辰巳ヨシヒロ『劇画漂流』(上巻)

 本ブログではずっと追っている辰巳ヨシヒロ氏の名作といわれていたものが単行本化しました。これはいい作品です。なにか過ぎた時代の哀しさみないなものが物語の前半を覆っています。上巻では昭和24年から31年2月までの話が時系列に沿って描かれていて、日本における戦後漫画の出発からやがて「劇画」の誕生のプロローグまで描かれています。辰巳ヨシヒロ氏自身の自伝なのでファミリーロマンスとしても非常によくできていて戦後の家族の経験談としても読ませますね。下巻が楽しみです

劇画漂流 上巻

劇画漂流 上巻