2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨラム・バウマン(山形浩生訳)『この世で一番おもしろいマクロ経済学』

待望のマクロ編が出た。これは速攻で読むべき一冊。まずユーモアがあるw 本当にそうなんだよねえ、経済政策について時論もう10数年やってるけど、本書でいうところの「マクロの双頭の怪物」と延々戦っているわけでw しかもこの怪物には手下がかなりいて、…

川口有美子&大野更紗対談「生きのびるための、女子会」『現代思想』6月号

川口有美子さんと大野更紗さんの対談「生きのびるための、女子会」は、経済学に関心のある人は特に読んだ方がいいと思う。終末期における自己決定の不安定性、「マターナリズム」的な患者と家族の近さが招く問題、医師・患者・家族のリスク分担の在り方、尊…

岩田正美『現代の貧困』再読(その1)

数年前に、岩田正美氏とは東京河上会での公開講演会で同席させていただきました。そのときのテーマは河上肇の『貧乏物語』だったのですが、かなり僕なんかは“ふつうの経済学者”として、岩田氏にその場で批判されましたが、福田徳三の研究をやっていると言っ…

リブロ池袋本店でトークイベント開催!6月28日(木)片岡剛士×田中秀臣トークイベント 「円高・デフレ・失われた20年は自然現象ではない!」

『円のゆくえを問いなおす 実証的・歴史的にみた日本経済』(ちくま新書)の刊行を記念しまして、著者の片岡剛士さんと、わたくし経済学者の田中秀臣でトークイベントを開催いたします。片岡剛士×田中秀臣トークイベント 「円高・デフレ・失われた20年は自然…

研究会告知「日本の長期不況とマクロ経済政策」

専修大学社会科学研究所の公開研究会です。参加は自由とのこと。ケインズ学会での浅田統一郎さんと吉川洋氏、小野善康さんとのあいだの討論がありましたが、それを踏まえてのものです。かなり立ち入った内容になりますので、この日本の長期停滞をマクロ経済…

再録:『石牟礼道子全集』書評

6年前に『週刊東洋経済』に掲載された書評を再録。 1961年は日本人がすべて年金に加入した「国民皆保険」元年として知られている。日本の福祉国家の幕開けともいえるかもしれない。私はこの年に生を受けて、以後まさに高度成長時代の光と影と共に幼少時代を…

アマゾンレビューと勝間さんの最新作

勝間さんの最新作「「有名人」になるということ」のアマゾンレビューを5月23日の午後2時半現在みてて気が付いたこと。たとえば評価の分布は以下に星5つは9人 星4つは四人 星3つは二名 星2つはゼロ 星1つは五名で、このうちアマゾン調べでアマゾン…

片岡剛士『円のゆくえを問いなおす』その1

『日本の「失われた20年」』(藤原書店)で手堅い実証と周到な論理で、日本の長期停滞を明快に分析したエコノミスト片岡さんの待望の第二作です。本書の目的は、「為替レートの動向と日本経済への影響、さらに政府および日本銀行の政策対応を分析することで…

メガワロタ! リフレ派必見アニメ誕生

スパイス効きすぎ 笑。日本のサブカル的ユーモアの底力侮れず。http://www.nicovideo.jp/watch/sm17855061

勝間和代『「有名人になる」ということ』

勝間和代さんの存在を知ったのはかなり前だと思うけど確かな記憶はない。たぶん本屋の店頭で自転車に乗ってる仕事のできる女性風のビジュアルとして心のどこかにある程度だったろう。その勝間さんが僕の中で特別な「有名人」になったのは、09年の後半、「勝…

カレル・ヴァン・ウォルフレン『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか』

今まで小沢一郎氏関連の本を読んだことがなかったので気軽に読めそうなこの本を。ウォルフレン氏といえば、『日本/権力構造の謎』の著者で著名である。基本的に日本の官僚システムを中心とした構造的問題が、日本の停滞の原因となっていると考えている構造改…

カレル・ヴァン・ウォルフレン『ブッシュ 世界を壊した権力の真実』

10年くらい前に『週刊東洋経済』に寄稿した書評。要するにウォルフレンも「反ブッシュイズム」に囚われてるよね、という批判。 ーーー ブッシュ個人やブッシュ政権への批判としてはいくつかの定型化されたパターンがある。例えば、ノーム・チョムスキー、ア…

2012年05月16日のツイート

@hidetomitanaka: これがどうしてニュース価値が経済トップほどあるのかさっぱりわからん。>日銀の国債買いオペで初の札割れ…応札額届かず(読売新聞) - goo ニュース URL2012-05-17 01:17:53 via Tweet Button @hidetomitanaka: TPP反対論への批判で書いたけ…

本日の『夕刊フジ』一面で日本銀行問題についてコメント

今日の『夕刊フジ』は、最近の株安や円高の再加速について、日本銀行と白川方明総裁の責任を問う内容が一面の記事になっています。高橋洋一さん、浜田宏一先生とともにコメントを出しています。ぜひご一読ください。

石橋湛山の亡国経済論への批判:ハイパーインフレと清算主義

石橋湛山記念財団から『自由思想』の最新刊を頂戴しました。ありがとうございます。今回から敗戦直後の石橋湛山のインタビューや対談など全集未収録の資料を追う新シリーズが登場です。僕もこのブログで、湛山の全集未収録の敗戦直後の講演録を掲載したこと…

河上肇のロマン主義

『河上肇記念會会報』102号を頂戴しました。ありがとうございます。何気にこの会報と『POSSE』は自分とは違う立場なんだけど毎回楽しみにしている小冊子です。今回の個人的な目玉は、上谷繁之氏の連載「河上肇のロマン主義的マルクス論とその克服」です。 河…

実質国有化も原子力規制庁構想も規制する側とされる側のもたれ合いを強化する

しかし、これだけの社会問題になっても地域独占体制はいささかも変更なし。それどころか、東電は実質国有化でさらに独占力アップ。本当にこの国の体質には驚く。「原発ゼロ」 夏の計画停電、現実味(産経新聞) - goo ニュース http://news.goo.ne.jp/article/…

亡国経済論の系譜

倉山満さんとお話した亡国経済論の系譜がyoutubeにもアップされているのでご紹介。いま店頭にもでている『正論』の論考を補強する内容で、独自の日本経済学の流れを解釈しています。ぜひご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=uznQ-bez00A http://ww…

ニッポン放送「ザ・ボイス」出演

スペシャルコメンテーターということで東国原さんの代わりに、事実上のパーソナリティーとして出演してきました。番組の開始をアナウンスするときは、昔のラジオの深夜番組で育った世代としては感慨ありますね 笑。一時間半を飯田さんやスタッフの方に助けら…

倉山満と田中秀臣が語る日本を本当に滅ぼしたい人たち

ニコニコ動画でアップしました。倉山さんと一緒に、従来までの日本の経済学の見方を大幅に変えてみたいと思ってます。http://www.nicovideo.jp/watch/sm17770346

日本を滅ぼす人たちとは誰か?

youtubeにも掲載されているのでこちらも紹介。ニコニコ動画を合わせると総アクセス数1万超で見ていただいてます。http://www.youtube.com/watch?v=o9AAmp2uv14 http://www.youtube.com/watch?v=Ucn5AMkellE

倉山満『検証 財務省の近現代史』

すでにいろんなところで話題になっているので詳細な紹介は不用だと思うけど、明治以降から現代までの財務省(旧大蔵省)の流れを、特に今日的な話題である財政均衡的な発想(その一部に増税議論がある)の発祥とその展開、現代の問題までを実に明瞭に整理し…

浅田統一郎「デフレ脱却こそが国債累積問題の解決策である」

この種の論説では珍しく数式を使って議論されています。といっても単純なhttp://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20120501.htm 「ドーマー条件」を再び満たすようにするためには、20兆円規模の震災復興資金の日銀引受けをはじめとする政府と日銀の協定…

日本を破滅させたい人たち

AJERでの倉山満さん司会、上念司さんと僕との鼎談が動画アップされています。http://www.nicovideo.jp/watch/sm17698162 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17698266テーマはずばり「変態御用一般人」ですが、それはこちらをご覧いただけると誰を指すのかわか…

田中秀臣「亡国経済学の系譜」『正論』6月号

日本を亡きものとするような経済論とは何か? 独特の日本経済思想の流れを追ってみました。本日発売です。どうぞご一読ください。正論 2012年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 日本工業新聞社発売日: 2012/05/01メディア: 雑誌 クリック: 10回この商品を含む…