2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雇用の流動化を巡る論点

demianさんによるネット上の論争点まとめ 雇用の流動化論や派遣切り問題に関して勉強になったエントリ http://d.hatena.ne.jp/demian/20090131/p1

駒村康平『大貧困社会』

ここ数年読んだ新書の中でもベスト5に入るきわめてすぐれた著作。構造改革路線(小さな政府と規制緩和=トリックルダウン方式)への対抗軸を出しているし、本書ではほとんど重視されていないが、マクロ経済政策(リフレ政策)とも調和できる見解だと思う(…

河上肇賞授賞式ほか新年パーティーラスト

今日は私学会館で河上肇賞の授賞式に出席したあとに、藤原書店の新年パーティーに出席。春節の新年会のようですね、この時期だと 笑。パーティーの方は、山田鋭夫先生、古賀勝次郎先生にお会いできたのが嬉しかったです。 河上肇賞は片岡さん、平山さんに祝…

石渡嶺司・大沢仁『就活のバカヤロー』

かなり期待して読んだんだけども、正直使えない。たぶん就職市場の「本当の姿」を面白いエピソードを豊富にそれらしく描いているんだろうけれども、例えば大学関係の記述については、いかにも表面的なものでしかない。 本書のまとめによると「多くの大学関係…

口が悪いから誠実なのねw

http://blog.sponichi.co.jp/writer/writer40/imedia.shtml 彼らは総じて口が悪いのですが、その分、知的には誠実な人が多いので 口の悪さが気にならなければ、覘いてみるのもいいかもしれません。 ひ、ひどいw

速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』

ITOKさんのコメントから刺激されて版元におねだりして献本いただきました。ありがとうございます。意外なことに、速水先生のこの著作が日本で最初のスペイン・インフルエンザの本格的な研究だそうです。僕の祖父母は「スペイン風邪」の記憶を持っていて、「当…

英語で読めるリフレ派基礎文献(追加)

『昭和恐慌の研究』のダイジェスト版 Lessons from the Inoue Zaisei and the Takahashi ZaiseiTwo Decades after the Plaza: A Package of Mixed BlessingsJapan’s Great Recession (Yutaka harada &Shigeki Onishi ) The Role of Preconceived Ideas in M…

現代経済思想研究会サイト

いまの時代の経済思想とは何でしょうかね? ノイズにならないことに気をつける自制の精神とか 笑。ともあれ経済思想の情報源として、いいハブになることを期待しています。 http://econthought.net

モーニングツー立ち読みしたらワロタ

マンガ読み続けて(たぶん)47年くらい。ついに我輩の名前がマンガ雑誌の一角、いや、マンガ雑誌のハートの一角に 笑とりあえず読まないと氏刑。昆虫探偵ヨシダヨシミ (モーニング KC)作者: 青空大地出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/22メディア: …

ミス日本がリフレ派になった件について

http://www.j-cast.com/tv/2009/01/28034331.html とりあえず、モリタク先生から急ピッチで隔離の必要があるでしょう 笑。 まあ、モリタク先生は「異端」とかいってますが、あくまで日本という特殊なガラパゴス的風土と、モリタク先生の脳内の中でだけであり…

平常へ

ほぼ1週間かかったけれどもようやく元の状態に回復しそう。それでも今日の講義は、マスクしながら話していたら息が苦しくなってきたけれど 笑。寝込んでた間に、オバマ政権が誕生し、日銀はCP購入したり(笑)、中国は予想以上に落込みそうだし、いろいろ…

書評:『史上最悪のインフルエンザ』

背中が痛いですね 苦笑。以下は数年前に書いた書評。書評(『週刊東洋経済』掲載)『史上最悪のインフルエンザ』アルフレッド・W・クロスビー 史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック作者: A.W.クロスビー,西村秀一出版社/メーカー: みすず書房発…

『環』特集:世界大恐慌か?

藤原書店の『環』36号が届きました。ありがとうございます。同誌に「世界同時不況をめぐる「危機的状況」」を寄稿しました。よろしければご参照ください。今回の世界大恐慌特集で読むべきものは、若田部昌澄さん「世界大恐慌の教訓」(語りおろしで非常にわ…

インフルエンザにはご用心を

21日から急速に体調が悪化して、インフルエンザに罹患してしまいました。まだ微熱があるのですが、締め切りが一件(某誌に山形さん訳の『服従の心理』の書評を書いた)あったのでそれを若干意識朦朧(笑)の中でこなしたついでに、ブログの方も久しぶりに更…

デザイン変更かも

インフルエンザの最中に見た夢をもとにしてデザインを代えてみました…なんて 冗談で蝶とお花畑にしたらしょぼついた目にきついことが判明したので変更しました。もっと落ち着いたものに。

ドクトル・ピノコじゃなくて、仁科桜子『病院はもうご臨終です』

編集の上林さんから頂く。どうもありがとうございます。 本書で一番興味深いところは後半の医者の人生双六と、医局独裁体制崩壊を扱ったところである。数ヶ月前に医者の皆さんと議論する貴重な経験があり、そのときに「白い巨塔」の世界が急速に崩壊している…

クルーグマン最適財政政策など

伊藤元重先生のご提案。 消費税10%で日本を救う法 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090114-00000001-voice-pol :そこで、1つの政策のアイディアを考えてみた。この政策を実行できるかどうかは別として、こうした方向で政策を考えたらよいとい…

『週刊ポスト』コメント

「「株」も「為替」も大ハズレ!景気予測アナリストたちの通信簿」で「通信簿」に総評を加える。 やはり世界同時金融危機をほとんどのアナリスト、エコノミスト、経済学者もろもろが予測できなかったことに対する世間の興味は大きいのかもしれない。講談社の…

丹野さきら『高群逸枝の夢』

松尾匡さんの『商人道!』と第三回河上肇賞奨励賞を分かち合った著作が大幅な改定を加えて出た模様。所用で藤原書店に本日いったときにできたてほやほやを献本いただきましたどうもありがとうございます。 高群の業績を「恋愛論」などいままで無視されてきた…

清谷信一『ル・オタク フランスおたく物語』

10年くらい前にでていたものの文庫化。文庫化にあたって「ル・オタクその後」を収録した拡充版。昔の版は(アメコミ論争でこの世界に首突っ込んだ)後発組の僕は最近古書店で手に入れて読んだばかり。あれはあれで表紙が面白くよかった。フランスへのアニメ…

池・池コンビよ、どこへいく?

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090118#p1 ネット(ブログのどこか)とリアル(週刊ダイヤモンド)のコラボですか。 いずれにしても事実と単純に違うことは、個人ブログはともかく、週刊誌の編集がちゃんとしないといけない。

スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学 一日だけのギャング・リーダー』

つ、つかれた〜〜〜。あやうく珍しい二日続けての日記オチになるところだった。昨日も仕事と早寝でごちゃごちゃ、今日は朝4時半に起きて試験監督のお仕事で日が替りそうないま帰宅いたしました。ちょっと肉体的にグロッキー(死語)。 そんな中、若干疲れを…

デフレとリフレと再分配

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20090115 finalventさんの疑問に簡単に答えるコーナーです。 深刻な不況に、積極的なマクロ経済政策(もちろん政府や中央銀行がお金をいじる=金融緩和政策や財政政策のこと)が納得できない、理解できない、支持できない、…

内部留保で一時雇用も、失業保険で対応でも同じではないの?

年末の討論番組に出てとりあえず切り返しておいた、企業の内部留保を使って企業は社会的責任を果たして自主的に非正規労働者の雇用を維持しろ、という話。 ちょっ試しに考えてみたんだけれども(モデルが好きな人はクルーグマンの流動性の罠モデルでいいと思…

リフレ派はこの件について立場を明確にしていない? まさか!

鼻血ブー

リフレ派は再分配に関して態度を明確にしていない? まさか!

そもそもリフレ派というのは日本が長期デフレ(不況)状態から脱して安定的な物価と経済成長を達成することを望んでいるグループのことを指す。この「リフレ派」という名称を僕が愛用している理由は、戦前に石橋湛山がデフレ脱却のためにインフレを実現する…

渡辺喜美離党ネタと「定額給付金みたいな簡単バラマキ政策もできないんならあれやれこれやれ公共事業その他の財政政策も結局、政治紛争の種になって何も決まらずに、ただ逆バラマキ税金=消費税が将来上がるのだけが決まったり、どんどん不況は深刻化してく罠」

エントリー題名で尽きているのですが(マンガネタかいてたらだんだん頭にきてきて 笑 ついご愛嬌でエントリー題名を長くしてみました。2時間ドラマのタイトルみたいですねえ〜〜)、まあ、別にこの渡辺氏になんの思いいれもないんですが、ちょっと去年の年…

竹内薫「引用禁止のSFマンガ」

最近、経済系ブログがマンガ系ブログよりアクセス数が少ないのは経済問題がどうでもいいからみたいな趣旨の発言をいわれて(いった本人は気がついてないでしょうがw)、正直、ガクッときたのと同時に傷ついている田中です 笑。まあ、そんなこといったらしょ…

若田部昌澄「日銀の失政は明らか」(『Voice』2月号)

『Voice』2月号頂戴しました、ありがとうございます。本号は、オバマ政権への期待みなぎりまくるクルーグマンのインタビュー、上野泰也さんの連載、暗黒卿の僕は関心がない道州制、山形浩生さんのタバコ文化論などがあるけれども、とりあえず若田部さんの論…

書評:『前川春雄 「奴雁」の哲学」

先週の『週刊東洋経済』に掲載されたもの。日銀に好意的であるだろう評伝を書評してもなぜか日銀批判になっているところをわかっていただければとーー書評本体ーー 前川春雄元日本銀行総裁の生涯とその思想を包括的に描いた評伝である。前川が日本銀行に入行…