献本の予告をいただきました。嬉しいので前もって告知しますね。本自体は明日配本です。しかしこの世界金融危機の局面で、まさに時宜を得た出版といえるでしょうね。日本が変動為替相場制に移行してから最初の金融政策の成功例(というか現状まででは例外的な時期?!)として評価されている第二次石油危機のときの日銀総裁の評伝ですね。また個人的にはそれと相反する評価をしている「前川レポート」の「前川」でもあります*1。つまりは日本の経済政策に決定的な足跡を残した人物の評伝であり、興味深い内容になっているとのことです。
ちなみに第二次石油危機を乗り切った金融政策のポイントは、小宮隆太郎氏の評価によると二点でした。1)第一次石油危機の日本銀行の失敗を反省しマネーサプライ増加率に注意を傾注した、2)インフレ予想が暴走しないように期待経路に配慮した。ということでした。これを前川日銀はうまく行うことで第二次石油危機に克ったのです。
これは今回の世界金融危機にも当てはめることができるでしょう。日本の不況体質は、日本銀行の失敗にあるのでそれを反省し、マネーサプライの増加率に配慮して実体デフレ状態を脱却すること(=国民の懐を暖めること)、そして人々のデフレ期待を払拭する期待経路への働きかけ です。
手元に着いたら速攻で読みたいと思います。

- 作者: 浪川攻
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/11/01
- メディア: 単行本
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*1:前川レポートやそれの後継者たちへの批判は、http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080703#p1を参照してください