2015-06-06から1日間の記事一覧

中森明夫「人間・このアイドル的なるもの」in『福田恆存: 人間・この劇的なるもの』

福田恆存の名著『人間・この劇的なるもの』を現代のアイドル論として再解釈して提示する、中森さんの意欲作です。今回の河出書房新社の特集本に寄稿・再録された中では、片山杜秀氏や西部邁氏と並んで興味深い内容でした。アイドルの「自己の宿命」を生きる…

『西部邁と佐高信の思想的映画論 』

中森さんの福田論から、西部邁氏の福田恆存論(現在『日本の保守思想』に収録)を再読して、西部氏の著作をすこしまとめ読みしている。この佐高氏との映画をめぐる対談はかなり面白い。黒澤明の『生きる』の主人公造形への突っ込みが特に興味深い。「自分の…

安達誠司「経済から見る太平洋戦争への道」in『日本陸軍と太平洋戦争』(洋泉社MOOK)

日清日露戦争から太平洋戦争に至る経済的・政治的俯瞰がとても優れていて一読をおススメします。特に太平洋戦争に至った理由として、特に安達さんが注目しているのは満州へのこだわりです。この満州へのこだわりの背景には、人口増加維持不可能論とでもいう…

安田洋祐 (監修)『図解 ピケティ入門 いちばんやさしい『21世紀の資本』の読み方』

なかなか近くの本屋になく、大型書店でようやくゲット。さすがにピケティ関連本が多くでているので、それとの差異化にも気をつかいつつ、安田さんが監修しただけあって経済学的な注意点も豊富。高橋洋一さんの解説書と合わせて読むといいかもしれない。理論…

八木紀一郎「社会科学としての経済学 Political Economyの擁護』in『河上肇記念会会報』111号

今回の『河上肇記念会会報』には引き続き河上肇の夭折した長男河上政男の日記が収録されていて当時の若者の心情がよくわかる。この河上政男の日記はまとめて誰か注釈をきちんとつけて出版するといいのではないか? 他には八木紀一郎先生の論説が、例の学術会…