「買え!」といわれても「買わん」という自制をもつことが本書のまず第一の意義でしょう。編集から頂戴しました。ありがとうございます。吉本氏といえば、マクロ経済ものはさておき(僕とは違う見解をお持ちと理解してます)、『金融広告を読め』は名著だと思ってます。本書もその延長の一作、ふつうの人が資産運用するときの注意点ー特に各種リスクへの理解がわかりやすく整理されていて便利です。
本書の主要テーマは、経済情勢(数年おきの世界経済危機やそれに応じた各国の金融緩和傾向)を前提にすると、長期投資や分散投資がいまのが通用しなくなった、ということです。この点をいくつもの側面から丁寧に議論しています。
その上で資産運用するならば、本書では個人向け国債をすすめてますが、それも金融緩和でインフレになれば、インフレに負けない預貯金や変動金利型の個人国債などにシフトするなど、たえずマクロ経済情勢に注意すること、それができないと買うべきではない、と丁寧に説明が加えられています。
本書の随所には対話形式での問答もあったり、小ネタが配置されていて、さすがに吉本氏はこの種の書き方はうまいなあ、と感心します。
- 作者: 吉本佳生
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: 新書
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