この対談は面白い。これからの資本主義の正しさの欠如(倫理的判断基準の不在)が大きな論点。マルクスで現在の資本主義を考える不適切さ。ピケティの『21世紀の資本』の限界の指摘と、それにもかかわらず本人が十分気付いていない議論の可能性の指摘。
スミスが前提にしていた道徳世界、マルクスが世界を判定するときに依拠したモラルハイグランド(道徳的優位)、それらが現代のシュンペーター的な資本主義(競争の結果、膨大な収入を得る経営者の存在、そのトップ層とその他の経済格差の出現)では無効化してしまっている。
現代の資本主義の在り方を判断する倫理の不在、これは興味深い論点。
総力ガイド! これからの経済学 マルクス、ピケティ、その先へ (経済セミナー増刊)
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