2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

梶谷懐『現代中国の財政金融システム』

ご高著を頂戴しました。ありがとうございます。 改革開放以後の中国の財政金融政策を、ふたつの制度的要因から分析した実証的な政治経済学の著作です。ふたつの制度的要因とは、中央と地方の政治経済的なパワーポリティックス、もうひとつは世界経済との関連…

明日、勝手に復興会議

いよいよ、明日です。いまの政府の復興構想会議は、ただの増税構想会議か、専門家のいない高級知識人のだべり場、しかも彼らが官僚のペーパーに認証を与えなければ補正予算もたてられない、まさに単なる復興の邪魔。そういう唾棄すべき人々(しかも彼らは善…

『英国王のスピーチ』

特に何も思わぬ。途中、かなり早送りするなり。英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2011/09/02メディア: DVD購入: 4人 クリック: 111回この商品を含むブログ (106件) を見る

『河上肇記念会会報』第100号記念を祝す

河上肇記念会から毎号頂戴していますが、ついに100号の記念号がでました。おめでとうございます。また東京河上会幹事、河上肇賞の審査委員としても、河上肇の業績を評価する貴会が今後ともますます盛会でありますようエールを送らせていただきます。 河上肇…

産経ニュースで書評

SF的想像力の意義示す - MSN産経ニュース http://dlvr.it/k5VDl ご紹介いただきありがとうございます。一部以下に引用。 国内外のSF作家ら26人が、東日本大震災への向き合い方や今後の展望について考えをめぐらせる『3・11の未来 日本・SF・創造…

緩やかにデフレ期待進行中?

将来のデフレがどのように進行するのか、日本ではこれぞばっちり、という指標はないが、それでも以下のブレーク・イーブン・インフレ率は参照にはなる(はいはい。そこのネットの人、十分君がいいたいのはわかるので些細なことにこだわらないように)。http:…

石橋湛山の東京裁判における幻の弁護側資料:東京裁判史観と日本銀行史観の類似性

小堀桂一郎氏の編集になる『東京裁判 幻の弁護側資料』に、石橋湛山が極東国際軍事裁判(いわゆる東京裁判)に提出した宣誓供述書と附属資料が掲載されていた。題名は「日本の工業化、侵略戦準備に非ず」と本では付されている。湛山は当時、東洋経済新報社長…

「菅政権マイナス脱原発」=そのココロは「なにもできない」?

『週刊文春』の後藤謙次氏と宮崎哲弥さんの対談「「3人目の総理」民主政権は立ち直れるのか」を読みました。主に宮崎さんの意見に賛成なので、宮崎さんの意見を簡単に箇条書きにしてご紹介。1.野田政権の誕生は民主党のアイデンティティの完全な剥落。霞…

キム・ハヌル『七級公務員』

キム・ハヌルは好きな女優です。特に彼女のコメディエンヌぶりが大好きで、映画は怖いの以外はほぼ全部みましたね。この作品も劇場で時間があれば見たかったものですが、正直、DVDでよかったと思いました。話の骨格は、どう考えても韓国国家情報院版の『Mr.…

「国のかたち」と国債引き受け:白川方明日本銀行総裁講演

ロイターの配信した記事より 日銀総裁、中銀が国債引き受けないのは「国の形」と副作用を警戒 http://bit.ly/qKjhuZこれを読むと、国債引き受けという「リスク」をおかすことは「国のかたち」をおかしくするそうである。ところで、「国のかたち」とはおそら…

法の裏付けのない「官邸主導の経済会議」とは、経済対策で何もしない(注視する)か、官僚主導のどちらか

NHKニュースより 官邸主導の経済会議創設へ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110901/k10015297371000.html経団連の米倉会長との会談の中で、野田首相は官邸主導の経済会議を創設して、それで成長戦略や税と社会保障の一体改革を議論するようだ。もちろん…

野田新政権への評価、すでに終わった内閣

高橋洋一さんが数日前に発言したかと思うが、その政権の人事をみればその政権の政策評価がだいたいできる。今日の野田新政権をみれば、あたりまえだが、民主党の増税賛成路線が、党内の政治バランスはどうあれ、結果的に「過半数」をしめたのだから、増税賛…

新城カズマ「3.11の裡に(おいて)SFを読むということ」

自分も書いている本とはいえ、依頼から締切までがかなり短く、ろくに準備もせずに突入したため、ほかの寄稿者の方々の原稿までとてもフォローする余力がなかった。いま『3.11の未来』をゆっくりを読んでいる。今日は、新城カズマ氏の論説を拝読した。昔のブ…

「デフレの長期化」で景気悪化し企業数は半減in『リベラルタイム』

3日の発売予定の月刊『リベラルタイム』http://www.l-time.com/で、10年後の日本経済について書きました。いまの「失われた20年」がさらに「失われた30年」になったとしたら? デフレと円高シンドロームがあと10年継続したらどうなるか、という悲観…

ジョージ・A・アカロフ&レイチェル・E・クラノトン『アイデンティティの経済学』その2

アイデンティティの経済学その1の続き 第二部はアイデンティティの経済学を4つの実例に即して解説した内容である。僕には最初のケース(士官学校や労働市場のケース)は非常になじみの深いテーマ。拙著の『日本型サラリーマンは復活する』(NHK出版)でも…