2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

片岡剛士「失われた20年」

先日、一部分を掲載した小冊子「機」に掲載された、片岡さんの処女作『日本の「失われた20年」』についてのエッセイ全文です。日本の失われた20年 デフレを超える経済政策に向けて作者: 片岡剛士出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2010/02/25メディア: 単…

「クマちゃんでお願いします」(山形浩生)

「クマちゃんとウサギちゃん、どっちがいいですかぁ?」山形浩生「クマちゃんでお願いします」 詳しくは以下の雑誌の後半にNEW MODEL MAGAZINE X ( ニューモデルマガジン X ) 2010年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 三栄書房発売日: 2010/02/26メディア: 雑…

感想・意見・ネタ投下などのコメントはTwitterで→やはりコメント欄はそのまま(3月5日記)

ブログのコメント欄のチェックとTwitterでのレスとが重複していたり、また二重の確認をするのも大変になってきましたので、もしこのブログの記事でご意見・ご感想・ネタ投下がある場合は、以下の僕のTwitterにコメントつけてくれると幸いです。このブログの…

片岡剛士『日本の失われた20年 デフレを超える経済政策に向けて』

片岡剛士さんの『日本の「失われた20年」』が届いた。下村治とケインズの経済学、さらに辻村江太郎の遺伝子を受け継いだ重厚な著作になっている印象。値段が高いのでネット住民の傾向(本読まず、他人の紹介で論じる安易な傾向とは真逆なのもいい。本物の…

「海の国」vs「陸の国」(水野和夫・若田部昌澄対談)

『公研』2月号に面白い座談が掲載されていた。経済を文明史的な観点から面白く話すことができると定評がある水野和夫氏と、やはり重厚な史観をもちつつもマクロ経済政策の重要性を強調している若田部昌澄さんとの異色対談である。しかもかなりの紙数を割い…

片岡さんの新著出る

河上肇賞の本賞を安達誠司さんに続いて二人目に受賞した本格的な経済論ー片岡剛士さんの『日本の失われた20年 デフレを超える経済政策に向けて』が今日から店頭に並ぶそうです。非常に楽しみですね。日本と世界の経済的な連関も視野にいれた骨太な論説になっ…

坂本龍馬の経済思想

NHKの大河ドラマ『龍馬伝』がやはり面白い。長年の龍馬フリークである僕も久しぶりに龍馬熱が復活してきた。ところで龍馬は「海援隊」を今日の「会社」の先駆として設立し、貿易を立国の基礎と考え、また対地域政府との賠償交渉など民間レベルでの経済問…

ジョン・B・テイラー教授講演「脱デフレ処方箋〜中央銀行の過ちと金融政策」

FACTAから案内をいただいたので、最近の同誌のまっとうな日本銀行の政策検証に敬意を表する意味もこめてご紹介。 申し込みなどは以下からhttp://facta.co.jp/taylor/ 2010年3月18日(木) 会場:東京・有楽町マリオン「朝日ホール」13:20 開場・受付開始 14:…

ポール・コリアー『民主主義がアフリカ経済を殺す』

頂戴してからちょっと時間が経過してしまいました。ありがとうございます。山形浩生さんがビジスタニュースで批評されていますので詳しくはそちらをご覧いただいたほうがいいかと思います。意外と読むのに時間がかかってしまいました。僕が面白いかな、と思…

渋滞、投資、バブル

ちょっとした依頼で渋滞について経済学ぽく考えた(ぽい、に強調)。特に高速道の渋滞。日常的にも利用しているので経験値は豊富であるw。以前、柳川範之氏らの『経済の考え方がわかる本』(岩波書店)で、やはり渋滞の高速道路の話題がでてきて、どの道を…

片岡剛士『日本の「失われた20年」 デフレを超える経済政策に向けて』紹介文

第四回河上肇賞本賞受賞作をもとに全面改稿した大作の刊行が来週に控えている。直近の事態を実証・理論両面からきちんと分析した本格的なマクロ経済論の登場であり期待が高まる。 予約の頁はこちら。 というわけで今回は著者が小冊子「機」に書かれた自著に…

日本の“第一線”の経済学者のありよう

http://twitter.com/iwmtyss 岩本康志のインフレ目標をネタにした寄席をみて、本当にこんな揶揄ではなく、公に批判したり、自分の主張(流動性デフレの罠では金利上げも選択肢としてありなど)として提言すればいいと思う。勝間さんがどうだこうだと陰湿な揶…

中山智香子『経済戦争の理論』

御本頂戴しました。ありがとうございます。正直、何が書かれているか十分に理解できませんでした。すみません。経済戦争の理論―大戦間期ウィーンとゲーム理論作者: 中山智香子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2010/02/13メディア: 単行本 クリック: 5回こ…

最近の若者論の二類型

本当に雑談だが、ネットの世界は所詮、新卒市場には冷たいし(どうひいき目にみても普段から精力的に書きこんでるのは既卒者w)、ましてや無名校(日本の多数だが)の学生の現状へのシンパシーも関心もほとんどない。それは残念なのでぜひ少しは無名だけど…

中村宗悦「「高橋財政」に関する新聞論調」

『歴史評論』の3月号は、1929年世界恐慌と日本社会の特集である。正直、中村さん以外の論文の日本語が非常に読みにくい。また歴史分析とはいえ、経済問題を扱う上での論者たちの分析ツールがどうも僕の持っているツールと違うような気もする。経済思想史研究…

勝間和代・宮崎哲弥・飯田泰之『日本経済復活一番かんたんな方法』

御本頂戴しました。ありがとうございます。デフレ不況脱却のための方策をクリアに説明している点で読まれていくのではないかと思います。ただ水を大量にさすようで申し訳ないけれども、『日本経済復活一番かんたんな方法』を半分まで読んで、ちょっと急停止…

藤原書店、こころに残る一冊

藤原書店も今年で20周年だという。(あとで紹介したいが)片岡剛士さんの河上肇賞受賞作である重厚な本格的経済論を近く出版する予定であるなど、出版不況の中にあってますます独自の位置をしめているように思える。以下はその記念の小冊子のために書いた短…

100を軽く超えるはてブとコメントに感謝

まさか、こんなに支持していただけるとは思いませんでした。大変感謝します。ただ昨日のエントリーにも書きましたが、かなり実現のハードルは高いように思えます。それでもいろいろ試行錯誤していきたいと思います。経過報告は逐一しませんが、ダメだったと…

『エコノミスト・ミシュラン2010』を希望する人は…

希望する人は、はてブやコメントをつけよ。1週間以内に総数が100越えたら、それ説得材料(?)にして太田出版に掛け合うぜよ(なぜか龍馬伝風*1Twitter読んで以下の発言にプチ驚いた。まだ本見てないけど、そんなこといってるのw uzu_are 私も熱烈希望で…

日本のブログ力:経済問題(翻訳篇)ベスト100+α

いいかげんな一部分の翻訳で人をミスリードする人たちが日本では多くの読者を集めている。しかし注意深い人=騙されない人たちは、日本のブログで海外の情報を適確に訳し紹介しているものが多数あるのを知っている。以下ではそういうブログやHPから翻訳(…

池田信夫・池尾和人(池池コンビ)の発言チェックリスト

備忘録として作成続行。求む情報。正直いってふたりの発言は稀にしか読まないので。●最近のIMF論文について、インフレ目標4%は誤読(池田の発言、池尾の発言)反論 http://mathdays.blog67.fc2.com/blog-entry-1016.html 証拠1 http://d.hatena.ne.jp/koi…

藤田菜々子『ミュルダールの経済学 福祉国家から福祉社会へ』

御本頂戴しました。ありがとうございます。世界的にも稀なミュルダールの経済学を扱った単著で、今後の研究の重要な参照軸になる功績だと思います。本書はまずいミュルダールの人と業績を時代的な背景の中で簡潔に論じたうえで、ミュルダールの重要なふたつ…

ともかく企業を丁寧にサーチすること

今日は企業説明会に参加した。来校していただいた企業や団体のみなさんには本当に感謝したい。また学生たちも例年になく真剣に取り組んでいて、いままでみた中で面談に濃密な時間が流れていたように思います。やはり現在の三年生の就職状況が厳しいことの反…

ハイパーインフレかデフレか(カントリーソング)

こんなの見つけた。岩石理論がお好きな人は特に涙なしでは聴けないはず 笑

山口広秀日銀副総裁の「嘘」と分裂気質的姿勢

ちょっと前になるが衆議院の予算委員会で、民主党の池田元久議員の質問に対して、日本銀行の山口広秀日本銀行副総裁は以下のような発言をしたとロイターは伝えた。http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK035953920100205 山口広秀日銀副総裁は衆…

マンガ批評マップ2010

ソフトバンククリエイティブのメールマガジン「ビジスタニュース」に寄稿した「マンガ批評マップ2010」が早くもブログに掲載されています。 http://bisista.blogto.jp/archives/1251935.html 思えば増田悦佐氏の本を書評してから5年ほど。去年はメビウ…

前島賢『セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史』

なかなかこれはストレートな題名の本ですねw どんなものか期待が膨らみます。編集担当の上林さんから教えていただきました。セカイ系とは何か (ソフトバンク新書)作者: 前島賢出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2010/02/16メディア: 新書購入: 28人…

ともかく毎月読むべし:岩田規久男『Voice』連載始まる

『Voice』三月号から岩田規久男先生の新連載「日本「低成長」脱出論」がいよいよ始まりました。ともかく多くの人に読んでほしい連載です。第一回はいきなり直球勝負で「景気低迷の真犯人を追うー構造改革はなぜ空振りしたかー」です。経済成長をもたらす要因…

『日本思想という病』でカットした部分

セミナー本体では話したけれども原稿収録時点で全体からちょっと浮くので削除した部分を以下にコピペ。この部分はある意味で河上肇と福田徳三だけではなく当時の経済学者の国家観や植民地思想との関係できわめて重要。韓国に対する二人の態度 皆さんご存知で…

『日本思想という病』

『日本思想という病』はシノドスのセミナーをもとにしたものなので実は僕は完成してから初めて全体像を把握した。別に論者五人が協議したわけでもないのに、見事なぐらいに戦前から今日まで続く日本思想の問題点が重複することもなく描かれていて参考になる…