Comic Nose
最近、読んだコミックで面白いなと思ったもの。 花沢健吾『アンダーニンジャ』。いよいよ話が本格的に動きだした(遅いw。最新6巻から後の連載中が面白い。 アンダーニンジャ(6) (ヤングマガジンコミックス) 作者:花沢健吾 講談社 Amazon 『怪獣8号』、…
表題作の「アガペー」をかなり前に読んだが、当時はデフォルメしすぎだろう、と思ったが、今読み直すとむしろ時代の典型的な空気感をつかんでいることに気が付く。新型コロナ危機に直面している現在からみると、遥か昔の現象のようにも思えてしまう。この短…
長く米国で愛されてきた新聞マンガ『ナンシー』の翻訳。日本の多くの読者には初めて触れる作品だと思う。僕も米国の新聞マンガの世界には疎く、『ナンシー』を読んだのはこれが実は初めてである。実は日本の新聞マンガにもあまり関心はない(そもそも新聞を3…
アンティファが話題になったので、Mark Bray の著作Antifaと、彼が序文をよせたGord HillによるコミックのThe Antifa Comic Book: 100 Years of Fascism and Antifa Movementsを読んだ。今回の抗議運動(一部暴動)へのBray氏の発言には前も書いたが浅薄さを…
第一巻に続いて80年代前半のシリアを舞台にした少年と家族の物語。やはり過酷な環境と異なる文化圏の多層的なエピソードに魅かれる。続巻が楽しみだ。特に若い世代に超お勧めのコミック。 未来のアラブ人2:中東の子ども時代(1984―1985) 作者:リアド サトゥフ…
中川祐子さん、そしてMCをしてくれた花海志帆さんと三人でお送りしました。 ひと昔半wほど前の「アメコミ論争」で得たものを現在まで伸ばして話したのですが、まあ、僕という人間からみた狭いwマンガの世界のガイダンスと思ってみていただければ幸いです。…
不気味な作品である。表層的には現代のさまざまな病理的現象が組み込まれている。ネット社会の病理的な側面、マスコミの病理、新興宗教的なものの病理、職場での薄っぺらいつながりと手のひら返しの疎外、身勝手な愛情の病理、殺伐とした郊外と室内の光景、…
フランスのマンガ(BD バンドデシネ)を久しぶりにいくつか読んだ。ジャック フェランデズのカミュを原作とする三作の翻訳が、『異邦人』をはじめにしてそれほど時間をおかずに出たことは最近では特に注目すべきことでしょう。 特に『最初の人間』は原作を読…
買いそびれていた『フリースタイル』を購入。数か月前にマスダさん関係のパワポを掲示してから、再びマンガやアニメ研究の意欲が沸いてきた。まあ、アイドル経済の研究は労働経済やこのマスダさん関係のそもそも派生だったのが、いつの間にか大きな柱になっ…
最近読んだマンガをまとめて。『冒険エレキテ島』は絵柄と美少女の絵を楽しむ以外のものは微塵もない。村上もとか氏の『フイチン再見!』は、昭和・平成の社会史をひとりの女性の一生を通して描いた力作であり名作。『龍 ron』の蓄積が活きてるのだろう。伊…
惜しくも造船疑獄で物語が終わってしまった。パンク風の下村治の登場など、これからむしろ経済ヲタク的には話が盛り上がっていくのに、リフレ的コミックにならずに終結。惜しい。ただしここまでの物語展開はマンガ的要素と現実の時代背景とを巧みかつ面白く…
お気に入りのBD作家バスティアン・ヴィヴェス の日本マンガの要素を取り入れたという作品。電子書籍で読んだが、なんど3,4巻はないのか。これは困った。 1,2巻はまだ物語の出だしという感じだが、少し冗長。どうも主人公は少年ではなく、その母親のよ…
椎名ゆかりさんの訳はどの作品も読みやすく、本作のように入り組んだ作品世界を読むときには特に助けになる。ゴシック・ホラー、スチームパンク、日本的な伝奇小説的雰囲気などいろんな要素が混在化して、グロテスクな世界像を生み出している。ただしヒロイ…
Comic NoseとはEconomicsのアナグラムである。Kindle版で日本のマンガを読むようになってしばらくたつが、本作は単行本で購入していろんな人に貸してもよかったかもしれない。 幼少期から思春期まで、エホバの証人の信者である母親に強く影響され、その信者…
偏屈で狂気じみた熱情をもつ地質・鉱物学者とその甥、そしてアイスランドで雇ったガイドの三人による地球の中心を目指す地底冒険譚である。原作はSFの祖のひとり、ジュール・ヴェルヌの作品。幼少のころに読んだきりの作品だが、それでも地底湖の恐竜たちの…
1980年代、モザンビークの社会主義政権は、外貨獲得のために若者たちを当時の「兄弟国」東ドイツに期間労働者として派遣した。この作品は、遠い異邦の生活で青春を送った三人のモザンビークの若者(男二名、女一名)に焦点をあてて、それぞれの人生がどう変…
久しぶりにまとめてテレビのシリーズ化されたアニメをみた。去年は「ソードアートオンライン」をまとめてみたぐらいでめっきり視聴が減ってしまった。夏にジョーン・ロビンソンの研究を福田徳三研究の穴埋めでやろうとしたら思いのほか面倒なことになってし…
kindle版で購入。最近は日本のマンガはkindle版か電子書籍で読んでる。しかしこの意表をついた題材とまた能條純一氏という人選。史実と虚構が巧みに重なって、とても面白い作品だ。その他に『空母いぶき』、『大奥』などを読んだ。『大奥』はいよいよ佳境。…
谷口ジロー氏の絶筆を含む、主にフランスでBDで出版された作品を中心にして、それ以外にも小泉八雲についてのすぐれた短編を含む良質のマンガである。 谷口ジロー氏については、「谷口ジローとメビウス」的な趣旨で論説を書くつもりが何年もたってしまった。…
福満しげゆき氏の作品の中で最も笑った。そしてエロさも感じる。これからの展開に目が離せない。 なお福満氏のエッセイには経済を扱ったものが多く、なかなか興味深い論陣を展開している。終わった漫画家(1) (ヤングマガジンコミックス)作者: 福満しげゆ…
経済書ベスト3で何人かの方々があげていて、この本は立ち読みを少ししただけで全部読んでないなと思い、さっそく読破。細かいところを抜かせばよくできていて感心。 マンガ的なケインズでは、ピーター ピュー&クリス ギャラットの定評のある『ケインズ』、…
twitterともうひとつのブログで、最近の映画『ワンダーウーマン』について小文を書いたのを契機に、懐かしいアメコミの話題になったので、2014年の春に行った上記のトークイベントで作成したパワポをここにフルで掲載。 なおトークイベント自体は、田中秀臣…
訳者の椎名ゆかりさんから頂戴しました。実にくだらないww。ここまで徹底していると本当に感心しますw。 ある意味、これは日常の無限の反復? ネタの反復を実験的に行った怪作であることは間違いないでしょう。冒頭の文章のみっちり書かれた「いままでの…
アメリカの郊外に蔓延する悪魔憑きと、それに対峙する「アウトキャスト」(はぐれ者)と神父の二人組。非常に殺伐とした心象風景と格闘を描いています。郊外の殺風景な風景、家族や地域社会の崩壊もこの悪魔憑きとエクソシスト(悪魔祓い)の格闘をよりダー…
元首相でアベノミクス的な政策を重視した池田勇人元首相の半生を、著名政治家や占領軍、さまざまな実名の黒子たちを登場させて多彩に描いていきます。ダイナミックな戦後政治史を漫画の特色を巧みに利用して読ませます。疾風の勇人(4) (モーニング KC)作者: …
ムダのない洗練されたバンド・デシネ。とても面白い。セルジュ・ゲンズブール バンド・デシネで読むその人生と音楽と女たち作者: フランソワ・ダンベルトン,アレクシ・シャベール,鈴木孝弥出版社/メーカー: DU BOOKS発売日: 2016/11/04メディア: 単行本この…
編集からお送りいただきました。これは面白い。ドッジ、シャープが登場して、まさに戦後経済絵巻物が展開。虚実まぜての展開とマンガらしいデフォルメ感も心地いいw。第三巻も楽しみ。しかしビジュアル化して思ったが、池田勇人、本当にあっという間に登場…
編集から頂戴しました。ありがとうございます。ツボにはいると面白い!西遊筋(2) (モーニング KC)作者: OTOSAMA出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/07/22メディア: コミックこの商品を含むブログを見る
池田勇人を主人公にした政治・経済マンガ、『疾風の勇人 所得倍増伝説』大和田秀樹(講談社)を頂戴しました。歴史的解釈はさておき、これはとても面白いマンガです。続巻が楽しみ。ドッジとのからみはどうなるか? 下村治もはよでてきてほしいw。若き大平…
1と2でも書いたことだけど、異なる価値観・規範を持つものとの対立と協調、それを疑似家族の成長物語の中で吸収していこうとする野心的な作品。まだ物語の出だしのようでもあり展開がますますよめない。サーガ 3作者: ブライアン・K・ヴォーン,フィオナ・…