献本いただきました。ありがとうございます。
地球温暖化問題などでの環境活動に関わる過剰なイデオロギーのルーツを、社会的ダーウィニズムや(新)マルサス主義、あるいはハックスリー流のディストピア観、優性思想などとの関連でみる非常に興味深い考察。著者たちがバチカン教皇庁の大学に所属しているという点も照らし合わせると、地球温暖化問題ひとつとってもそれが一種の宗教的な観点を含めたイデオロギー論争であることもわかって、これまた類書に乏しいので参考になる。
後半のグリーンピースなど環境保護団体の内幕めいた分析も僕は知らなかっただけに今後の素材として十分使える気がする。本書は武田邦彦氏が推薦しているのだが、武田氏の『偽善エコロジー』もそのうち読んでみたい。

- 作者: リッカルドカショーリ,アントニオガスパリ,Riccardo Cascioli,Antonio Gaspari,草皆伸子
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2008/08
- メディア: 新書
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ちなみに、僕はいままで地球温暖化問題でももっともバランスのとれた見解は、山形浩生さんの『地球温暖化は止まらない』の訳者あとがきだと思った。