村田沙耶香『殺人出産』

 村田沙耶香氏の作品は、坂上秋成さんが『ハコブネ』の書評を『週刊読書人』に書いたのを読んでから注目していた。世評の高い『殺人出産』をようやく読了。「殺人」と「生命」に対する価値観をずらすとどういうことが人間の関係でおきるのか。小説として純粋に楽しめた(特にラストの描写が並みのスプラッタームービーより怖い)が、同時に「狂気」と「狂気の評価」のずれを考えるきっかけになる作品。

参考:【SYNODOS】「自分の闇よりも深いものに祈る」――小説家・村田沙耶香の描く孤独/荒井裕樹×村田沙耶香 http://synodos.jp/info/9983

殺人出産

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