2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

これが本当の「クルーグマンの背理法」

「背理法」といっても別に数学の背理法ではなく、特別な経済モデルに依存しないで、ほとんどの人が納得「せざるをえない」論法のことです*1。クルーグマンの「流動性の罠」論文が非常に難しいとお感じの人は以下の岡田靖さんの英語論文を読むことをおススメ…

取締役梅田望夫氏の発言を読んで(はてブ料金制のすすめ)

http://twitter.com/mochioumeda/status/996601415 はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。本を紹介しているだけのエントリーに対して、どうして対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分…

菊池正俊『お金の流れはここまで変わった!』

僕にとっては非常に参考になった『外国人投資家』(洋泉社新書)の第二弾とでもいうべき好著。本書は最近の金融危機前後の状況を踏まえて、原油、食品、株式、債券、不動産などの取引や保有形態について初心者にもわかりやすく説明している手ごろな概説書で…

こんなHatena(はてな)は嫌いだ!!

TopHatenarの「性」ランキングで、経済系ブログなのになぜか上位にいるオレっていったい…。 http://tophatenar.com/tag/%E6%80%A7

門倉貴史『セックス格差社会』

働きすぎを解消すれば、僕も年間77.4回セックスの回数が増えるそうですよ(爆) まあ、冗談はこれくらいにして本書は上記したワーカホリック、貧困、感情や価値観、そういった諸要素を経済的な切り口から性行為にかかわる問題(セックス、セックスレス、ED、…

書評マーケティングの弊害

栗原裕一郎さんの至言 http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20081110/1226249533 まあどこかの取締役氏とどこかのアルファブロガー氏のタッグのように、内容紹介もロクにせずひたすら主観的に煽るという書評マーケティングが最近は流行っているようですが。 僕…

僕が噂で聞く一知半解な人

いつも頂く『Voice』12月号。ありがとうございます。しかし今回の号も充実ですねえ。 ところでとりあえず山形浩生さんの「クルーグマンの景気回復策」。 「そしてインフレターゲット論を口を極めて罵っている一知半解な論者が、ブログで実質金利をマイナスに…

内容無保証:諧謔的?金融危機用語集

『週刊ポスト』の記事のために作成した元原稿。前の日に打ち合わせの飲み会(田中本人は打ち合わせと思わず旧知の編集の人とのただの飲み会だと完全に緩んで出たw)で、うんで400字で10枚くらいで金融危機の用語集の下敷き(ラフ)にしたいので「おっさん向…

いま読んでいるミクロ経済学の教科書

ちょっと必要あって読んでいるミクロ経済学の初級と中級レベルの教科書なんですが、僕は数理的な傾向のものよりもこういうシカゴ学派仕立というんでしょうか、実例に応用したものが好きですね。Exchange and Production (Study Guide)作者: Armen A. Alchain…

原田泰・神田慶司『物価迷走ーインフレーションとは何か』

ご恵贈いただきました。どうもありがとうございます。先月終りから今日まで個人的に「原田泰祭り」状態な田中ですが、この新刊も興味深いテーマで、いまの「仮装インフレ+実相デフレ」(簡単にいうと石油・食料品高く、懐さびしい)がどのように金融政策に…

ブログモードにした→やめた

ぶく魔に固定客の方から「ブログモードにして」というご意見をいただいたのでとりあえず変更しますた。Permalinkが嫌いな言葉ですがw まあ、支障がなければこのまんま東で。→あれれ、日記モードにしたのをブログモードにすると過去のブクマが全部消滅。それ…

デフレリスク急接近中か?

Bloombergから Japan May Cancel February Auction of Inflation-Linked Bonds http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aarAix71SwyQ Ten-year inflation-linked securities yield about 191 basis points above similar-dated conventiona…

小田切博の「キャラクターのランドスケープ」

小田切さんがWIERD VISIONで連載開始。第1回は「ポケモン」はどこから来たのか? http://wiredvision.jp/blog/odagiri/ 小田切さんはこのブログというかアメコミ論争でとばっちり(笑)をうけてからお知り合いになれた、田中的にはブログやっててよかったな…

映画『イーグルアイ』とフリーター、派遣

かなり前から映画館で予告編を流してた『イーグルアイ』をたまたま時間の隙間が合ったので見た。映画自体は予告編を出るものではないが(つまり予告編を凝視すればすべてネタがわかる)、見ていて損な気はあまりしなかった。特に感想はそんなものだったけれ…

不況対策としての世界的な競争的リフレ政策に乗り遅れる日本

英中銀が予想外の150bp利下げ、政策金利は50年超ぶり低水準に http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34774620081106 ECB、主要政策金利を50bp引き下げ http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34774520081106 そして日本は予想…

なんとなく細かいところが気になる日本経済新聞一面とIMF世界経済見通し

一面はIMF世界経済見通しと欧州中銀・イングランド銀行の利下げをうけての記事。リードには「欧州中央銀行(ECB)は0.5%、英イングランド銀行が1.5%の利下げを決定。利下げで先行した日米に足並みをそろえた」とある。細かい(といっても一面なので意義は…

130万アクセス

お昼ぐらいに130万アクセスにいきました。ありがとうございます。お盆明けからアクセス数が急増していますが、金融危機を背景にしてのことだと理解しています。このブログも最近は経済関係ばかりで、韓流だとか、アメコミ(マンガ)だとか、ベンガル猫だとか…

筑紫哲也とミルトン・フリードマン

筑紫哲也氏がお亡くなりになった。ご冥福をお祈りしたい。80年代終りから07年まで彼のNews23はやはり日本の言論界に大きな影響を持っていたろう。筑紫氏の業績は今後さまざまに議論されるだろう。以下は、このブログでただ一回だけ筑紫氏の経済観について論…

平積みによくある恐慌本頂戴する(ソロスの再帰性)

多謝。いただいたのは、これとこれ。ちなみに数年ぶりにソロスの本を買ったけれどもあいかわらずそこでソロスの着想とされている「再帰性」って、ポパーの『歴史主義の貧困』とか読むと当時高校生だった僕も思いついたよ 爆。 もちろん正確にいえばただポパ…

マンガ論争勃発とわたし

田中、本日マンガ関係ではじめて取材をうけました。「この子はとても本を読む子なんですよ」と(マンガしか読んでなかった)小学生の頃の僕をよく人に紹介するときいっていた天国の(地獄かもしれんけどw)おばあちゃん。ようやくマンガが僕のネタのひとつ…

2008年下半期経済書ベスト4+1

そろそろ年間ベスト選出とかの時期が近いのですよ。一年というのは本当に早いですねえ。まあ、まだ二ヶ月ほぼ丸々残って超気が早いですが 笑。 上半期はこの本たちをおススメしましたとさ →これhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080625#p3 下半期は個…

オバマ砲なるか?

必ずしも経済学的ではないですが、オバマ氏の現状の政策志向(中産階層への再分配強化など総需要喚起を狙う政策が多そう)が一種のレジーム転換(わかりやすいのは資産価格や消費者の不安指数などの改善に表現されるんじゃないでしょうか)をもたらして、ア…

ハチワンダイバーと双曲線的割引?

ハチワン「も…もし…僕が…指さないで 今スグ帰ったら どうなりますか?」 マムシ「訊いて良かったな 上にバァさんがいたろ」 ハチワン「ハイ…」 マムシ「あのバァさんに首をヘシ折られる」 ハチワン「…………ウソだ…絶対…」 マムシ「おまえ ババァが全部弱いと思…

え〜これが「学会」のコンセンサスなんだ(主催がどこかご注意をw)

その昔、旧通産省の資金援助で『東アジアの奇跡』という本でて話題になった。日本をはじめとする東アジアの奇跡的な成長は、効率的な官僚組織の行う政策によって実現されたというシナリオ。特に典型的には、旧通産省の行った産業政策とかね。本当に世の中は…

万年危機論者の祝宴を覗き見て

最近、ある編集の方々から2003年時点で今回の事態を予測(予言と聞こえたんだけど勘違いだろう)したのは副島隆彦氏であり、従来の経済学にとらわれないからそのような予測が可能だったのではないか、ということだった。なるほどそのとき見せていただいた副…

ロス・ジェネの経済格差(メモ書き)

若年層における経済格差が深刻である、という。アルバイト、パートなどの非正規雇用の増加を背景に、賃金所得の格差が若年層で深刻化していることが主因としてあげられている。いわゆる「ロス・ジェネ」世代(つまり「失われた10年」といわれたバブル崩壊後の…

竹中平蔵、日本の経験と現在の金融危機とを語る

ラスカルさんに教えていただいたもの http://www.ft.com/cms/893ac9c8-757e-11dc-b7cb-0000779fd2ac.html

本当に組織防衛しか考えてない日本銀行

半端な利下げ、こすいぞ日銀(田村秀男) http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/m20081103005.html: 日銀は日銀券を刷り市場に流し込む。この上限を大幅に引き上げるのが量的緩和なのだが、そうするとコール市場では資金が余り、短期金利は下落を…

漫画高橋洋一!

メガワロス! 暗黒卿が漫画になってる。ぐるちい、氏にゅ…………はぁはぁ、『ベルセルク』を買おうとしてマンガ売り場にいったらなんかよくみたことあるおじさんの顔がマンガの山の中から浮かんできて、いよいよおいらも疲れがピークか、と思ったら、本当にマン…

疎外まみれの「はだかの王様」

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay_81101.htmlしかしブログでもやればいいじゃん。 これじゃあ、エッセーではなくただの「松尾匡の疎外日記」だものw:そうするとやっぱり「存在が意識を規定する」ってのか、さすがに温厚な私もこのかんの日銀のゴテゴテコ…