八尾信光『21世紀の世界経済と日本 1950〜2050年の長期展望と課題』

 八尾先生から頂戴しました。実は直接お話ししたことがなく御本を頂戴して驚きまた恐縮しております。ありがとうございます。副題にありますように、過去60年、これから40年近くの日本と世界経済の動向を視座にとらえている著作です。「グローバル市民社会」という問題提起をされているところが、最近の僕の問題意識である「福祉世界」論などとも関係してくると思います。八尾先生は、日本がいま長期的な停滞にあることを悲観していません。この停滞を必ず脱して、その経験を他国の教訓としていかし、それをグローバル資本主義からグローバル市民社会への転換に結び付けていくという考えだと思います。

 また本書は前半で本書と同じく、長期的な経済統計や予測で著名だったアンガス・マディソンの業績について簡潔な展望を与えていることも、本書の独自の視点と比較することができてわかりやすい構成になっていると思います。

 八尾先生が落ち着いた研究環境に回帰されたことを心からお喜び申し上げます。

21世紀の世界経済と日本―1950~2050年の長期展望と課題

21世紀の世界経済と日本―1950~2050年の長期展望と課題