市場原理主義(Market fundamentalism )を探して


 同人雑誌みたいな『世界』の目次を見てたら、急に日本の経済学者のかなりの部分が仮想敵国とする市場原理主義Market fundamentalism を考えてみたくなりました。書籍ではこのタイトルそのものズバリはないですね。類似したものだと伊藤元重先生の『市場主義』がありますが、伊藤先生のすべてのテキストに共通している良点ですがバランスのとれたテキストでおよそ「原理主義」ではない、ですね。


 Econpapersで検索してもスティグリッツIMF批判の文脈ででてきているだけですが、できれば個人の経済思想の境界で確認したいんですよね。もちろん19世紀には思い当たる人物がいるんですが、現代での影響力を考えるとパスしなくちゃいけないでしょう。ちなみにMarket fundamentalism を言葉としてはっきり(批判の対象として)使っているのは記憶では、スティグリッツですね。ソロスも採用しているようですが失念。日本では多いのですが宛先不明のケースがほとんどです。


 内橋氏の『悪夢のサイクル』を読むと市場原理主義シカゴ学派で、中でもミルトン・フリードマンで、その精華がチリのピノチェット政権下での「シカゴボーイズ」ということになるのだと思いますが。僕はフリードマンはともかくとして「シカゴ・ボーイズ」はよくわからないので保留。


 あと後期のハイエクは、経済主体が不合理なことを選択してもやがて自己修復するメカニズムを有していると考えていたので、まったく政府の介入の余地がない、という意味では市場原理的なのかもしれません。少なくとも経済学史家のT.ハチソンはそう理解しているようです。


 一番体系的なのは、アイン・ランドなのかもしれないですね。