西川氏は大学時代にはとても人気のあった教員で、彼の書いた『経済発展の理論』は80年代前半に早稲田ではベストセラーであった。僕も彼の講義をとってないのにもかかわらず、この本を購入した。ただしなぜか熱心に読んだのは、僕が受講していた経済学史の担当者であった山川義雄氏の訳したジャムの『経済思想史』だとか彼の講義ノートの古いフランスの重商主義、重農主義者たちの議論だった。同じ経済学史を教える人でもかなり対照的で、また受講者も毛色が違った。この傾向は大学院になってからはより先鋭化した対比になったんじゃないかと思う。僕の場合は西川氏ではなく山川氏の方に魅かれた時点でその後の人生がおよそ決まった(おおげさかw。
その西川氏がたぶん最も評価しているのがこの松島氏の研究業績だろう。上に書いたように、西川潤的なものが僕の好みと正反対であることからも、もちろん松島氏と僕の経済思想的傾向はまったく異なる。とはいえ、松島氏は僕の一年上に在籍していた人で、旧知の人である。彼がいまどのような主張をしているのか、僕は全然知らないのだが、この献本いただいた本はありがたく頂戴したい。
なお西川氏といえば僕はただひとつ認識しているのは、フランスの経済学者のフランシス・ペルーへの高い評価である。ペルーの『経済と社会』という本は僕の書架にもずっと置いてある。また彼の書いたシュンペーター論もそういえばある。ペルーは『経済と社会』の中で贈与経済の重要性を説いていたと記憶する(以下続く
- 作者: 西川潤 ,松島 泰勝,本浜 秀彦
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2010/03/19
- メディア: 単行本
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