谷川幸洋さんの論説だ。
政府もIMFも弱気なのに、日銀だけはなぜ強気なのか? 現状維持政策の読み方
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40720

僕や長谷川さんの読みが正しければ、まさに国民生活を人質にとっていると処断せざるをえない。しかし日銀の表向きの理屈は、雇用指標のいまや一本頼みである。すでに多くの経済指標が悪化している(悪化しすぎている)。

財務省が消費税増税の影響は、同額の財政出動を行えば消えるとした「財政均衡乗数」仮説は明白に否定されている。異常気象もデング熱のせいにするのもただの責任転嫁の詭弁だろう。財務省ではともかくいい指標探しに邁進しているようだが、あまりやりすぎてしまい、まもなく国民の多くは財務省、それに依存する政治家たちの具体的な批判・非難に移っていくだろう。国民生活よりも、増税に詭弁を弄する財務省官僚こそ日本に巣食う腐敗せる精神の毛虫である。