与謝野大臣の兼務、なんなら首相も兼務したら?

 中川秀直氏が「常識」的な発言をした。僕ももちろん「常識」的な立場にたつ。まあ、日本の経済関係のポストは、日本銀行総裁・副総裁人事でも明らかになったが、1)別にいなくてもかまわない、2)いても何してるかわからない という特徴をもつ。

 さらにこの経済関係ポストどうでもいいじゃん論のベースには、実はいまの政権が本当は景気対策という目の前にある危機を回避することではなく、どっちかというと明後日の方向の財政再建を重視する傾向があることの表れでもある(最近ようやく景気問題の検討をはじめたが、今年のはじめまで経済財政諮問会議など景気は無視での財政再建増税の検討のみ重視であった)。

 そういう永田町的な雰囲気充満の中で、政治的な思惑であれ、こういう「常識」的発言が聞けるのはまだ幸いだと僕は思うけどね。

与謝野氏の兼務解消を=中川秀氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009022300877

まあ、兼務解消できないならば(笑)、なんなら首相兼務でもいいんじゃないのかな。麻生氏のニセのスタンス(景気重視)よりも、本当のスタンス(財政再建=官僚の無駄容認)という論点がより明確化していいでしょう。いや、本当に。

 ところでその中川氏の最新のブログエントリーもついでに紹介しておこう。

http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10213909904.html

そして、改革路線発展線上に、郵政民営化を含む「霞が関改革」と、「最高の景気対策」の2本柱の具体策を提示し、直ちに実施するとの約束をすることが、次期衆院選に向けた王道となる。反対に、郵政民営化を含む「霞が関改革」の後退路線と、「遅すぎて小さすぎる景気対策」の組み合わせは、国民にとって最悪の選択となる。(

 これを読むと、数日前に懸念を表明したように、いつの間にか「郵政民営化」が「景気回復」と同列の地位までに引き上げられている。まあ、いまさら「郵政民営化」の見直しをする勢力もなんだが、それに対してそれを必要以上にクローズアップする勢力もなんだか感が否めない。

 以前、ここでも書いたが「上げ潮派」への違和感は、こういいまの危機の解消には不必要か、的外れの「構造改革」を持ち出すそのイデオロギー性にある。そして国民もなんだかしらないが、目前の危機を「郵政民営化」と信じてしまい、それがいまの05年体制を生み出しただけに、この中川氏が紹介した世論調査の結果も、その国民の信仰が意外と底堅いことを示していて個人的には警戒している。ここがまさに日本的ポピュリズムの岩盤みたいだからだ。いいかげんそういう危機認識の錯誤とそれに便乗したポピュリズムとしての構造改革の煽り、どうにかしてほしいものである。フー。