John Azizの記事より。
http://theweek.com/article/index/254694/nassim-taleb-used-to-be-my-hero-but-today-hes-just-plain-wrong
タレブはリーマンショック後の米国の経済政策(大胆な金融緩和と積極的な財政政策)を批判し、国債価格の低下(=国債金利の急騰)と高いインフレ(ハイパーインフレの可能性の示唆)を予測した。これは現時点でものの見事に否定されている。実際に米国に比べて積極的な経済政策を採用していない(=消費税増税などの財政再建政策にふれた)英国は失業率の改善のスピードも遅く、成長率も低い。ところがタレブにとってはこの予測が当たらなかったことはどーでもいいことみたい。そりゃないぜ、というのが大まかな話。後半はタレブのその種の「言い訳」とそれへのアジズ氏の応答が書かれているが途中で読むの挫折 笑。
この前半のタレブの“失敗”をとりあげたのは、いまでも市場関係者や日本的エコノミストの多くに「こんなに長期国債を日銀が買い取って将来大丈夫なのか」という、まさにタレブ的な「予測」がまことしやかにあるからだ。いまの日本の市場関係者のマインドだと低インフレ時になっても1%後半ぐらいに国債金利がなっただけで「日本破綻」を喧伝しそうなくらいだが、個人的にはそういう市場関係者(実際にはごく一部の人間の声でしかない。市場ではなくメディアで発言できる独占力の声だ)はマクロ経済の進展とともにいろいろ言いつくろってその種の金利水準も受け入れていくようになるだろう。彼等にはそれがビジネス(政策論議ではなく、あくまで顧客に受け入れられる意見を提供することが主眼)だからだ。タレブの「言い訳」も似たような構造を持っている。
ちなみにポール・クルーグマンの「逃げ口上の年」も関連するのでぜひ。日本ではこれからこの種の「逃げ口上」が流行するかもしれない。ただし消費税増税の影響がからむのでより巧妙になるだろうけど。
http://econ101.jp/%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%82%af%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%b0%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%80%8c%e9%80%83%e3%81%92%e5%8f%a3%e4%b8%8a%e3%81%ae%e5%b9%b4%e3%80%8d/